2020/1/11

W.C.カラス&アントニオ佐々木ライヴ・レポート  ブルース

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富山の木こりブルースマンW.C.カラスと、モアリズムのギタリストとして知られるアントニオ佐々木のデュオ。この組み合わせによるライヴ演奏が遂に実現しました。

カラスのファンならば彼のファーストCD(2013年)がモアリズムの全面サポートの下、彼らのレーベル、クニタチレコードからリリースされた経緯をご存知なはず。(その後同作はPヴァインから再リリース)カラス+モアリズムという形の演奏はライヴでも実現していますが、デュオということではこれがお初でした。

実はこの組み合わせは、この日の会場のLODIのマスターがかねてより「今度は是非これをうちの店でやりたい」と口にしていたものだったのです。しかし、昨年(2019年)はカラスがWild Chillunに注力していたため実現せず、そして昨年10月にアントニオがツイッターで「医師から余命半年と告げられた」と衝撃の告白。彼は東京から遠く離れた九州在住でもあり、もはやこのデュオを東京で実現するのは不可能かと思われました。

しかし、その後カラスが実現に向けて動き、年明けにデュオでのライヴをLODIと市川のALMANAC HOUSEで行うことが発表されました。12月上旬に予約受付を開始すると、両日とも即完売。小さなLODIの店内は、当日は手荷物を置く場所もないほどの満員状態になりました。

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W.C.カラス

この日の演奏は、主にカラスの曲にアントニオがサポート役に入る形で進行しました。ボビー・ブランドの"Members Only"で和やかにスタート。前半の第一部はモアリズムが参加したファーストのブルース・フィーリング溢れる曲を中心にプレイしました。"白いカラス"など、最近殆どやっていない曲もあって、これは貴重でした。

アントニオは、淡々とプレイしていて思ったより元気そう。カラスにトークを振られると、ボソッと「病人なので優しくしてください」とコメントし、笑いを取る一幕も。カラスが歌いながらリズムを刻んでいるので、アントニオのプレイは歌の合間のオブリガードやソロが中心でした。でも、やはり彼のプレイは素晴らしく、カラスのサウンドにすっと溶け込んでいきます。さして小難しいことをやっている感じではなく弾きまくることもないのですがしっかりブルースのツボを押さえていて、なかなかああは弾けないなと思いました。闘病中とは言え、アントニオ健在なり。

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アントニオ佐々木

第一部は、カラスのギターの弦が切れたところで、開始後40分弱でいったん休憩に。再開した第二部では雰囲気を変え、"信じるものなどありゃしない"(アントニオのリクエストだそう)などバラード・ナンバーや、高田渡のカバーも織り交ぜ、そして終盤は"うどん屋"、"軍手"で盛り上がりも最高潮に。

アンコールも3曲というサービスぶり。"今日も何とか切り抜けられた"は「アントニオが言った言葉を歌にしたんだけど、その本人は参加していなかったよね?」とカラス。そうかそうか、あの曲の歌いだしはこんな感じだったもんね。

 欲しくもない酒を飲みながら
 らしくもないアントニオがしみじみ言った
 今日も何とか切り抜けられた
 俺も同じさ何とか切り抜けられた


アントニオ、しみじみとギターを弾いていました(笑)。

そしてモアリズムの”笑う花”を挟み、この日初めてアントニオがヴォーカルを。カラス抜き弾き語りで"Goodnight Irene"をやってくれました。締めに相応しいこの曲でしっとりとこの日のショーはフィナーレを迎えたのでした。一部が短かったので、早めに終わるかと思いきや、時間は既にこのお店の終演タイム・リミット22時にあと数分と迫っていました。

終了後アントニオ氏に体調について聞いたところ「まぁ、あまりよくはない」とのこと。何とかお元気で!

本人は可能な限りライヴは続けていくそうなので、「また東京にぜひきてください」とお願いしました。でも無理はしないで…

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W.C.カラス&アントニオ佐々木
中野坂上LODI
Tue., January 7, 2020

1st set (19:43-20:20)
1. Members Only
2. Hot Dog Blues
3. 有頂天 BLUES
4. 白いカラス
5. 貧しい町
6. 飯炊き男のBLUES

2nd set (20:40-21:54, encore 21:37-)
7. Asphalt
8. 信じるものなどありゃしない
9. 機関車
10. 仕事探し(高田渡)
11. 誰かが死んだら足を見るといい
12. うどん屋で泣いた
13. 軍手の煮びたし
14. Moonlight Dreamer
-encore-
15. 今日も何とか切り抜けられた
16. 笑う花(モアリズム; W.C.カラスはギターなし)
17. Goodnight Irene(アントニオ佐々木のソロ弾き語り)

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