2019/9/14

The Weight Band来日公演レポート  ロック

ザ・ウェイト・バンド。再結成後のザ・バンドを支えたギタリスト、ジム・ウィーダーが中心となって結成されたザ・バンドへのトリビュート・バンドです。彼らが来日をしたので見に行きました。

ザ・バンドの主要メンバーが他界し、活動休止から20年も経った今、トリビュート・バンドの来日と言われても正直全然ピンとこなかったのが率直なところです。見に行こうと思ったのは、ゲストにリトル・フィートのポール・バレアとフレッド・タケットがゲスト出演するからでした。

という訳で当初主役にあまり興味がなかったのですが、彼らのCDを聴いて、がぜん楽しみになって来ました。そのCD「The World Gone Mad」はザ・バンドの精神をしっかりと引き継いだサウンドを展開しつつも、主にオリジナルの新曲で構成されていて、演奏力はもちろん、曲のクオリティもかなり高いものだったのです。これ、かなりお勧めです。

一方、ポール&フレッドは、2012年のリトル・フィートの来日以来、久しぶりの来日でした。2015年には2人での来日が一度は決まったものの、ポールの体調不良のためキャンセルに。ポールは近年C型肝炎、肝臓ガンで活動の制限を余儀なくされてきたので、正直もう来日は無理だと思っていました。来てくれただけでありがとうなのです。

無理やり2組を1つにくっつけた感もあるこの公演。まずは、ポール&フレッドが登場。2人ともストラト系のエレキを持ち、フィートの”Down On The Farm”からスタートしました。ポールは見た目はやはりやつれた感じがしましたが、スライド・ギターの音もよく、まだまだ演奏はいけます。ヴォーカルにはかつての力強さはないものの、ブルージーな味わいを出していました。

ローウェル・ジョージのソロ・アルバムに収録された”Honest Man”(のちにフィートとしてもローウェル追悼アルバムで演奏)は、フレッドがリード・ヴォーカルを取りました。彼は、演奏する前に、この曲を書いた際のエピソードを紹介。アーカンソーの墓地を散歩していて”John Smith, Honest Man”という墓標を見つけ、LAに帰ってローウェルにそのことを話したら、彼は翌日には歌詞を書いていたそうです。ホーン・セクションの入ったファンキーなイメージの強いこの曲ですが、2人だけでやってもオリジナル・バージョンの雰囲気とさほど変わりませんでした。そこは流石です。

"Sailin’ Shoes”はザ・ウェイト・バンドのブライアン・ミッチェルがアコーディオンで加わり、渋いアコースティックなサウンドで決めました。続いてバンド全員が出てきてフィートの”Willin’”へ。やはりフィートと言えばこれですよね。

ここまで開始後30分あまり、もうこんな山場が来てしまっていいものでしょうか。ジーンと来てしまいました。

しかしフレッドは変わらないですね。30年くらい前と全く同じではないかと思うほど元気です。

ポール&フレッドはステージをいったん降り、ザ・ウェイト・バンドの部へ。ザ・バンドの曲を中心とした選曲に彼らのCD収録曲も織り交ぜながらの展開。ザ・バンドの曲ではリックが歌った曲はベースの人が歌い、リヴォンが歌った曲はドラマーが歌うなど、完全に役割作りができているのが律儀だなと思いました。キャラとしては別に似ているわけでも、モノマネをしているわけでもないんですが。

ザ・バンドではリード・ヴォーカルを取らなかったロビー役(ジム・ウィーダー)とガース役(マット・ザイナー)も別の曲で歌いました。全員がリード・ヴォーカルを取るってなかなかないですよね。

ブライアンが途中、「ニューオーリンズのピアニストたち、特にマック・レベナック(ドクター・ジョン)に捧げる」と言ってプレイした”Such A Night”。これは意外でしたが、いいドクター・ジョン追悼だったのではないでしょうか。

アンコールではバンドの面々と一緒にポール&フレッドも再び登場。”Dixie Chicken”のイントロが流れると客席も大いに沸きました。そして、"The Weight"に突入。1番の歌詞を歌ったのはなんとポール!2番以降はバンドの面々が順番に歌いましたが、ポールが入ったため、歌の役回りはザ・バンドとは異なっていました。

当然、この曲でフィナーレと思いましたが、曲が終わるとウィーダーが「もう1曲聴きたい?」と客席に問いかけ、透かさず、"I Shall Be Released"へ。他の公演では"The Weight"で締めていたようなので、これは最終公演ゆえのおまけだったのでしょう。

「ビッグ・ピンク」収録のしっとりとした雰囲気だとラストにはどうかな?という感じもありますが、ここではバンドの面々が"The Weight"同様交代で歌い、より明るくプレイしてくれました。思わぬサプライズでした。

終わってみれば公演時間110分という二部制のこの会場では異例の長さ。間違いなく、僕がここで見た公演の中では最長記録です。

1983年のザ・バンドの初来日公演を思い出しながら楽しませてもらいました。

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THE WEIGHT BAND
with special guests: Paul Barrere and Fred Tackett
Sun., September 1, 2019 (2nd set)
Billboard Live Tokyo
19:30-21:20 (encore 20:55- )

=Paul Barrere & Fred Tackett=
1. Down on the Farm (Barrere-vo)
2. Candyman Blues (Barrere-vo)
3. Honest Man (Tackett-vo)
4. Sailin’ Shoes (Barrere-vo) with Brian Mitchell on accordion

=Paul Barrere & Fred Tackett with the Weight Band=
5. Willin’ (Barrere-vo)

=The Weight Band=
6. Stage Fright (Rogers-vo)
7. Common Man (Bram-vo)
8. Such A Night (Mitchell-vo)
9. Tears of Rage (Zeiner-vo)
10. World Gone Mad (Weider-vo)
11. Deal (Mitchell-vo)
12. Up on Cripple Creek (Bram-vo)
13. Chest Fever (Zeiner-vo)

-encore-
=Paul Barrere & Fred Tackett with the Weight Band=
14. Dixie Chicken (Barrere-vo)
15. The Weight (Barrere, Mitchell, Zeiner, Rogers, and Bram-vo)
16. I Shall Be Released (Mitchell, Zeiner, Rogers, and Bram-vo)

[Personnel]
Jim Weider - guitars, mandolin, vocals
Brian Mitchell - keyboards, organ, accordion, vocals
Matt Zeiner - keyboards, organ, vocals
Albert Rogers - bass, vocals
Michael Bram - drums, vocals
Paul Barrere - guitars, vocals
Fred Tackett - guitars, mandolin, vocals

【来日公演日程】
8月29日(木)ビルボードライブ大阪 1st Stage 18:30 / 2nd Stage 21:30
8月31日(土)ビルボードライブ東京 1st Stage 16:30 / 2nd Stage 19:30
9月1日(日)ビルボードライブ東京 1st Stage 16:30 / 2nd Stage 19:30
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