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2015/5/26

Rest in Peace, Mr. Randy Chortkoff  ブルース

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Randy Chortkoff
at Pasadena Blues Fest., Jul. 23, 2006
(c)Photo by Masahiro Sumori

ちょっと日が経ってしまいましたが、これは個人的には触れなければならない大きなニュースです。

カリフォルニアのブルース・レーベル、デルタ・グルーヴ・プロダクションズの社長であり、ハーモニカ奏者のランディ・チョートコフが2015年5月5日、ロサンゼルスで亡くなりました。65歳でした。

ブルースのシーンが全般的に勢いを失う中、デルタ・グルーヴは、10年以上の長きに渡り、LAのブルース・シーンの生きのいいサウンドを紹介し続けてくれました。レーベルの運営は彼一人でやっていた訳ではありませんが、彼の思いとプロデューサーとしての実力が原動力となっていたのは間違いなく、今後どうなってしまうのか、心配です。

チョートコフがデルタ・グルーヴを興したのは約15年ほど前。それ以前は主にプロデューサーとして、アーティストの作品の制作に関わっていました。自主制作で作った作品を既存のレーベルに売り込むスタイルで作品をリリースしました。

彼がデルタ・グルーヴ以前に手がけたアーティストには、ビリー・ボーイ・アーノルド(アリゲーターからリリース)、ファイニス・タスビー(エヴィデンス・ミュージックよりリリース)、キング・アーネスト(同じくエヴィデンス・ミュージックよりリリース)、フランク・ゴールドワッサー(独クロスカットよりリリース)などがあります。

自身もハーモニカ奏者でありながら、デルタ・グルーヴ設立後もリーダー作を作ることはなく、他のアーティストを支える縁の下の力持ち的な役回り。しかし、レーベルでリリースされた作品にはしばしばサポート・ミュージシャンとして参加して来ました。デルタ・グルーヴではマニッシュ・ボーイズを皮切りに、ハリウッド・ブルー・フレイムズ、ロッド・ピアッツァ、エルヴィン・ビショップなどなど数多くの素晴らしい作品を発表してきました。またロック寄りの別レーベル、エクレクト・グルーヴを立ち上げ、アナ・ポポヴィッチなどを手がけています。

昨年末の12月14日に、デルタ・グルーヴから「Seasons Greetings from Delta and Eclecto Groove Music」と書かれたメルマガが届きました。社交辞令的なクリスマスメッセージかとスルーしそうになりましたが、読んでみてビックリ。チョートコフ本人より肝臓がんで闘病中であることを告白する内容でした。そこには完治する見込みであることが記されていたのですが、こんなにも早くお別れが来るとはショックでした。

表舞台に好んで出てくる人ではなかったため、これを読んだ方の中には「それ、誰?」と首をかしげている人もいることでしょう。LAのブルース・シーンにおいても、プレイヤーとしてバリバリ活躍していたという感じではなく、僕もデルタ・グルーヴが2004年に作品をリリースし出だすまで、彼のことは知りませんでした。

2006年にパサデナでマニッシュ・ボーイズのライヴを見た際、彼がハーモニカ・プレイヤーの一人として登場しました。僕が彼を生で見たのはそのとき一度きりでした。

しかし彼のブルース・シーンに残した足跡は、非常に大きいと思います。彼の功績に感謝と敬意を表して、追悼文を書きました。安らかにおやすみ下さい。
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2015/5/24

ジョン・ハイアット、歌心が沁みました。  ロック

ジョン・ハイアットの27年ぶりの来日公演、身体に沁み入るよさでした。決定した時は、え?バンドなし?と思ったのは事実だけど、実際演奏するハイアットを目の前にして、バンドがあればなぁ…とは全く感じませんでしたよ。それは歌はもちろん、ギターが特に素晴らしかったからというのが大きいと思います。

アンコールを含めても70分というのはちょっと短いなという気はしましたが、内容は最高。観客も長年待っていましたという感じの人が多く、多くの曲でイントロが響いた時点で即座反応し大歓声。リクエストコールも飛びまくり、結構ハイアットもそれに笑顔で応えていました。"Riding with the King”もリクエストされていましたが、ハイアットは「To the King of the Blues」と一こと言って歌ってくれました。天国のB.B.も喜んでいるでしょうね。

ボニー・レイットで有名な"Thing Called Love"は、途中「この部分はボニーが省略したところだ」とニヤリ。

アンコールは、やはりこれでしょうね。”Have A Little Faith In Me”。歌も力が入っていて、泣けるよさでした。でも、この頃にはファンの熱気は最高潮。Little FaithじゃなくてHuge Faithになっていたかも。

アンコールが終わって、丁寧にお辞儀をして去っていくハイアットに、サインをもらおうと群がるファン。ハイアットは、それに丁寧に応えるものだから、なかなか演奏が終わっても退場しない。そんなことをしているうちに5分くらい経ち、その間二度目のアンコールを求める拍手が割れんばかりの大きさになりました。結局それはなかったんですが。サイン会はなかったですが、あったら大変なことになっていたかも。

いいライブでした。これを機に是非再来日してほしいですね。次はバンドで。今回ソールドアウトにはならなかったみたいですが、ビルボードにあそこまで客が入っているのは久しく見ていない気もするので、お膳立ては整ったのではないでしょうか?(と勝手に思っています。)

このあと、5/25(月)には大阪公演があります。期待していいと思いますよ。

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John Hiatt (solo acoustic)
Sat., May 23, 2015 (2nd show)
Billboard Live Tokyo

[Setlist]
1. Drive South (Slow Turning, 1988)
2. The Open Road* (The Open Road, 2010)
3. Like A Freight Train* (The Open Road, 2010)
4. Tennessee Plates (Slow Turning, 1988)
5. Crossing Muddy Waters (Terms Of My Surrender, 2014)
6. Icy Blue Heart (Slow Turning, 1988)
7. Cry Love (Walk On, 1995)
8. Slow Turning (Slow Turning, 1988)
9. Long Time Comin’ (Terms Of My Surrender, 2014)
10. Thing Called Love (Bring the Family, 1987)
11. Lipstick Sunset (Bring the Family, 1987)
12. Riding with the King (Riding with the King, 1983)
13.Memphis in the Meantime (Bring the Family, 1987)
-encore-
14. Have A Little Faith in Me (Bring the Family, 1987)

21:00-22:10 (encore 22:04- )

[Personnel]
John Hiatt - vocals, acoustic guitar, harmonica on *
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2015/5/19

B.B.キングは本当に偉大なのか?  ブルース

B.B.キングが亡くなりました。

「B.B.程度のブルースマンなんて他にもいる」などと言った人がいましたが、僕は断言します。

彼ほど偉大なブルースマンは先にも後にもまずいません。

彼よりうまいギタリスト、彼よりうまい歌手、彼よりインパクトの強いキャラクターそういうレベルならいるでしょう。でも、そのプレイ、声、キャラを融合させて彼ほど影響力のある音楽スタイルを築いた人は稀ですし、ましてやそれを60年以上に渡って一度もシーンから消えることなく第一線でやり続けた人が他にいるでしょうか?いないと思います。

続くかどうかなんて音楽の才能とは関係ない?そうでしょうか?瞬間的にすごい力を発揮する人は結構いるのです。しかし、多くの人はそう長くは持ちません。僕は長く創造力を発揮し続けることできたのは、B.B.の才能だと思うのです。B.B.が運がよかっただけ?そういう面も確かにあるかも知れません。でも、それを是としても運も才能のうちではないでしょうか?

多くの共演者やファンから愛された人柄もそうです。ミュージシャンの中には、音楽的な能力があっても性格が悪いという人も少なくありません。性格が災いして才能を充分発揮できずに消えていく人もいます。B.B.が長きに渡り第一線で活躍できたのは、人望が厚かったことも大きいのだと思います。人望も立派な才能でしょう。

僕も色々なブルースの人たちを聴いてきましたし、心底好きな人たちはB.B.以外にも多々います。彼らとB.B.を天秤にかけて優劣を判断するなど愚かなことです。

しかし、これだけの条件が揃った人は、僕は他に知りません。少なくともブルースの世界では唯一無二でしょう。彼ほどの成功を手にしたブルースマンは他にいないですから「なぜ彼ばっかり…」という目で見る人がいても不思議ではありません。しかし、それだけの理由はあるのです。

やはり、B.B.キングはスゴイ!これは何度でも声を大にして言いたいと思います。
そして彼が抜けた穴の大きさは、日が経つにつれ大きく感じられるようになりそうです。
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2015/5/16

The funky Meters来日公演レポート(2015)  ニューオーリンズ

ファンキー・ミーターズの来日は2014年1月に続くもので、前回から1年余りというなかなかのハイペースです。再結成以後ずっとドラマーを務めていたラッセル・バティストJr.が抜け、テレンス・ヒューストンに交代したという変化はあったものの、2人のオリジナルメンバー、アート・ネヴィル(org.)とジョージ・ポーターJr.(b.)は不動。数年前にメンバーに戻ったギターのブライアン・ストルツもいました。

アートは来日が決まる度に「今度こそ日本での見納めになるのでは?」と思ってしまうのですが、なんだかんだで、よく来てくれます。近年、彼の身体の衰えは誰が見ても明らかですが、その反面やる気は全く衰えていないようです。本当にプレイするのが好きなんでしょうね。

僕は今回、高い位置から見たのですが、アートの手元を覗き込む様な形となり、結果的に非常にいいポジションでした。

定刻通りに照明が落ちたものの、アートは歩くのもステージに上がるのもなかなか大変なようで、オルガンに向かうまでに2分はかかったでしょうか。彼の着ていたナイキのTシャツがイカしていました。ナイキのマークの下にNIKEではなくNEW ORLEANSと書かれているものでした。あれはまがい物?(でしょうねぇ。)

アートのヴォーカルで"Iko Iko"からスタートしました。しかし、「おれ、歌詞忘れちまったよ」とお手上げポーズで、ジョージに訴えるという、いきなりオヨヨな展開。しかし、ジョージは助け船は出さず、ニコニコ笑うばかり。歌のパートが時折すっ飛ぶなんともゆるゆるな"Iko Iko"でした。

しかし、ここからが彼らの底力。前回同様ジョージが主導権を握り、ファンキーなうねりを生みながらぐいぐい展開して行きます。曲は変わっても切れ目は全くなく、ノンストップのジャムといった趣き。ビルボードライブという落ち着いた雰囲気の会場ゆえに観客はおとなしめですが、演奏はどんどんヒートアップしていきました。アートは声が殆ど出ていないのが残念でしたが、オルガンは思いの他切れがあり、調子は悪くなさそうです。往年の勢いとまではいかないまでも、好演に嬉しくなりました。まだまだいける、本人もそういう気持ちなのかも。

ジョージとブライアンはしばしば向かい合い、お互いを煽りあうようにジャムを展開しました。やりたい放題のようで決めるところは決めてきます。特に後半の"Funkify Your Life"からラストの"People Say"までのグルーヴは熱かった!ジョージもだいぶ年を取りましたが、めちゃくちゃ元気。彼がピンピンしている間は、まだこのグループは続けられるように感じました。

アンコールでは、ブライアンが"Liver Splash"のイントロを弾きだしたにも関わらず、アートが「"Ain't No Use"がやりたい」と言い出し、急遽変更。ジョージは、「また予定にないことを言い出すんだから…」と笑いながらアートのところに行って、彼の前に貼ってあったセットリストをくしゃくしゃっと丸め、後ろ側にポイッ!しかし、あとでセットリストを見たら予定ではアンコールはCissy Strutだったんですね。どちらにせよ、予定は無視されていたんです。ちなみに、セットリストには他にも実際の曲と違うところがいくつかあり、冒頭の”Iko Iko”も書かれていませんでした。

しかし、このアンコールはよかったです。冒頭で歌ったあとは、アートはリード・ヴォーカルを取ってませんでしたが、ここでは歌い、オルガンに加えエレピも弾いていました。締めに相応しい熱演でした。

ちなみに新ドラマーのテレンスは、ジョージのバンドで叩いていた人。目立ちたがり屋キャラのラッセルとは対照的に黙々とプレイしていましたが、結構気持ちいいビートでした。個人的にはラッセルよりも好きかも。

ビルボードライブの公演にしては長めの95分。アンコール前に2、3分間があいた他はノンストップだったので、相当内容は濃かったです。ジャムバンドとニューオーリンズ・ファンクの真髄を見せつけたいいライヴでした。アートの体調が心配ではありますが、彼のやる気があるうちはまた来てくれそうです。

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Sat., May 9, 2015, 2nd set
Billboard Live Tokyo

Iko Iko
Look-Ka Py Py
You've Got To Change (You've Got To Reform)
Just Kissed My Baby
Seven Desires (vocals-Brian)
Funkify Your Life
(bass solo)
A Message From The Meters
Doodle Loop (The World Is A Little Bit Under The Weather)
People Say
-encore-
It Ain't No Use

21:00-22:35 (encore 21:25- )

[Personnel]
Art Neville - organs pianos, vocals
George Porter, Jr. - bass, vocals
Brian Stoltz - guitar, vocals
Terrence Houston - drums

《全開以前のライヴレポート》
2014年来日について(セットリスト&レポート)
http://black.ap.teacup.com/sumori/1493.html

2009年来日公演レポート
http://black.ap.teacup.com/sumori/252.html
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2015/5/15

巨星落つ、B.B.キングが亡くなりました  ブルース

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B.B.King
at Long Beach Blues Festival, 1990
(C)Masahiro Sumori

とうとうというか、B.B.キングが亡くなってしまいました。
また改めて書き込みたいと思いますが、5月14日、B.B.はラスヴェガスの自宅で息を引き取ったそうです。89歳でした。

5月1日に自ら「自宅でホスピスケア下にある」との声明を出したB.B.。ホスピスとは人生の終末期のケアのことですから、この日が近いことはわかりました。しかし、彼の存在はあまりにも大きく、やはり訃報を一報を目にした際のショックははかりしれなかったです。

僕は、高校1年生のときに、B.B.のレコードを初めて買い、夢中になって聴きました。その後、何度もコンサートにも足を運びました。ブルースの最盛期にその名を刻んだブルースマンが時の流れとともに他界していく中、B.B.は文字通りブルースのキングとして、ずっとブルース・シーンの中心で存在感を示してきました。

彼の抜けた大きな穴を埋められる人は他にいないでしょう。

ただただ、今までありがとうと言いたいです。
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