2014/8/8

フジロック・レポート:SOUL MUSIC LEGENDS  ブルース

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フジロック・ライヴ・レポートその2、SOUL MUSIC LEGENDS (SYL JOHNSON, BOBBY RUSH, LAVELLE WHITE)の巻です。

今回、僕はこのセット見たさに苗場行きを決めたのです。いや、正確にはここに出るラヴェル・ホワイトが目当てでした。ボビー・ラッシュもシル・ジョンソンも大好きですが、彼らは以前に何度も見たことがあったので、なんと言ってもラヴェルを一目見ておきたいと思ったのでした。

しかし!フェス開催前日になってラヴェルが体調不良でキャンセルしたことを知り、がっくし。85歳とご高齢なので、そういうこともあるでしょう。残念だけど仕方ないです。その分シルとボビーが頑張ってくれるはずと前向きにこのセットを待ちました。

彼らが登場したのは、フジロック最終日7月27日のオレンジ・コート。このステージ最後のセットでした。この日は午前中から雨がしとしとと降るあいにくの天気。しかし、休憩時間中にサウンド・チェックのためにバンドの面々が姿を現すと、もう既に盛り上がっている人がちらほら。そんな中には、ブルース・ザ・ブッチャーのホトケさんとコテツの姿も。彼らもフェス出演者ですが、このときばかりはそれを忘れて盛り上がっていました。お好きなんですねぇ。(笑)

そのうち、ボビーとシルもラフな格好のままで、出て来て軽く音出しを。うおー、いいねぇ。僕も早くもわくわくしてきましたよ。

このセットは90分枠。恐らく、1人30分計算だったんでしょうが、ラヴェルが欠席となったことで、ボビーとシルがおおよそ45分ずつという時間配分でした。

まずは、ボビー。シャッフルのリズムに乗せて、ハープをブローしながら登場。紫のスーツでびしっと決めています。しゃきっと姿勢よく、プレイしながらステージを右往左往するし、声のはりも全く衰えを感じさせません。もう80歳だというのに、この元気さは何なんだ?昔と全く変わらなさ加減が怖いくらい。

2曲目には早くも代表曲"Chicken Heads"が飛び出し、観客も大いに沸きます。ファンキーだねぇ。最高だねぇ。即席のバンドだったけど、さすが山岸潤史(gt.)とジェリー・ジェモット(b.)を核とした強者揃いとあって、サウンドはばっちりでした。ボビーは歌の合間には、各メンバーのところに歩み寄り「そうだ!もっとプレイしろ」と言わんばかりに煽ります。それに応える彼らを見て嬉しそうなボビー。ライヴならではの醍醐味全開です。曲の終わりに、毎回ドラマーのデリク・マーティンがドラムセットを跳び超すかのごとくぴょーん!と飛び上がるのがまたおかしくって。そんな彼を僕はカエルのおもちゃと命名(笑)。
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デリク・マーティン君(イメージ)

スロー・ブルース"Garbage Man"も熱演でした。こんなコテコテ・ブルースが苗場の夜空に響き渡るとは、うーむ至福(笑)。"I Got 3 Problems"は、CDではボビーがギターの弾き語りでやっていますが、ここでは山岸さんにギターを任せ、本人はハープを吹きながら身振り手振りを交えてコミカルに、ちょっとスケベに歌います。これこれ、これぞボビーですよ。バック・ダンサーがいなくてもボビーの世界は健在でした。そう言えば、サウンド・チェックのときはギターを鳴らしていたボビー。本番では全く弾かなかったですね。

ボビーがステージを去ると間髪入れずシルが登場。いきなりハイ時代の名曲、"Back for a Taste of Your Love"で始まったもんだから、もう盛り上がらない訳がないです。このベース・ラインにホーン・セクション。まさにハイ・サウンドですね。特にジェモットのベースが紡ぎ出すグルーヴは、何気ないフレーズでもやはり凄い。

続いて、これも代表曲"Come On Sock It To Me"。途中、"Hey, hey, I feel alright!"のかけ声に続いて、ブレイクを"one time!"、"two times!"と増やしながら入れて行くネタを展開。最後"15 times!"で終わるところまで、昔のままですね。盛り上げるにはもって来いです。シルはブレイクのリズムに合わせて腰をくねくね。乗ってるじゃねーか、オヤジ(笑)。

ローウェル・フルソンの"Reconsider Baby"なんて言うコテコテブルースの選曲もありましたが、結構王道の名曲オンパレードで、いやぁよかった。少し見た目も声も老けたかな?なんて思いましたが、いやいや、強引な展開をバンドに強要するわがままぶりといい、シル様はまだ衰えたなんて言わせない気概に溢れています。強引な展開ゆえに時にメチャクチャになりますが、それも含めてシルなんですよね。

終盤、ボビーが戻って来て2人の共演が実現したのですが、シルはボビーの登場の仕方が気に入らなかったらしく、歌っていた"Ms. Fine Brown Frame"をいきなり途中でやめてしまいました。続いて2人でやった"Take Me To The River"もボビーがハープをプレイすると、「そこは俺だ!」と言わんばかりにボビーの音をかき消す様にプレイ。事前の打ち合わせはなかったと見え、歌もデュエットと言うよりはぶつかりまくってました。まぁシル節全開ですね。

ボビーはそんなシルの振る舞いに苦笑いを浮かべながら、譲っていました。彼が紳士でよかったね。もしシルと同じ様な性格だったら、きっとステージ上で小競り合いになっていたに違いないです(笑)。ボビーの方が年上なのにねぇ(笑)。それでも曲後半では豪勢なハープバトルも聴けました。

アンコールで、シルが"Goodie-Goodie Good Times"をやって、このセットは終了。ボビーは、ステージ後ろの方で眺めていました。シルは、ギターを抱えて出て来たにも関わらず、アンプにつながず、中途半端に抱えた状態で歌っているので、スタッフの人がアンプに繋がったシールドをシルに手渡しました。しかし、シルはそれをこともあろうに繋がずに手に握りしめたまま歌い続けました。当然、ジージージーという凄い雑音がアンプから響きましたが、シルは一向にお構いなしなんですね、これが。シルらしいというか。最終的にスタッフが出て来てアンプのボリュームを絞り、事なきを得ましたが。

ラヴェルの体調は心配ですが、ボビーとシルが彼女の穴を埋め合わせて余りある元気さを見せてくれたので、よかった。今回シルだけ東京単独公演が組まれましたが、ボビーも次回は東京や大阪でもお願いしたいところです。80歳、でもまだまだ彼はいけます!

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≪蛇足1≫
演奏が終わって、一列に並んで観客の声援に応えるメンバー一同。シルが何やら皆さんにしきりに何かを言っています。どうも、観客をバックに記念写真が撮りたいらしい。しかし、スタッフにそれが伝わらず、スタッフはメンバーが観客の方を向いたままの状態でシャッターを押そうとしています。シルがいらついたよう「違う、違う!!」と全員に向きを変えるように手でジェスチャーを送っています。で、無事ステージに後ろ向きに並んだ彼らは写真を撮っていたのですが、どう考えてもカメラの位置が低すぎて、観客は全く写っていないと思う…。(笑)

≪蛇足2≫
スタッフがMCで「終演後、ステージ脇でボビーのCDを販売するよ。サインもするから来てね」と言ってたけど、彼らはこのステージ最後のアクトであり、しかも終演は予定より20分押し状態。実際には終わったと同時に待機していた解体業者がなだれ込み、我々はあえなく追い出されました(笑)。

そもそも、結構雨も降っていてあたりは暗かったので、どこでやるつもりだったんだ?と言う疑問は残りますが。そんなドタバタ感も含め楽しいライブでした。

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SOUL MUSIC LEGENDS
Fuji Rock Festival (Orange Court)
Sun., July 27, 2014 (21:10 - 22:50)

[setlist]

Bobby Rush
1. Too Many Drivers
2. Chicken Heads
3. Mary Jane
4. Garbage Man
5. Night Fishin'
6. Bowlegged Woman, Knock Kneed Man
7. I Got 3 Problems
8. Shake, Rattle & Roll〜Shake Your Moneymaker

Syl Johnson
9. Back for A Taste of Your Love
10. Come On Sock It To Me
11. Anyway the Wind Blows
12. Is It Because I'm Black?
13. Reconsider Baby
14. Keep on Loving Me
15. Ms. Fine Brown Frame
16. Take Me to the River (with Bobby Rush)
-encore-
17. Goodie-Goodie Good Times

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この公演の写真付きレポート
FUJIROCK EXPRESS 2014
http://fujirockexpress.net/14/p_7723

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[Personnel]
Syl Johnson - vocals, guitar, harmonica
Bobby Rush - vocals, harmonica
June Yamagishi (山岸潤史) - guitar
Jerry Jemmott - bass
Jim Pugh - Hammond B-3 organ, keyboards
Patriq Moody - trumpet
Michael Roberts - saxophone
Derrick Martin - drums
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