2013/9/30

Jon Cleary@浅草HUB  ニューオーリンズ

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ジョン・クリアリーのソロ・ピアノ・ツアー、初日二部を見ました。会場は浅草のHUB。この店はチェーン店ですが、この浅草だけは他の店とは違ってニューオーリンズ一色で、連日ライブをやっています。以前から気になっていたのですが、やっと行くことが出来ました。

店内の壁には、ニューオーリンズを連想させる写真などがいっぱい。広すぎず、とても落ち着けるいいお店でした。遅いスタートの二部だったにも関わらず、僕は夕食を食べそびれていたので、腹ペコ。ガンボ、フィッシュアンドチップス、それに生ビールを注文してがっつり食いました(笑)。早めにお店に着いてよかったぁ。ガンボが特においしかったです。スパイスの香りが本格的なニューオーリンズの味でした。

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ガンボの具はソフトシェルのカニで食べやすかったです。
豆がいっぱい入っていました。添えられたガーリックパンがまたおいしくて。

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店内の壁には写真だけでなくセカンドラインパレード用の傘も

ジョンが日本でピアノ・ソロのライブをやるのは2008年に青山のCAYでやったとき以来ですね。あのときは、古い曲のカバーをやったり、バンドのライブとは随分違っていましたが、今回も5月に来たときはやらなかったカバー曲が中心でした。冒頭ノリノリなブギウギ・ピアノを決めたら、アール・キング、ロイド・プライス、リー・ドーシーなど、ニューオーリンズR&Bのおいしいところをたっぷりやってくれましたよ。ここら辺の曲は、ときにブルージーで、ほろっとくる哀愁に溢れていて、いいんですよね。彼の演奏が古風な店の雰囲気ともばっちりあっていました。ラストでやったジム・リーヴスのカントリー・ナンバーもしっかりニューオーリンズR&Bになっていました。

右足を床に激しく打ち付けてリズムを取りながらピアノを弾く。弾きまくるタイプではないけど、足下と同じく、タッチは力強く躍動感に溢れています。歌も聴かせてくれましたね。思わず一緒に歌ってしまいました。

アンコールは客席からリクエストで、"Young Boy Blues"を。5月の来日でも大いに盛り上がったこの曲をやったあと、再度ブギウギで締めました。

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彼の譜面台には手書きのセットリストがありましたが、実際にやった曲とは結構違っていました。(というか殴り書きだったので、半分くらいは判読不能…)これから各地を回りますが、きっと毎回やる曲は違うでしょうね。なので、ネタバレにもならないでしょうから、この回のセットリストをあげます。

Jon Cleary
Asakusa Hub
Sept. 28, 2013 2nd set
21:35-22:55

[Setlist]
1. Boogie Woogie (Instrumental)
2. Those Lonely, Lonely Nights (Earl King)
〜"Can't Believe You Wanna Leave" (Little Richard)
3. Just Because (Lloyd Price)
4. Pony Boy (Allman Brothers)
5. Do-Re-Mi (Lee Dorsey)
6. All These Things (Art Neville)
7. It's All Over Now (The Valentinos)
8. - (slow instrumental)
9. Hello My Lover (Ernie K-Doe)
10. Mississippi Delta Blues (Jimmie Rodgers)
11. Cuttin' In (Johnny "Guitar" Watson)
12. When U Get Back
13. Tipitina (Professor Longhair, instrumental)
14. Talk to Me, Talk to Me (Little Willie John)
15. Go Ahead Baby
16. I Get the Blues When It Rains (Jim Reeves)
-encore-
17. Young Boy Blues
18. Boogie Woogie (Instrumental)

Jon Cleary - piano, vocals

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◆今回のツアーの日程
http://black.ap.teacup.com/sumori/1428.html

◆過去の公演のレポート
・2013年5月20日、渋谷クラブクアトロ公演(Jon Cleary Trio)
http://black.ap.teacup.com/sumori/1419.html

・2008年10月15日、渋谷クラブクアトロ公演(Absolute Monster Gentlemen)
http://black.ap.teacup.com/sumori/179.html

・2008年10月20日、青山CAY公演レポート(ソロ・ピアノ)
http://black.ap.teacup.com/sumori/184.html

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お店は大通りからちょっと入ったところにあります。


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2013/9/26

「ゴースト・ミュージシャン」を読んで  R&B/ソウル

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鈴木啓志氏の音楽書としては久々の「ゴースト・ミュージシャン」。舞台は主に1960年代から70年代にかけて数多くのサザンソウルの名作を生み出したアラバマ州マッスルショールズのフェイム・スタジオです。

名作が生まれた背景にはどのような状況があったのか、その真相に迫る鈴木氏入魂の作です。「ゴースト・ミュージシャン」とは、ゴーストライターになぞらえて鈴木氏が生み出した造語。鈴木氏は、スター歌手のレコーディングを陰で支えた知られざるスタジオ・ミュージシャン達(特にフェイム・ギャング)をあえて主役に据え、その知られざる姿を描き出そうと試みます。

フェイムのリック・ホールとアトランティックのジェリー・ウェクスラーという、ともに多くの名作を手掛けた2人には、どのような考え方の違いがあったのか、それがどのような形で作品に現れているのか。あるいはフェイム・スタジオのレコーディングに多く参加したフェイム・ギャングはどのようないきさつで生まれたのか、マッスルショールズ・リズムセクションと比較しての立ち位置はどうだったのか?などなど、ソウル・ミュージックを愛するものであれば興味深い内容が満載です。

鈴木氏は、この時代に各地で行われたレコーディング・セッションのデータをひとつひとつチェックし、ミュージシャンたちがどのような動きをしていたのかについて仮説を立て、個々の作品を自らの耳でチェックしていくことで、その検証を行っています。細かい点と点を集めて面を形成していく、いわば刑事事件の捜査のような気の遠くなる作業です。ここまでの細かい仕事は、この道に深く入り込んで何十年という鈴木氏だからこそなせる技でしょう。ただ漫然と「いいなぁ」と聴いてきた名作にも、様々なドラマが隠されていることが語られており、目からうろこが出る思いです。

鈴木氏は、これまでソウル・ファンからはある種バイブル的な扱いを受けてきたピーター・ギュラルニックの著書「スウィート・ソウル・ミュージック」、あるいは英ケントからリリースされ大きな反響を呼んだCD「フェイム・スタジオ・ストーリー」のブックレットに記載された事項にも、真っ向から「それは全く違う」と反論をします。何がどうして違うのか、独自理論を展開し、「実際はこうだったのだ」と氏の結論を示します。世間の定説に流されない鈴木氏の意志は、敬服に値します。

と、本書のすごいところを書いてみましたが、なれ合い的な褒め言葉で終わらせても意味がないので、あえて気になった点も挙げてみます。

正確なデータが残っていない事項については、鈴木氏がここで明らかにした「史実」もあくまでも推測、仮説にすぎず、断定口調で書かれているのには、やや違和感を覚えざるを得ません。「この曲でプレイしているのは実は誰々である」はまだしも、「リック・ホールはマッスルショールズ・リズムセクションのプレイに物足りなさを感じていた」など、(インタビューの引用ならともかく)本人でなければ判らない心の内まで事実として書くのはいかがなものか。かなり鈴木氏のバイアスがかかった歪んだ世界が描かれてしまっているのではないか、という疑問が残ります。

推測であると断って書かれている部分もあり、鈴木氏の中では、自分なりに史実と推測の切り分けができているのかも知れませんが、僕には両者が混とんとしているように思えてなりません。実際、鈴木氏の書かれている通りだった事項も多いのでしょう。ただ、ギュラルニックのように現地で綿密な取材を続けた人に対して真っ向から反論するには、充分な根拠が示されているとは、僕には思えませんでした。

「確固たる証拠を見つけた」とここで語られるのは、基本的に鈴木氏が自らの耳で作品を聴いて「確かにこのプレイはロジャー・ホーキンズではなく、フリーマン・ブラウンだ」というような話であって、これは世間的常識では確固たる証拠とまでは言えないだろうと思います。

鈴木氏は、関係者が語ったことが真実とは限らないと言います。確かに僕もミュージシャンへのインタビューをした経験から、それは実感しています。ただ、それを判ったうえで、当事者に訊かねば始まらないということも多いはずです。ここには、その視点が抜け落ちているのではないでしょうか?

来日時のインタビューでミュージシャン達から語られた内容はチラホラ出ては来ますが、基本的に本書の根拠は既存の資料とレコーディングを聴いた鈴木氏の耳に依存しています。少なくとも執筆時点で存命の関係者には可能な限り、本書の主旨に沿ったインタビューをすべきだったのではないでしょうか?

また、鈴木氏はギュラルニックの著やフェイム・スタジオ・ストーリーのライナーを、自論を補足する材料として度々本文の中で使っています。「おかしいのではないか?」と問題提起をしている資料をそのように使うのは、ちょっと筋が通らないと言わざるを得ません。

本書がソウル・ミュージックをより深く知るために一石を投じることになることは間違いないと思います。その意味ではとても意義の大きい作品です。良くも悪くも、常に愛する音楽に対し前のめり気味な鈴木氏らしさが前面に出た意欲作であり、問題作だと思います。

読んでいると、むらむらと色々ここら辺の音源が聴きたくなります。レアものの話が多いのですが、僕も手元にあるものから聴いて行こうと思います。

【本書についての詳しい情報】
鈴木啓志「ゴースト・ミュージシャン」発行
http://black.ap.teacup.com/sumori/1450.html
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2013/9/17

ボビー・ブランドを偲ぶ会  ブルース

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6月23日、惜しまれながら他界したブルース・シンガー、ボビー"ブルー"ブランド。彼の偉大な足跡を振り返り、追悼しようというイベントが開かれます。日暮泰文氏をはじめ、世代をまたがるブルース・ライターの方々が、思い思いのボビーの曲をかけ、トークします。

来場者には、おみやげもあるそうですよ。ボビーの熱烈なファンの方も、あまり知らないけど興味があるという人も、彼の音楽に触れる絶好の機会です。来日時の秘話なども聞けるのかも?

しかし、SQUEEZEBOX NIGHTと同じ日に開催とは、いやー困った(笑)。さあ、あなたなら、今夜のお気持ちはどっち??

「ボビー・ブランドを偲ぶ会」 Tribute to Bobby "Blue" Bland
日時:9/22(日)17:00-20:00
会場:代官山M 渋谷区恵比寿西1-33-18-B1F tel. 03-6416-1739
http://www.m-event-bar.com/
内容:ボビー・ブランドにちなんだDJ、トーク
入場料:2,000円【2ドリンクと軽食(ソウルフード)付】
DJ:日暮泰文、高地明、和田昇
ゲストDJ:鈴木啓志、妹尾みえ、山本慎也
MC:文屋章
お問い合わせ:bobbybland0127@gmail.com

※ご来場者にCD-R(1978年の初来日直前に行った初公開の電話インタビューを収録。美空ひばりの「リンゴ追分」もしっかりと唸ってます)をプレゼント。
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2013/9/16

SQUEEZEBOX NIGHT VOL. 7開催  音楽全般

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恒例のアコーディオン・ミュージックのお祭り、SQUEEZEBOX NIGHTが9月22日に開催されます。ザディコ・キックスと大阪のコンフントJという例年お馴染みの顔ぶれに、今年はヨーロピアン・トラッドのメロディオン鈴木が加わります。

文句なしに楽しいダンス・ミュージックで、盛り上がるのは間違いないでしょう。

SQUEEZEBOX NIGHT VOL. 7
日時:2013年9月22日(日)開場17:00 開演19:00
出演:ZYDECO KICKS
   CONJUNTO J
   メロディオン鈴木とカルボーン佐藤とベスパ中島
チャージ:2,500円(前売りなし)

ZYDECO KICKS http://zydeco.jp/
CONJUNTO J http://blogs.yahoo.co.jp/conjuntooyaji
メロディオン鈴木 http://ameblo.jp/family-yasudeyasu/


【会場】
目黒Little Texas
http://www.littletexas.jp/
東京都目黒区目黒1-5-19 目黒第一ビルB1F
TEL 03 (3492) 6677

【過去の様子】
SQUEEZEBOX NIGHT 2010写真集
http://www.flickr.com/photos/sumori/sets/72157624522141066/

Squeeze Box Night 2007@テラプレイン - レポート
http://black.ap.teacup.com/sumori/89.html
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2013/9/13

今後の来日ライブ  ブルース

気になるライヴが相次いで発表になりました。どちらも会場はビルボードライブ。彼らのお抱え宣伝マンになった訳では全くないけど、これは触れておかねばです。

◆ファンキー・ミーターズ
前回フジロックで来日したのが2009年ですから、4年ぶりの来日となります。一瞬あの会場とは不釣り合いと思えるジャムバンド系ですが、これまでもPファンク軍団やリトル・フィートを呼んだり、最近ではディッキー・ベッツのグレイトサザンも来ましたから結構ありますね。ジャムバンドとひと言で言ってもいろいろですが。

1993年に「ファンキー」なしの「ザ・ミーターズ」名義での来日もしているので、通算3回目の来日公演になります。

気になるのはアート・ネヴィルの体調です。一時期(2000年前後)は相当体調を崩していて、もう活動できないのではともささやかれていましたが、2008年にはネヴィル・ブラザーズで久しぶりに来日、2009年のファンキー・ミーターズの来日の際にはネヴィル・ブラザーズでもステージに立ち大活躍。そしてまた来るということは、まだまだ元気なのでしょうね。公演は2014年の1月ですから、そのときにはアートは76歳になっているはず。

もう一つ気がかりなのは、やはり二部制を取るビルボードライブでの演奏時間ですかね。普段のファンキー・ミーターズのステージ演奏時間は長めで、確か2009年の渋谷AX公演では、殆どノンストップで3時間近くやったように記憶しています。1時間ちょっと程度のセットが基本のビルボードライブでどこまで本領発揮なるか。やっぱり1部、2部続けてみなければダメ?

The funky Meters

・2014/1/16(木)  ビルボードライブ大阪
1/16(木) 1stステージ開場17:30 開演18:30 / 2ndステージ開場20:30 開演21:30
サービスエリア 8,900円 カジュアルエリア 7,400円
発売:11/15 11時00分(一般) 11/08 11時00分(Club BBL)
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=8745&shop=2

・2014/1/17(金) 〜 1/18(土) ビルボードライブ東京
1/17(金) 1stステージ開場17:30 開演19:00 / 2ndステージ開場20:45 開演21:30
1/18(土) 1stステージ開場17:00 開演18:00 / 2ndステージ開場20:00 開演21:00
サービスエリア 8,800円 カジュアルエリア 6,800円
発売:11/15 11時00分(一般) 11/08 11時00分(Club BBL)
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=8744&shop=1


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◆マジック・ディック Of J.ガイルズ・バンド With トミー・カストロ&ザ・ペイン・キラーズ
J.ガイルズ・バンドのハーモニカ奏者、マジック・ディック。これは、ロック好きもブルース好きも必見ではないでしょうか?彼が前回来たのはJ.ガイルズとのデュオで1995年のことですから、もう18年も経っています。最近は、J.ガイルズバンドも再結成してツアーに出ているようなので、そちらも見たいものですが。

マジック・ディックと言えばまずはこれ

Whammer Jammer
http://www.youtube.com/watch?v=5WwB4bLwbWE


マジック・ディックを前面に出した名義となっていますが、僕はこのライブはトミー・カストロがメインなのではという気がしています。実際、バンドはマジック・ディックのバンドではなく、トミーのペインキラーズなのですから。

トミー・カストロは、1995年にブライドピッグからのアルバム「Exception to the Rule」で頭角を現し、今や本国アメリカでは、ブルース界の中心人物的存在のひとりだと思いますが、日本では話題に上ることは多くないように思います。個人的には、ずっと聴いてきた人なので、来日はすごく嬉しいです。まさか、彼を日本で見られる日が来るとは思いませんでした。

ブルースロック的なギターを押し出したパワフルなサウンドながら、ブラックミュージック・ファンも納得のソウルフルな歌声が彼の持ち味かと思います。ブルースの名門アリゲーターに移籍して2009年に放った「Hard Believer」は、そんな彼の魅力を余すところなく伝えた傑作。ブラインドピッグ時代の作品も甲乙つけがたいです。もちろん初来日。

Tommy Castro / Hard Believer (Alligator Records, 2009)
http://www.amazon.co.jp/dp/B0054FEDBI


多分、今回の来日ではマジック・ディックを見に来る人が多いと思いますが、トミーにはせっかくの機会なので、ガツンと存在感を示してもらいたいです。

Magic Dick Of The J. Geils Band With Tommy Castro And The Painkillers
・2013/11/22(金)  ビルボードライブ東京
11/22(金) 1stステージ開場17:30 開演19:00 / 2ndステージ開場20:45 開演21:30
サービスエリア 8,000円 カジュアルエリア 6,000円
発売:9/27 11時00分(一般) 9/20 11時00分(Club BBL)
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=8747&shop=1

・2013/11/23(土)  ビルボードライブ大阪
11/23(土) 1stステージ開場15:30 開演16:30 / 2ndステージ開場18:30 開演19:30
サービスエリア 8,400円 カジュアルエリア 6,900円
発売:9/27 11時00分(一般) 9/20 11時00分(Club BBL)
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=8748&shop=2


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10月はドクター・ジョンらニューオーリンズ・ピアノの人が次々やってくるし、11月もすでにクラレンス・カーターの来日も決定しているし、今後見たいライブが目白押しでうれしい悲鳴です。
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