2010/6/14

ひとつの風船が運んだ出会い  個人ニュース

音楽とは関係ないのですが、昔の話をひとつ。

以前、仕事で霞が関の役所街を歩いていたら、ふと道端に落ちていたものに目が留まりました。拾い上げてみると、割れてボロボロになった風船でした。小さな黄色い紙片がついており、鉛筆で一人の女の子の名前が書いてありました。山梨県の小学校で、卒業記念に6年生の児童たちが学校からメッセージを付けた風船を飛ばしたのでした。

隣の県とは言え、よく遥々飛ばされて来たものです。しかも市街地の歩道に落ちるなんて見つけてくれと言わんばかり。

僕はその風船を持ち帰り、書いてあった住所に手紙を書きました。すぐに返事が届きました。細かいことは覚えていませんが、風船が東京まで飛んだことへの驚きと、中学校へ進学する喜びにあふれた初々しい内容でした。僕も大学を卒業して新入社員として日々悪戦苦闘の毎日で、その便りがほんわかと心を温めてくれたのを覚えています。

あれから今年で20年。彼女とはまだ一度も会ったことはありませんが、今でも丁寧な年賀状が毎年届きます。あのときの小学生は立派な大人になり、結婚して元気に暮らしているようです。最初にもらった手紙の初々しい雰囲気は、今も新たに届く賀状からにじみ出ています。会ったことがなくとも、人柄は伝わるものですね。

僕も中年のおっさんになりました。この間世の中も随分変わりました。ネット社会となり、会ったことのない友人というのも珍しくはなくなりましたが、彼女はメールアドレスすら知りません。こんな出会いもあるんだなぁと今更ながらにしみじみ感じるこの頃です。

他の子供たちの風船は、無事拾われたのかな。
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