SILENCE SPEAKS

「サイボーグ009VSデビルマン」

　石ノ森章太郎と永井豪の往年の人気コミックヒーローが激突する！まさかのコラボレーション作品です。

　ミュートス・サイボーグとの戦いを終えたジョー。ささやかな休息もつかの間、イワンが“悪魔"の出現を警告した。調査を始めるゼロゼロナンバーたち。一方、飛鳥了と共にデーモンハンターとしてデーモン族と闘うデビルマン《不動明》も敵の新たな動きを感じていた。互いに事件を追い、遂に遭遇するサイボーグ009とデビルマン。

　えーと、サイボーグ009が最初からクライマックスだぜ！'`,、(´∀`) '`,、えーっと、何編だっけこれ、昔のことで忘れた。そんなわけで、東映まんが祭りを彷彿とさせる二大ヒーローのコラボを観られるわけですが、デビルマンはそこからやっちゃうのかよ！みたいなこの展開。いやいや二作品知らない人は観ないでしょこれ…（´Д｀；）まあ、新規の絵で例のシーンが観られるのは良かったかもしれない、って言うか本編の結末までの再アニメ化をデスね(ry
　それはさておき、色々探っているうちにデビルマンとサイボーグが出会ったと思ったら何だかよくわからないうちにブラックゴーストとデーモン族が手を組んでいた、何だかよくわからないと(ry まあ、お祭作品だから細けえことはいいんだよ！しかし、島村さんがやられっぱなしで全然いいところが無いんですけど…。頼みの加速装置はほとんど役立たずだしな！'`,、(´∀`) '`,、それにしても00ナンバーズのほかのメンバーとデビルマンがまったく絡まないんですけど！ですけど！さらに飛鳥了の造形がガッカリすぎる、テレビ版かマンガ版かハッキリしてほしいものです、テレビアニメには出てないけどな。

　どっちも単品で何とかなるでしょ、って作品なのでコラボしてもそんなに効果ないんじゃないかなあって感じでした。

「バイオハザード: ザ・ファイナル」

　産休明けのミラ・ジョヴォヴィッチが大活躍する人気シリーズの第六弾で完結編です。

　アリスが目を覚ました時、その周りに広がっていたのは荒廃したワシントンD.C.だった。死闘をくぐりぬけたアリスはレッドクイーンから人類救済の手段が残されていることを知る…。

　バイオハザードを観ているつもりだったが、モンスターハンターだったぜ…（´Д｀；）みたいな導入部で始まる物語は、えーとうん誰も期待していないと思うが、その期待には応えるぜ！'`,、(´∀`) '`,、前作が敵味方揃ってゾンビーズに立ち向かうぜ！みたいなエンドでしたが、ウェスカーにはすっかり裏切られてました、うん知ってた（´∀｀　）日本だけが注目していたような気がするローラは特に目立つようなことはなかった。ストーリーは決着の舞台がラクーン・シティ再び！で盛り上がるかと思いましたが、それほどではなかった（´Д｀；）まあ、初出の登場人物ばっかりだからな…。最後だからお馴染みメンバー全部出せば良かったのに。現地撮影を追及した野外シーンはまたマッドマックスかよ…みたいな既視感満点でしたが、ゾンビマラソンの絵面はオカシイ'`,、(´∀`) '`,、コミケの開幕を思い出すゾンビの群れ。あとは戦闘シーンの酷いカット割りとか画面暗すぎとかゲーム的ギミックとか色々グダグダな展開ですが、お約束とは言えレーザー通路好き過ぎだろ（´Д｀；）

　アリスの出生の秘密とか衝撃的でない事実が明らかにされたりしますが、とりあえず完結はさせたよ！って映画でした。でもこのシリーズ1,3,6でキレイに終われたよね、4と5は特にいらない子だった、ハリウッドひどい(´･ω･`)

「楽園追放 Expelled from Paradise」

　ニトロプラスと「SHIROBAKO」で何だか容姿が注目されてしまった水島精二監督がタッグを組んだSFアクションアニメです。

　西暦2400年、ナノハザードにより廃墟と化した地球では人類の多くは地上を捨て、データとなって電脳世界で暮らすようになっていた。しかし、地上世界からの謎のハッキング。
ハッキングの主を探して捜査官アンジェラは、生身の体・マテリアルボディを身にまとい、地上世界へと降り立つ。

　CMの印象だと「銃夢」みたいな話かなあ、と思ってましたが下から上に昇る話ではなくて、上から下に降りる話だったわー'`,、(´∀`) '`,、物語的な理由をつけてロリボディのくぎゅうキャラを作るあたりのあざとい感じはさておき、ストーリーは分かりやすいバディものの体裁を取っており、捜査官と地上の協力者との関係性を描きつつ謎の存在に近づいていきます。ハイテクが失われた上海とアメリカ南西部を混ぜたみたいな地上世界はそこまで新鮮さはありませんが、描写も多くないのでアラが見えるところまでいかない。謎の存在はSF的な理由付けで、データ化された人類との対比を見せたりします、って言うかここがストーリーのキモだな（´∀｀　）セルアニメっぽい3DCGの出来はさすが劇場版って感じの背スケール感とクオリティで物語の没頭できます。

　ブッチーの脚本だから絶対人類絶滅エンドだ！と思ってましたが、尺のせいで色々足りない感はあるものの予想以上にSFの本流を行く物語で感心させられた作品でした。

「エイリアン孤島鬼談」
菊地秀行

　いつまでたっても高校生なトレジャーハンターの活躍を描くシリーズの最新刊です。

　世界屈指のトレジャー・ハンターにも休養は必要だ。八頭大と太宰ゆきは、九州にある孤島のホテルで、美味い食事と温泉を楽しむはずだったのだが…。突如現れたチビデブ野郎に導かれるように、島の怪異が二人を襲う!

　タイトルで察しろ！な『鬼』を相手に八頭大が切った張ったするお話です。だが、タイトルに偽りありのエイリアンは出てこないと言う…（´Д｀；）さらに孤島と言いつつ世界中を駆け回ると言う…（´Д｀；）序盤は孤島ものの典型みたいな形で進んでいきますが、すぐにイタリアとかニューヨークとか行ってしまう、それが大ちゃん。ゆきはいつも通り色っぽいですが、そもそもゲストキャラの造形がそれでいいのか！？って具合です。都合よすぎで流行を遅れて追っかけるハイテク装備もいつも通りですが、終盤は何だかモヤっとする最近の菊地作品な一冊でした。

「月世界小説」
牧野修

　気がついたら、第36回日本ＳＦ大賞特別賞を取っていた奇才による言語SF作品です。
　
　友人とゲイパレードを見に来ていた青年、菱屋修介は、晴天の空にアポカリプティック・サウンドが響くのを聞き、天使が舞い降りるのを見た。次の瞬間、世界は終わりを告げ、菱屋は惨劇のただなかに投げ出された。そして彼が逃げこんだ先は自分の妄想世界である月世界だった。

　そんなわけで、小説でしか語りえない“言語”を武器にパラレルワールドで神と闘う人類の姿を描いた物語…、とか言ってみると何だか重苦しい感じがしますが、そこらへんは牧野ワールド。妄想と夢想がダンスを踊る奇怪で奇妙な世界を登場人物が突っ走っていきます。言葉遊びを絡めたメタフィクション的な要素もコミカルだったりシリアスだったりで変幻自在に物語を彩っていきます。いつものグロい牧野節は抑え目ですが、解説の山田正紀も取り込んでいく多重構造の余韻のあるラストを迎える一冊でした。

　うん、たしかに山田正紀は頭を剃ればいいじゃない,､'` （　´∀｀）　,､'`