SILENCE SPEAKS

「創神と喪神のマギウス」
三田 誠 (著), 曽我誠 (イラスト)

　ケイオスドラゴンの呪縛から開放されたサンダー先生の最新作だよ！( ´∀｀)

　創神。それは、自分だけの『神』を使役する新世代の魔術。“管理軍”が秘匿し、16歳を過ぎれば失われる限定の契約。『戦争』から生還し、18歳を迎えた<破城蒼士郎>は念願の学生生活を始めるはずだった。初めての友人<朱桐ひいろ>ともいい雰囲気で、希望に胸を躍らせて…だが、青年を迎えたのは、思いも寄らない教師という立場と、終結したはずの『戦争』だった。

　そんなわけで、召喚バトルものだよ！サクサク神様とかよんじゃうよ！学園バトル的な体裁になってますが、普通のライトノベルとか何それ？みたいなサンダー先生だけに、戦争トラウマとか歪な社会制度とか色々ブッコンできます、いつもの読者なら想定内（´Д｀；）ツンデレ（デレるとは言ってない）美少女とか、これ桜だー！みたいな通い妻とか、師匠のシスターとか配置されてますが、バックグラウンドが例外なく酷いのもいつも通りだ。まあ、主人公がこれほど酷い状態とは想定外だったけど。テンプレ的なラノベだったら、続々魔術師が登場してバトルロワイヤルって感じでしょうが、三田作品なので四王の一人がラスボスだと思わせつつ、世界丸ごとドカンといくって感じに違いない。最近発表されてたみたいな「FATE」のスピンアウトに影響されているのか、聖杯とか出てきそうな勢いですけど登場人物たちの悲惨な未来しか見えない新シリーズの開幕編でした。

　とりあえず表紙は履いてない。うん、お約束。でも、ハーレムしなさそうなので売れるかどうかは…(´・ω・｀)

「フルメタル・パニック! アナザーSS」
原案・監修：賀東招二　著：大黒尚人　イラスト：四季童子

　完結を迎えた人気SFシリーズの短編集です。表紙が既に色々ネタバレですが(・ε・)ｷﾆｼﾅｲ!!

■よいこのじかん・その２〜タツヤおにいさんとアーム・スレイブにのってみよう〜
　えーっと、どこぞの元潜水艦艦長がAS乗りの伝説になってるよ！,､'` （　´∀｀）　,､'`と言うクララがASに乗る話。いきなりシャドウとか贅沢だよ！サベージのれサベージ。

■南国のテロリスト<シンドバッド号>の幽霊
　リーナがポンコツなことが明らかになるミステリーみたいなコメディ。

■南洋の大決戦！
　今は亡き三条弟が姉とダメな活躍をするドタバタコメディ。

■湯煙の向こう側
　本編のその後を描く書下ろし。湯煙といったら温泉。温泉と言ったら…あとは分かるな！(｀・ω・´)いや、ふもっふみたいな展開じゃないから！

　そんなわけで、割とアッサリ終わった本編を補完する最終章が読みどころ。でも、オノDが出てくるとちょっと泣けるな(´・ω・｀)

　そして、無印のアニメ化再開が決まったっぽいですが、2クール以上って確保してくれるのかなKADOKAWA。今までアニメ化した分よりも巻数があるんですけど…。

「フルメタル・パニック! アナザー (12)」
原案・監修：賀東招二　著：大黒尚人　イラスト：四季童子

　ついに完結を迎えた人気SFシリーズの最新刊です。

　魂なき戦闘機械の振るう強大かつ未知なる『力』を前に、達哉たちD.O.M.S.はかつてない窮地に追いこまれる。さらに冷たく無機質なその視線は、戦場である中央アジアのみならず、遠く離れた東京を見ていた。

　おおっとラスボスが妙な展開で現れたぞ！,､'` （　´∀｀）　,､'`そんなわけで完結編です。ラムダドライバ（仮）の前になすすべのない達哉たちでしたが、溝呂木博士がこんなこともあろうかと、と用意しておいた秘密兵器で一発逆転！みたいなことは無かった（´Д｀；）うん、そんな話じゃない。やはり知恵と勇気だけが友達だ。ほぼ全員こてんぱんにされてますが、ラスボスの意向で東京決戦という羽目に。ASを超高速移動って言ったらアレだよね！いつものやつ。そこで達哉を送り届けるために一行が防衛にあたりますが、このあたりの件はちょっと無理筋っぽいかも、盛り上がるけど。そして達哉とリーナの関係性も深まって、菊乃は滑り台に。うん、達哉は選べる男だった。最終決戦は達哉とラスボスの一騎打ちなわけですが、無印のベヘモス戦を読んでいると割と盛り上がる。つーか関係者多いな,､'` （　´∀｀）　,､'`

　終わってみれば少年の成長とボーイ・ミーツ・ガールが組み合わさった行きて戻る物語に落ち着いたわけで、監督がいるとは言え上手くまとまったなあ、って感じです。上手くまとまりすぎて、もう次とか全く無い感じですけど。無印とは土壌が違うだけに、主人公の葛藤とかあっさりしてた感もありますが、ラブコメ的には良かったんじゃないかな。そして、もうちょっとだけ続くんじゃよ。

「邪神決闘伝」 (クトゥルー・ミュトス・ファイルズ)
菊地秀行

　日本で西部劇小説ってだけでもかなりのレア感がありますが、さらに忍者が出てきてクトゥルー物って言ったら空前絶後だよ！な菊地センセーのウエスタンです。

　187×年。賞金稼ぎの“シューター”は、ある日、彼ら4人の無法者のひとりを仕留めるが、死体は夢のように消えた。彼らは、海底に眠る邪神――クトゥルーの夢が実体化したものだったのだ。“シューター”は道連れとなった奇怪な日本人シノビと、開拓者の妻で5人の行方がわかると主張するポーラとともに、凶悪無慈悲な“夢法者"を追いかける。

　そんなわけで、絶対ニンジャ＋西部劇が書きたいだけだよ！ヒドユキ先生！ってのが丸分かりな、何度目かもう分からないけど西部劇再チャレンジものにもなる一作ですが、そこらへんはいつも通りの魔戦が繰り広げられていきます、あと人妻とか。好きな題材だけにさすがにイキイキ感が半端ない筆力を感じさせており、時代考証や映画ネタなど色々突っ込んできて、お祭状態,､'` （　´∀｀）　,､'`さらに表紙が高荷義之クトゥルーって言ったらもう言う事ないよね！

　そして、シノビを主役に続編が発表され…ちゃってますけどね（´Д｀；）うん、なるべく早く読む。

「低俗霊狩り【完全版】 4巻」
奥瀬サキ

　25年の歳月を経て、ついに自動人形が完結だ！,､'` （　´∀｀）　,､'`いや、笑いごとじゃねえよ！だが四半世紀も経ってしまって、当時の読者もすっかり年を取るわけだよ…。そして、これで「低俗霊狩り」も終了か…と思ったら、まだ続くんですってよ奥さん！「火閻魔人」の再開は遠そうだ。