「少女禁区」
伴名練
第17回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作を含む二編の短編集です。
■chocolate blood,biscuit heart
世界に君臨する財閥の後継者となった姉弟のお話。支配と服従、他者と姉弟の関係性を姉の視点から描いており、最終的には二人の逃げ場の無い運命に帰結sるわけですが、色々なガジェットが組み込まれすぎて何だかよく分からない話になっているのは残念。
■少女禁区
短編賞受賞作。呪詛を扱う幼女と少年の捩れた関係性が少年の視点から描かれます。サディスティックで人間離れした少女のキャラクターはかなり魅力的で、ライトノベルだったら絶対に連作にするよな!って感じでしたが、短編なのでさっくり終わります。ロマンティックな結末と呪術的な展開が何だか落ち着かない感じで、謎の神性の存在って必要だったかしら、みたいな。
まあ、どっちもホラーって言われるとどうかな?という作品でしたが、これが新世代ホラーなんですね、そうですか。なんだか日本が舞台なのにどっちもヨーロッパの御伽噺みたいな話でした。

0