SILENCE SPEAKS

「ヘルボーイ:百鬼夜行」
作：マイク・ミニョーラ 画：ダンカン・フェグレド

　マイク・ミニョーラが原作に回った長編第二弾です。

　2年の間、大西洋を漂いイングランドに上陸したヘルボーイ。そこに待ち受けていたものは自身の出生の秘密と、復活した血の女王との抗争の幕開けだった…。

　そんなわけで、ヘルボーイの更なる秘密が明らかになる三部作の第二部ですが、場所がイングランドと言うことで、衝撃の展開が！ネタバレ無しで語るのは困難なので、書いたりしませんが、まさに物語から伝説へと移行していくハルマゲドンの到来を予感させる凄まじさ。次巻も何事もなく刊行されることを祈るばかりです。
　で、肝心の絵の方はミニョーラがベタとかで端折ってるところも描いてるせいで情報量が多くなっている絵のため、ストーリーも相まってちょっと重い感じになってます。ムードは違和感の少ないものになってますけど。まあ、どっちにしてもセンスのある絵作りなのは間違いない(´∀｀)

　でも、ミニョーラの絵で見たいよね(´・ω・｀)

「メイド・ロード・リロード」
北野勇作

　まったくさっぱりちっとも売れないSF作家が、ライトノベルを書くことになり、何故かメイド喫茶で打ち合わせをすることになるが…。

　そんなわけで短編くらいは読んだ事があるんじゃないかな？なSF作家だったりホラー作家だったり落語家だったりする北野勇作の最新作です。タイトル通りにメイドは出てくるわけですが、作者の脳内で起きているのかもしれない、作品内作品のメタ構造な話になってます。基本はボケとツッコミですが！(ﾟ∀ﾟ)同年代の人にはよく分かるネタを並べてみたり、エセSFなガジェットをかましてみるあたりは、サブカル的にもアピールしてみようかって気配ですが、根本的にこの人の作風じゃない気がする,､'` （　´∀｀）　,､'`ライトノベルレーベルから出ているものの、ライトノベルにならないのは自分の創作世界を信じきれない業があふれだしてしまうせいに違いない。いや、SF者の基本姿勢だけどさ！

まあ、結論から言えば関係者は無茶しやがって…みたいな(´・ω・｀)メディアワークスはフロンティアスピリッツに溢れてるよね！つーか、ラノベにするなら、モデルの写真はないだろ常考…。

「運命のボタン」

リチャード・マシスン

　キャメロン・ディアス主演で映画化された原作を含む短編集です。マシスンの作品は色んなところに収められていたりするので、本当に初めて読んだかどうかは定かではない,､'` （　´∀｀）　,､'`

　映画原作の「運命のボタン」をはじめ、ギリギリの状況に追い込まれてパラノイアックな側面を見せる人間描写が満載で、SF風味からミステリーゾーン仕立てまで、取り揃えられています。冷静に考えたら1/3くらい読んだこと或る気がしてきた（´Д｀；）それはさておき、「運命のボタン」ってこんな短いのにどうやって映画にするんだろうな。ディックの「追憶売ります」並みの改変が必要な気がする。「魔女戦線」は設定だけで勝負した作品で今から見ると今更な設定だけど、当時だったら凄いぜ！このネタだいぶ使われちゃったよね、色んなところで…(´・ω・｀)

　まあ、収録作品が被ってもいいので、マシスンの作品が出るのはいい事だ。

「仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦 2010」

　衝撃(笑)の結末で終わった「仮面ライダーディケイド」と好評放送中の「仮面ライダーW」の合体映画版です。二本別ってわけでもなく、一応クロスオーバーしてます、あんまり関係ないけど（´Д｀；）

■仮面ライダーディケイド 完結篇
　TVシリーズの最終回から、世界の破壊者となることを選択した門矢司は他の世界の仮面ライダーを倒し続けていた。その背後で蠢く大ショッカー改めスーパーショッカーの策謀が迫る中、夏美は司を止めるべく決断するが…。

　そんなわけで、なぜか理由も無く電波人間タックルとか居たりする訳ですが、こいつはひでえ,､'` （　´∀｀）　,､'`TVシリーズに付き合った人でも何じゃこりゃって展開にクラクラするぜ！登場人物の行動理由もすっかりメチャクチャだし、紅渡の説明も( ﾟДﾟ)ﾊｧ?って感じだし、昭和ライダーの映画に近いやっつけぶりだ。しかし、爺さんが飲みに行ってたのが風都で、園咲パパと飲み友達なのはワロタ。

■仮面ライダーW ビキンズナイト
　死んだ姉を探して欲しいと言う依頼を受けた鳴海探偵事務所の面々だったが、捜索を続けるうちに、死んだはずの鳴海壮吉が現れ、二人は出会ったあの夜の事を思い出す…。

　ちょっとちょっと、吉川晃司カッコよすぎだろ、常考…（´Д｀；）こりゃスカルライダーはTVに出せねえよ、二人とも食われちゃうから。つーか仮面ライダーリメイクって吉川とGACKTでやった方がヒットしたんじゃ…。在りし日の尻彦さんも出るしな！本編はいつものクオリティで映画とは思えない代物でした。

■MOVIE大戦2010
　えー、特に理由も無く両方のライダーがネオ生命体と戦ってるだけの代物,､'` （　´∀｀）　,､'`

　まー、何つーか現在放送中の番組にウェイトを置いた仕上がりで、ディケイドっていらない子みたいな扱いは酷いよね(´・ω・｀)ディレクターカット版では何か改善されるのかしら。

「イスカリオテV」
三田誠

　美少女人形が大人気の嘘つきだらけのアイロニックアクションシリーズもすっかり五巻ですよ( ´∀｀)

　聖誕祭を迎えてそれまでの苦難を忘れて沸き立つ人々。そんな中、九瀬イザヤも彼の守護者であるノウェムや呪われた少女、朱鷺頭玻璃ら学園の生徒と穏やかな時を過ごしていた。だが、聖誕祭の当日、彼を呼び出した者は…。

　そんなわけで、ほのぼの学園ものの前半から地獄のような後半へとジェットコースターのように突っ走る、残りは二冊だったらいいな！の物語もクライマックスに向けて一気に急展開。聖戦を戦った者たちが終結し、戦場と化した都市で壮絶な戦いを繰り広げていきます。物語的には主人公の正体がバレて英雄への道を歩みだした！のにあれ主人公って誰なんだ？なのが重要なんですけど、読者的には主人公にベタボレなノウェムのカミングアウトの方が盛り上がるよな！みたいな(；´Д｀)あと二冊で終わるような終わらないような、ギリギリ感も残るクリフハンガー状態で次巻に続く。

　まあ、終わらなかったら完結編1とか2とか付ければいいじゃない(´・ω・｀)