SILENCE SPEAKS

「D-魔性馬車」吸血鬼ハンター 21
菊地秀行

　いつまでたっても終われない人気SFシリーズの最新刊です。タイトル通り馬車が舞台です、西部劇です。“貴族”に10年前に攫われて仕えてきた若き下僕が捕らえられ、都へと移送されることになった。同じく乗り合わせることになった人々に迫る公爵の魔の手。その道程の途中に一行は“D”と出会う…。

　そんなわけで、西部劇大好きな菊地センセーの面目躍如な話なだけに、いつものグダグダ感をあまり感じさせない出来に。まあ、Dの出番が少ないからかもしれん、三億年くらい闘ったけど,､'` （　´∀｀）　,､'`結局強すぎだから、あんまり出ちゃうと話がどうでもよくなっちゃうんだよな。しかし、Dまでそのワザ使っちゃうって、せんべい屋の立場が…（´Д｀；）

「ノパルガース」
ジャック・ヴァンス

　思い出したように出版されたアメリカSFのベテランの1966年に発表された中篇です。

　目に見えない精神寄生体と闘い続けている異星人が地球人の主人公に要請してきたのは、その精神寄生体の排除。その見えない敵の発生源とされる《ノパルガース》とは何と地球であった…。

　そんな感じの珍しく異世界ものでない作品ですが、古きよきSFの感覚が満載の代物。壮絶な戦いを続ける昆虫っぽい容姿の異星人に脅されながらも渋々協力と言うか行動することになる主人公の姿は傍から見ればパラノイア。何が真実なのか迷走しながら、驚きの結末に突入して行きます。立ち位置の定まらないこの視点の変化こそがSF。今となってはエンターテインメントな派手さが無いとか、全然キャッチーでもないとか色々ありますが、あの当時の世界ってそんな感じだよね、と生まれても無いのに言ってみる（´Д｀；）

　まあ、思い切って売るために当時のパルプ雑誌に倣って痛表紙で発表すれば良かったのに,､'` （　´∀｀）　,､'`

「ドクター・メフィスト 若き魔道士」
菊地秀行

　魔界都市《新宿》の白い医師、ドクター・メフィストを主人公にしたシリーズの最新刊です。と言いつつ、メフィストが脇役っぽいのもいつもの事だ,､'` （　´∀｀）　,､'`

　突如メフィストの元に現れた5人の兄弟子達と一人の見習い魔道士。彼らは師であるドクトル・ファウストが閉じ込めていた囚人の討伐の命を受けていた。敵の数も能力も分からないまま《新宿》に魔法の闘いが幕を開ける…。

　そんなわけで、謎に包まれたメフィストの過去が今回も関係者の模様から少しだけ明らかになるわけですが、主人公が見習いの方で人形娘とくっつきそうになるわ、美形だわで、ある意味せんべい屋、弱いけど（´Д｀；）そんな事より今回はエロ無しかと思ったら担当が人形娘かよ！ホステスはバイトでやってるわ、何だコレ。さらにその店の豹馬が只のカマセ犬かよ、あんまりだ･ﾟ･(つД｀)･ﾟ･ まあ、物語は終盤になって敵味方がグダグダになる定番パターンですけどね,､'` （　´∀｀）　,､'`

　そうは言っても、何気なく出てくるせんべい屋最強…（´Д｀；）