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福澤徹三
デビュー短編集「幻日」を文庫版にするにあたって全面改稿した作品です。
■厠牡丹
現実と幻想が交錯する、イギリス幻想小説なムードを持った作品で不確かな存在が確定される恐怖が描かれます。
■怪の再生
百物語パターンの物語ですが、ミステリ的な展開を経て衝撃の結末へ。登場人物って大学生なのにこの結末に至る動機がこれでいいのかなあ(´Д`;)でも、原因となった人物が別人だったら話は別だぜ!(゚∀゚)
■幻日
物語以前に印刷会社の描写が痛すぎて(ノД`)シクシク
話自体は叙情的な悲劇。
■骨
典型的な幽霊譚と思わせておいて…。
■釘
土着型怪談。リアルで目にしたと言うから恐怖感が加速し人の業の深さを実感させる作品。
■仏壇
シンプルな話と見せかけつつ二転三転するトリッキーな展開が目を瞠る。
■お迎え
ラストでまたしても捻ってくる作者の力量が窺える話。
■冥路
プロット的にはよくあるものですが、異界描写が濃密でその他とは一線を画す代物。
■顔
変な話。
■廃憶
夢で見た光景が現実にフィードバックされていくオカルティックな作品。
そんなわけで、短編の方が切れ味のある作品を揃えているのが実感されるわけですが、微妙に波長は合わない気がする。多分コズミックなところが微塵も無いからだな,、'` ( ´∀`) ,、'`しかし、それにしても角川ホラーの方の長編の出来はどうなってるんだろう、意図的にやってるのか(´Д`;)

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