「粘膜人間」
飴村行
第15回日本ホラー小説大賞長編賞を受賞した衝撃の問題作、だそうですよ。
物語は戦時中の日本を舞台に、継母に連れてこられた身長195cm、体重105kgという異形な巨体を持つ小学生の義弟の暴力に耐えかねた二人の兄弟が義弟の殺害を河童に依頼したが…。
てな感じのプロットだけ見ると荒唐無稽な話なわけですが、迷信と伝承が混沌としていた時代の空気を醸し出しつつ戦時中の閉塞感を描き出していく…、と思わせておいてグロテスクでスプラッターな展開に力づくで持ち込むトンデモな作品です。憲兵が使用する自白剤“髑髏”が生み出す凶悪な虐殺体験とか目を見張るものがありますが、まあ友成純一を通過した世代には普通だよな!って感じだったり(´Д`;)
三つに章立てされたストーリーは中盤のパートが関係あったような無かったようなで放り投げの結末とか物語としてはカオスに陥ってますが、妙にコミカルなところや無駄にエログロなところが友成好きならジャストフィットな一冊でした。
ところで、後書きには選考委員の感想とかも載ってたりしますが、林真理子は友成純一大先生に同じ言葉を言ってみてください,、'` ( ´∀`) ,、'`

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