「仮面ライダーEVE 1 誕生篇」
石ノ森 章太郎 (著), 早瀬 マサト (著), 紺野 直幸 (イラスト)
えー、仮面ライダー人気も「仮面ライダーSPIRITS」とか平成ライダーシリーズで復活したところ、故石ノ森の草稿「仮面ライダーガイア」を下敷きに正編仮面ライダーの世界にリンクさせたという、割と複雑な経緯を辿って書かれた小説版仮面ライダーです。
舞台は仮面ライダー達の活躍によってショッカー並びに悪の軍団が壊滅している世界。仮面ライダー一号によって30年前に壊滅させられたはずのショッカー本部には未だ目覚めていない改造人間達が残されていた…。
というわけで、ショッカーにしか頼るところの無い改造人間の悲哀が前面に押し出されている作品は、石ノ森作品に共通する世界からの疎外者の絶望や苦悩が描き出される正に仮面ライダーなお話になっており、凶悪な次巻への引きといい激しく石ノ森ッ!!!さらにアニメ版サイボーグ009でキャラクターデザインをやったアニメーターの画風が震えるほど石ノ森ッッ!!!田中圭一と紺野直幸で手塚と石ノ森は確保できたな…。それはさておき、昨今の平成ライダーにとっても少なくなってしまったライダーテイストがたっぷり味わえる作品でした。

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