「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society」
初回限定版だと特典の絵コンテが凄く重くてビックリする、人気アニメシリーズの最新作ですよ。時系列としては、2nd GIGSの二年後となってますが、映画版とか原作を考えるとどの辺りに位置するのかは良く分かりません。そもそもパラレルだと言い切っているわけなので、映画「GHOST IN THE SHELL」に繋がらない可能性が高いわけで、もしかすると原作の2にそのまま繋がることも考えられなくもないです。そうすると人形使いはどこで出して、少佐はどこで消えるのかって話になりますが。
それはさておき、物語は少佐が家出してしまって、がっくりしているバトーを尻目にリーダーになってしまったトグサ率いる9課の面々が来日した某国のテロリストが次々自殺していく事件に遭遇していきます。真相を追求するべく捜査を開始するバトーの目の前に少佐とおぼしき義体の持ち主が現れて、9課の周辺がきな臭くなっていく…。
いつも通りの社会風刺ネタと政府批判ネタ、さらに原作2にも繋がる少佐の変容の予兆とかを仕込みつつ展開されていくわけですが、スーパーハカーがいないと話が進まないのが、このシリーズの辛いところ。2ndではスーパーハカーを出さなかったかわりに大掛かりな抗争を用意したわけですが、あんまりこのシリーズの世界観とは合わなかったわけで。SSSでは原点に戻ったものの、さすがに人形使いや笑い男クラスのスーパーハカーを早々用意できるわけもなく、それ自体の目的も自己存在の確認とか社会正義の告発とかも使えなくなっているのは苦しいところですが、件の社会ネタを絡めた目的意識の継承を持ってきたあたりは感心。とは言っても原作2のネタが小出しにされてるだけかも。
スタイル的に大きく変わってしまう原作2までの間のストーリーだけで引っ張らなければならない、このシリーズも段々制約が多くなってきて息苦しくなってきたところですが、次のシーズンがあるのなら一〜二話完結のスタイルの方が楽なんじゃないかと思わせる内容でした。まあ、「イノセンス」よりも映画館向きだったのは間違いないな!(´∀` )

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