
真実(ヴェリティ)の帰還 上<ファーシーアの一族>
真実(ヴェリティ)の帰還 下<ファーシーアの一族>
ロビン・ホブ
前作で死の淵から力技で生還させられたフィッツは、すっかりぶっ壊れてしまった上に、この世界での居場所すら無くしてしまうことに。絶望の淵に立たされるフィッツは最後の力を振り絞り仇敵偽王リーガルに復讐を果たすべく、再び立ち上がるものの、そこへ行方不明になっていた王からの声が届く…
主人公にどんな恨みがあるんだ!とばかりに押し寄せる不幸の連続に逆の意味でのカタルシスばかりが繰り返される壮絶で陰惨、さらに悲哀の物語は新たな登場人物も加わって、世界と“技”の秘密の場所へと人々を集結させていきます。関わりあう人々に災厄を招きつつ愛する人と引き離されるフィッツには“気”で結ばれた狼しか心を許せるものがいなくなり、希望の全てが奪い去られていく様は、世界の崩壊とシンクロして破滅的な情景ばかりを描き出します。誰もが何かを喪っていくこの世界に巡る因果の負の連鎖は今後も更に人々に“犠牲”を強いていくようです。
さらに三部作の刊行が告知された物語でフィッツに果たして救いの時はくるのか?再び襲い来るのか超絶不幸連鎖!?

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