「Talio」 結城 一樂
なんでも第19回集英社コバルトノベル大賞受賞作者の作品のようです。別名でライトノベルも書いているみたいですが、もちろん読んだことはありません。
物語は現代日本の加害者重視の法体系に警鐘を鳴らす社会派クライムノベル…風なダークヒーローものなので、悪人が出てきて正義の鉄槌を下したりするのですが、見た目は黒い「デアデビル」のようで性格的には「ザ・クロウ」のような、そして動機としては「バットマン」で、やってることはハニバル・レクター。
ハムラビ法典を文字通りやってしまうダークヒーローの行動自体は共感できなく…も…ないような、微妙な感じですが、行動がサイコキラー系なので、爽快感なぞは望むべくも無く。ダークヒーローの行動も特に社会へアピールもしない必殺仕事人だし特殊能力も無いよう!なので、地味さが際立つわけで(血生臭いけど)。ネタバレなのでラストとかにも言及できませんが、とりあえずハッピーエンドと言うには問題あり過ぎだろう!と言う主人公の流されっぷりには結構ガッカリ。さらにちょっとネタバレしてみると、
この手の話では初代死去及び二代目襲名が基本ではないかと。登場人物の情動がどうにも物語とシンクロしない、とっても続編を書きたそうなお話でした。

0