『キネカメモリア』の稽古から帰ってテレビを点けたら
『深夜食堂』というドラマをやっていた
文字どおり、0時に開店し朝7時頃閉店という深夜営業の食堂での
小林薫さん演じるワケありの店主と、そこにやってくる客達が織り成す物語
2シーズンめに突入の、好評のドラマらしい
その存在は知っていたが、見たのは初めてだった
今回は、店主が特別に出す煮こごりを目当てにやってくる
菩薩のような優しい雰囲気を漂わせた女と
彼女に一目惚れした、弁当屋でアルバイトする青年のお話
たった30分だが、なんとも言えず濃密な
いい話を見たなあ(^o^)という感じだった
登場人物の全てが、ちゃんと生きて呼吸している
当たり前だろ!?とおっしゃる向きもあるかもしれないが
TVドラマや映画、演劇にしても
この“当たり前”が非常に難しい
今、僕が稽古している『キネカメモリア』が目指すところは
まさにこれだなと思う
個性溢れる役者陣の中でも
女を演じた伊藤歩さんがとても良かった
僕の大好きな女優さんの一人だ
岩井俊二監督の『スワロウテイル』で初めて見た時から考えると
ものすごく大バケした感がある
デビュー当初はショートカットだったが、いつの頃からかロングヘアになり
同時に、ものすごく艶っぽくなった
『バンデイジ』や『GANTZ』での
現代的な女性の役で存在感を発揮する一方で
先のNHKの朝ドラや、今回のドラマのような
一見古風な、凛とした役でもきちんと見せてくれる
素晴らしい女優さんだと思う
そんなわけで、今回の『深夜食堂』は
DVDが出たらぜひ欲しい!というくらい気に入った次第…
翻って、稽古中の『キネカメモリア』
目立とうとする必要はない
その場できちんと呼吸すれば、生きていれば
お客様はきちんと見てくださる
何かを持ち帰っていただける
大それたものはものはお出しできないが
お客様に素敵な気分で劇場を後にしていただきたい…
願うことは、ただその一点である

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