6月公演で、おかまバーのママ役を演らせていただくにあたり
気をつけなくちゃと思っていることがあります
まあ、当たり前のことではあるんですが…
以前、ある劇団の
三島由紀夫『近代能楽集』の「葵上」を観に行った時のこと
六条夫人の役は、男性が演じていました
あの美輪明宏さんも演っていらっしゃった役ですから
それ自体には、別に何の違和感もありません
その役者さんも
綺麗なドレスを着て、きっちりメイクもし、アクセサリーもつけて
外装はバッチリでした
ただ…
僕が観ていてとてもイヤだったのは
六条夫人が、下品で気味の悪い
化け物オカマに成り下がっていたことです
もちろん、男性が演じることで
恋に狂った女の生き霊の凄味を表現できるのは間違いありません
しかし、演じていた役者さんは
自分が“女”であることを忘れている…
全く意識していないように見えました
六条夫人役は、ただの化け物ではなく
“女”でなければならないと思うのです
衣装とメイクをバッチリしたからといって
安心しちゃいけないんです!
今回、僕は
誠心誠意、おかまバーのママ役に臨もうと思います
目指す雰囲気は
『キッチン』の橋爪功さん
『非・バランス』の小日向文世さん
でしょうか
この方々が表現した、男とか女とかは関係ない…
人としての温かみを
僕も、少しでも表現したいです
ハハ、自分でずいぶんハードルを高くしちゃいましたね…


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