劇場予告編やテレビCMでは
この作品の良さ、面白さが
カケラも伝わらないのが残念です
確かに、難しいかもしれないよな…
じゃあ、僕が頑張って
ネタバレしない程度に伝えてみよう!
というわけで
『K-20 怪人二十面相・伝』を観ました
僕なんかは“帝都”と聞くだけで
物語の予感がしてワクワクするのですが
この作品の舞台になっている“帝都”は
過去の東京ではありません
第二次世界大戦を回避し、別の歴史を歩んでいる都市なのです
これは単に奇をてらったものではなく
作品のテーマ上、とても重要な設定でして
観ると、ああなるほど、と納得するはず
しかし、ストーリーは全くこ難しくありません
主人公であるサーカスの曲芸師が、ひょんなことから
帝都を騒がす大泥棒・怪人二十面相であるとの疑いをかけられ
身の潔白を証明するために
名探偵・明智小五郎とその婚約者と協力して、真の怪人二十面相を追う
という単純明快なものです
非常にテンポの良い大活劇に仕上がっています
パルクールというフランス発祥のストリートスポーツをご存知ですか?
『YAMAKASHI』という映画でも見られた
街中を道具を使わず身体能力だけで
塀や建物等、どんな障害物をも乗り越え突き進んでいくというものですが
このパルクールをふんだんに採り入れたアクションシーンが見事です
佐藤嗣麻子監督、素晴らしい!
主演の金城武さんをはじめ、役者陣もとてもいいです
個々の持ち味がフルに発揮されています
仲村トオルさんは、シリアスもコミカルも両方できる役者さんですが
これまで、どちらか片方の演技を見せれば良い役がほとんどでした
しかし、この作品では両方の演技をきちんと見せてくれます
改めて、仲村さんの上手さを思い知りました
ヒロイン役の松たか子さんも素晴らしいです
品の良さ、聡明さ、じゃじゃ馬っぷり…
様々な面を見せる役を無理なくできる女優さんはそうはいません
ヒロインが劇中、姫と呼ばれているシーンがありますが
姫と大泥棒といえば…!!
そんな感じで、数々の映画にオマージュが捧げられています
ベタに盛り込まれていないところが、またいいんだなあ
さりげない、しかし深い映画への愛情…
まるでC・ディアスとJ・ロウ共演の『ホリデイ』のようです
これは映画ヲタクの勝手な思いこみではないでしょう
そういえば、かの作品も女性監督でしたね
老若男女、映画を滅多に観ない方からマニアまで
それぞれの楽しみ方ができます
日本のアクションエンターテイメント映画の
これからの可能性までも感じさせてくれるこの作品
甘いと言われようがなんだろうが
僕はこの評価に迷いはありません!
http://www.k-20.jp
【評価】☆☆☆☆☆(5つが最高)

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