『ラストゲーム 最後の早慶戦』を観ました
こういう、反戦をテーマにした映画やTVドラマは
毎年のように何本も作られていて
それ自体は、とてもいいことだと思います
しかし、テーマが素晴らしいからといって
その全てが素晴らしい作品になるわけではありません
特に映画の場合は
基本的にはスクリーンで見てもらうものだから
油断して作っていると、スキが目立つのです
スゴい、面白い映画は
群衆シーンにもスキがないものです
基本的に僕は
いちいち重箱の隅をつつくような映画の見方はしません
ただ、この作品は
こちらが見たくなくても
ツッコミどころ、スキがかなり目立ちます
例えば
野球部の合宿所の食堂で
軍人に殴られ血だらけになっている仲間を
野球部員たちが心配して全員入ってくるシーン
お前ら、全然心配してないだろ!?
なんで、一列にのそのそと同じタイミングで整列して入ってきて
仲間のひどい姿を見ても表情が変わらないの!?
そんなみっともない画を
カメラ据えっぱなしで撮っている理由がわかりません!
せめてカット割れば?
なにより、主人公のポジションはどこなの!?
どうやら控えではなくレギュラーらしい、というのはわかるけど…
試合が始まっても、結局よくわかんないですよねぇ
原因は
練習や試合のシーンをきちんと撮っていないから
早慶戦をやりたい!あるいは、試合ができて嬉しい!
という選手たちの思いを全部セリフで説明してしまい
画で見せようとしていないから
監督さん、あまり野球好きじゃないでしょ?
早大野球部監督役の柄本明さんや、主人公の父親役の山本圭さん大熱演です
上手いとは思うけど、全部アップでぬくのは止めませんか?
そんな中、慶大学長役の石坂浩二さんの抑えた演技が
静かながらも、早慶戦実現に向けた強い思いがしっかり伝わってきて
好感が持てました
全体的に画がのっぺりしていて
全てをセリフで説明しようとしている作品です
実話に基づいているんだから
普通に撮れば、それなりのものになるはずなのに…
悪くはないけれど
僕らのような、戦争を知らない世代にも
きっちりと先人たちの思いを伝えていくという使命を
作品が担っている以上
あえて厳しめに評価させていただきます
【評価】☆☆(5つが最高)

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