「出口のない海」を観ました
全ての作品を観ていないので断言はできないのだけど
どうも僕は佐々部清監督と相性があまりよろしくないようで…
実は「半落ち」も「四日間の奇蹟」も僕はダメだったのです
どちらもいわゆる“泣き”の映画だと思うのですが
気持ちよく泣けなかったのです
僕は自慢じゃないですが、かなり涙腺が弱いです
ベタなのもウェルカムです
しかしながら、ベタにも限度がありまして…
「半落ち」の中で主人公(寺尾聰)の家族が幸せだった頃の回想シーンがあります
詳しい描写は省きますが
あの“幸せ家族ごっこ”をもしギャグではなく本気でやってるとしたら(否、本気なんでしょうが)
僕はセンスを疑います
「四日間の奇蹟」も題材や役者は悪くないのに
全体的に画づくりが平板でとても退屈な作品でした
ミもフタもない言い方をしてしまうとリズムが悪いのです
小さな盛り上がりはそこかしこに作るのに
ホントに盛り上げるべき部分をきっちり盛り上げてくれないのです
で、今回の「出口のない海」も同様
題材も役者もとてもいい
今までの反戦映画とはちょっと趣きを異にしています
“神風特攻隊”の映画は数多いですが
“回天(人間魚雷)”を描いた作品はしばらくありませんでしたから
久々に作られただけでも意味のあることだと思います
全体的な出来も決して悪くありません
でも、これは元(原作・脚本)がいいからでしょう
もう少し画づくりに気を遣ってくれたら
ラストをもう少しきっちり引き締めてくれたなら
そこそこではなく、傑作になっていただろうと思うだけに、残念でならないのです
もう少し、あともう少し…
http://www.deguchi-movie.jp/
【評価】☆☆☆(5つが最高)

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