先日、コクーン歌舞伎「東海道四谷怪談〈南番〉」を観ました
今回の2バージョンは
キャスティングに若干の違いがある(←“二人一役の早変わり”などにも関わってくる重要な部分です)のと、ラストが完璧に違います
伊右衛門とお岩だけでなく、それをとりまく人々の残酷な運命をも丹念に描いた
原典のテイスト重視の〈北番〉
舞台前方に作ったプールで迫力の大立ち回りを展開する
アクション重視の〈南番〉…
僕がどちらを好きかと言えば
もう断然〈南番〉です!
ラスト以外にも
遊園地のお化け屋敷さながらに客席のあちこちから幽霊やネズミが出てきたり
お岩さんが燃える提灯の中から登場するイリュージョン“提灯抜け”等
お客さんへのサービス精神全開だからです
それって歌舞伎なの!?という方もあるでしょうが
“従来の歌舞伎ではできなかったものをみせてくれる”
それが「コクーン歌舞伎」の魅力だと思います
〈北番〉も面白いけど
生真面目すぎて爆発力に欠ける気がしました
ま、今回は2バージョン同時に上演することそのものに大きな意味があったのでしょう
もし「四谷怪談」が今回と同じ上演形式で再演されることがあるなら
〈北番〉は物語をじっくり味わうため(←何せ3時間20分ありますからね)に楽な[椅子席]で
〈南番〉(←こっちは3時間ちょいです)はアングラ気分で臨場感のある
舞台に近い[平場席]での鑑賞をお勧めします
僕、逆だったからなあ…
ちょっと失敗しちゃいました
「コクーン〜」や「スーパー〜」、あと「パルコ〜」も
歌舞伎の入口として最適かもしれません
未体験の方はこの辺りから御覧になってはいかがでしょうか?

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