どーもここ数日ヲチしている医師ブログが、最凶の印象と違って奈良事件についてどんどん悲観的になっていくのはなぜなんだーと思ってたんだけど、常連の
祈りさんから頂いた情報で分ったぜ。今回の事件は、完全に
毎日のフレームアップじゃん。03年の
朝日の乳ガン見落としキャンペーンをホーフツとしちゃうけど、こんなタイミングの悪い時期に特ダネ自慢をするとは、ワキが甘いとしか言えませんな。なるほどメディアによって温度差があったのはこのためか。つーことは、今毎日を叩けば医療崩壊について報道の主導権を握れるぞ。朝日にとっちゃ名誉挽回のチャーンス!。それとも医療に強い読売が盤石の地位を固めるか?
さて、いよいよ医療崩壊三部作の締めくくりは
「日本の、これから・医療に安心できますか」のスタジオ討論会。医療者と患者が左右に分かれて、手前にコメンテーターが何人か並ぶというおなじみのパターンだけど、NHKのこの手の番組の
悪評が高いのは、今年の一月にやった
「日本のガン医療を問う2」や去年春の「日本のガン医療を問う」でもおなじみで、議論を誘導する形にギチャギチャに編集されて、
臨床医ネットに2度もツッコミを入れられていたのはご存知の通り。
どーせ今回もそんなもんだろう、けっ、とチューハイ片手に横目で見ていたら、おおーっと、なんとナマ番組ではありませんか。これはこれは見逃せないぞ。NHKも意図的な編集姿勢をあれだけ叩かれちゃーさすがにヤバいと思ったんだろーね。がはははははは。
ところで今回の三部作については見逃した人も多いと思うんだけど、内容をくわーしく紹介した有難いブログをハッケーン。Dr.Iさんのやってる
「健康、病気なし、医者いらず」というあまりにベタな題名ですが、メディアと医療に興味がある人には必見。テレビの画面が目の前に浮かんでくるような記事は、ほとんど「スクリーンのない映画館」のマルセ太郎ですなって、ここに来てる人は誰もそんな芸人なんて知らないですからー。それにしても忙しい医師がよくこんなコトまでやるなとあきれましたがな。三部作の解説はこちらで↓。
●10/7 ETV特集「なぜ医者は立ち去るのか〜地域医療・崩壊の序曲〜」
●10/13 「どうする医師不足!」
●10/14 「日本の、これから・医療に安心できますか PART1」●「PART2」
で、これであとはよろしくなんて言ってるとタコ殴りにされそーなんで、「医療に安心できますか」に戻るけど、まず発言者の顔ぶれと配置を見て、NHKの意図が
「日本のガン医療を問う」とたいして変わんないんじゃないかと感じたね。あの時は医療不信を煽るために「医者vs患者」の
対立が演出されてたんだけど、今回も医者と患者を2つに分け、しかも患者を左側において、発言が右にいる医者を圧倒しているイメージを作ろーとしてんだもん。軍事パレードのニュースなんか、みんな左から右に流れてるでしょ?
んでもって、コメンテーターの顔ぶれがすんばらしー。何といっても国際基督教大学教授で経済学者の
八代尚宏氏は、かの悪名高き
規制改革・民間開放推進会議のメンバーで、この会議の理論武装を担当していたという人物じゃーないですか。あまりにベタな人選に、こりゃーこの番組のテーマが医療崩壊についてじゃなくて、
日本の皆保険制度をぶっ壊してアメリカ資本のエサにしようとしている政府の方針へ、世論を誘導するという疑いが急浮上だーっ。
さーらーに、医療ジャーナリストの肩書きの
伊藤隼也氏は「
医療事故市民オンブズマン・メディオ」という団体の副代表だった人物で、医療の問題点を告発するという立場のよーですな。医療者の発言を封じるためには最適のプレッシャー役じゃん。これに
厚労省の役人という鉄壁の布陣で、NHKがチョー本気になっているのは明らかだね。
これに対して医療サイドは、日本医師会のカイチョーになったばっかりの
唐澤詳人氏。就任当時に高い支持率をバックにした政府のカイカク攻勢の前に結構ぐらついていた印象があったので、はたして相手と渡り合えるのかよと不安でいっぱいな人選だなー。もちろんそーゆー意図なんだろーけど。しかも経済学者と厚労省の役人にはさまれているというゼツミョーの配置と来たもんだ。始まる前から顔に不安が表れてるみたい。カイチョーだいじょぶかー。
こーなってくると医療サイド
唯一の頼みの綱は、済生会栗橋病院副院長の
本田宏氏だけ。このセンセのメデイアでの露出度はけっこー高くて、ついこの前も爆笑問題と浜コーがやってる下らねートーク番組でも、
アメリカ崇拝医師の前に一歩も引かず、日本の医療の優れた点と医師不足の問題を訴えてたぞ。この手の番組のべシャリでは出演者中ピカイチだろうから、番組が盛り上がるのは確実だー。その隣に
遙洋子が配されているのは、完全に牽制役じゃね?。
しかしこれはどー見ても
多勢に無勢だよなー。おまけに司会はNHKのメディカル系番組の顔になっているものの、患者に対する無神経発言などで悪評紛々の何たらいうアナウンサー。ガン医療の時みたいに患者の不満を誘導して雪崩状態になったら、医療サイドの勝ち目はまったくありません。
ところがぎっちょん、実際には、NHK+厚労省の意図を粉砕とまでは行かなかったけど、医師vs患者の対立の構図には持ちこませず、かえって厚労省の方向性がいかに実情とズレているかをあぶり出す結果になったのは、見た人がご存知のとーり。いったい何があったのかは、長くなったので次回のココロだー。
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