田宮氏時代の
ヤング・デ・詰将棋
OB作品展
担当 利波 偉
☆最初にお断りしておきますが、今回の作品展の作品は3以外は全て新作です。昔のヤング・デ級の内容という注文で作家の方にOB作品展用に投稿していただいたものです。くん作と付いているのは昔のヤング・デ・詰将棋は男性は、くん作・女性は、ちゃん作・という呼び方だったのを復刻したものです。
岩本 修―伝統ルールの解答はふだんペンネームなのですが、ヤン詰ということで本名で解答します。
☆これは「ヤン詰の解答および投稿ではペンネームまたは代理名を使わないでください。初心者ご当人が参加するコーナーです。」という当時の約束事に応えてのことです。ただ、今回はその約束事は書きませんでしたので、ペンネームもOKになっています。
◇解答者総数 75名
◇全題正解者 71名
誤 無
1柳原裕司くん作 0 0
2小泉 潔くん作 1 1
3岡本正貴くん作 2 0
4利波 偉くん作 0 0
◇1
加古川市 柳原裕司くん作

23香、同飛、33桂、同飛、22金迄5手。
☆この簡素な図でも飛車の翻弄が入る。初心者向けの作品でもポイントは押さえたベテランの手遊びです。
秋元節三―ヤン詰初期の傑作ですね。
岩本 修―「金はとどめに使え」ですね。ところで今のご住所はこちらですか。
宇貞光明―まあ、初手23香打がポイントか。今柳原氏は加古川市に住んでいるのですか?
及川弘典―2筋に受方飛がなければ、ですね。
加賀孝志―可愛いニクメない小品
川島敏嗣―23を封じて33桂が決め手。
鴨藤 弘―香捨てホーホケキョウー詰。23香に合が効きません。22角成がある。客寄せか?
小山邦明―飛の翻弄
止少丘八―33桂の前に下準備。
真保千秋―欲を言えばもう一手筋
鈴木 彊―基本手筋ものですね。柳原さんのデビューの頃でしょうか。
高田明浩―単純明快!
竹園政秀―香桂を捨てて金を打つ。
竹中健一―ヤン詰らしい作!
田中 颯―退路封鎖として香を捨てる。
谷川幸永―鮮やかにオール捨駒の翻弄手順。
小品ながら、あくまで筋良く。
千葉 肇―編集長小学生時代の作品?
千葉 等―4手目11玉の方が詰上りカッコ良いか?
出口智博―シンプルな初形ですが、いい手順ですね。
床呂光太―飛車が1マスずつ動く。
中沢照夫―心地良い捨駒
永野秀夫―初手と2手目のコンビネーションがいい。
鳩森美羽―ストレート、左フックのワンツーで玉はダウン
原岡 望―基本手筋
原田雄二―本当に易しいです。
坂東仁市―氏の恥ずべき頃の様で感心しない駄作です。(見るべき所ナシ)
弘光 弘―23香がうまい捨駒
福原徹彦―基本に忠実
藤井美大―まとまりの良さを感じる。
堀口一雄―33桂でうまい具合につかまっていますね。
水野 修―わかりやすい飛車逸らしです。
水野靖彦―軽い作品
宮本定夫―5手詰とは思わなかった。
矢橋 修―良い手筋
八尋久晴―すんなり解けて気分良し。
山下 誠―3手の読みを積み重ねて行く、基本的な解法が使える。
和田裕之―32玉の方が作意かな
◇2
東京都 小泉 潔くん作

21と、41玉、31と、同玉51飛成、22玉、11龍、同玉、21角左成迄9手。
作者―最終手,どっちの角が成っても同じなんですけど…。
☆7手目11龍に対して、13玉と逃げた解答が、14通。最終手、21角成左成21通・21角右成9通・21角成28通・不明(最終手抜け・甘くして正解)1通でした。
☆11とが邪魔駒というのが意外で、中々の好作です。
秋元節三―11とは金にした方が良い。
岩本 修―11金ではなく11とというのがいい。
☆相反する評ですが、11となので邪魔駒消去が見え難かったという面はあったと思います。
宇貞光明―「11と」の消去
及川弘典―邪魔駒消去の伏線を活かした好手順。
岡本正貴―先生、むずかしすぎます!
加賀孝志―と金さんどいてくれ飛が通るヨ。
川島敏嗣―実は初形の11とが邪魔駒
鴨藤 弘―11とを先に捨てる。11飛成に捨てる穴。旨い。
小山邦明―11とが邪魔駒だとは気付きにくかった。
止少丘八―意外な邪魔駒11と。
真保千秋―主張がある
鈴木 彊―11龍が良い味です。
竹園政秀―じゃまとを捨ててそこに龍を捨てる、
竹中健一―11とが邪魔駒に見えないのがうまい!
田中 颯―と金が不必要だとは驚き。
谷川幸永―12角でなく11とを原形消去するのが巧妙。21龍でなく11龍という手筋はよく見るのですが、このアレンジ(発展形)は面白いですね。紛れは少ないですが、「看板に偽りあり」で入選級だと思います。
千葉 肇―11とが邪魔駒だとは誰も思わない。
千葉 等―11のと金がジャマ
出口智博―11とが不要とは意外でした。手順は、わかりやすかった。
床呂光太―11のスペースを空け、飛車が入る手順が楽しい。
中沢照夫―11との消去
永野秀夫―流れるような手順。
鳩森美羽―軽く当てるローキックから最後はバックスピンキック。
原岡 望―邪魔駒消去入門
原田雄二―楽しい作品。
坂東仁市―当時としては上出来では。
弘光 弘―11とを消去しておくところは高級感あり。
福原徹彦―11とが邪魔駒とは気づきにくかったです。
藤井美大―持ち駒がないので考えやすい。
堀口一雄―「と金が無ければ」とは中々考えつかなかったです。
松田己次―8手目11同玉21角右成が正解なのかもよくわからず。
水野 修―11龍が詰将棋らしい一手です。
水野靖彦―初手がなかなか浮かばなかった。
宮本定夫―角を消去するのではなく、と金と飛車捨てとは
矢橋 修―参考になる手筋
八尋久晴―小泉さんもこんなの作るんだとホッとしますね。
山下 誠―11とが意表の邪魔駒で、龍に置き換える
和田裕之―これは良すぎて微妙?
◇3
名古屋市 岡本正貴くん作

22銀生、14玉、23銀生、15玉、24銀、16玉、25銀、17玉、28金、26玉、27金、25玉、26金、24玉、25金、23玉、24金、22玉、23金、21玉、22金迄21手。
作者―ずっと前(1982年1月)に、パラのサロンに掲載された作品(余詰有り)の修正作です。
19飛は、7手目17銀の手を防いだものです。
☆いかにもヤン詰らしい趣向作で、この作品だけが、古い作品です。趣向自体は目新しくはありませんが、一筆書きの往復趣向は岡本氏らしい理屈抜きに楽しめる作品です。
秋元節三―ひたすら楽しい
飯田純五―これは楽しい!
岩本 修―解いた人にも趣向の楽しさが伝わる。
宇貞光明―銀の延棒と金の滝登り。
及川弘典―銀の棒を玉に食べさせる。
岡本正貴―採用を感謝
加賀孝志―レトロの味なつかしさを感じる。
川島敏嗣―棒金で楽しく追えました。
鴨藤 弘―金の滝のぼり
小山邦明―おもちゃ箱のくるくる作品のようで楽しい。
止少丘八―素朴なくるくる趣向。
真保千秋―エレベーター手筋
鈴木 彊―銀4枚を取らせていく手筋。これがまだ新作の時代ですか。
竹園政秀―他に攻め手がない。
竹中健一―手数が長くても分かりやすいのがヤン詰らしい!
田中 颯―銀を並べて、金でそれを消していく。
谷川幸永―現在のヤン詰は19手以内ですが、当時は?
☆趣向詰もありなので手数制限無しです。ちなみに田宮氏時代のヤン詰の最長手数は33手でした。
千葉 肇―昔、絶連ってあったけど、今でもあるのかな?31玉が希望?
千葉 等―銀柱をつくり銀柱を消す所が心から楽しめる。
出口智博―ドミノのような玉の動きですね。面白かったです。
床呂光太―銀が玉で掃除されていくイメージ。
中沢照夫―銀桂を作って消す。
永野秀夫―2筋の銀がどんどん消えてゆく楽しい趣向。
鳩森美羽―玉の横へのミドウキック連発からストレート連打で玉はヘロヘロ。
原 雅彦―完成度は高いけど、ヤング・デ向きではない?
原岡 望―引き上げて押し込む
原田雄二―銀による上下移動が楽しい。
坂東仁市―その後リピート趣向、思いつかないのが残念。
弘光 弘―銀の柱が消えていく様が楽しい。
福原徹彦―縦に銀を並べて一気に消す。楽しい趣向でした。
藤井美大―素直にできている。好き。
水野 修―パズルチックな楽しい作品です。
水野靖彦―単純だが楽しめた。
宮本定夫―やさしいが楽しめる作品
矢橋 修―ユニークな詰将棋。銀では4枚あっても詰まない。
八尋久晴―20手目が限定されなかったのが残念ですが、実に楽しい気分。
山下 誠―銀を縦に並べて金で縦に押す、楽しい趣向。
和田裕之―これは既存の筋
◇4
町田市 利波 偉くん作

23桂右生、21玉、31桂成、同玉、43桂右生、41玉、51桂成、同玉、63桂右生、61玉、71桂成、同玉、83桂生、81玉、91桂成迄 15手。
☆本当は別の方に作品をお願いしたかったのですが、都合が付かずにやむを得ず自作を載せたのですが、何と同一作がありました。
☆桂生、桂成を繰り返し趣向部分だけを切り取った楽しめる作品だと思いましたが、逆にその為に同一作があるという残念な結果を招いてしまいました。
止少丘八―これもくるくる趣向・・・だけど本家くるくる28北川仁士作と一致。
(詰将棋おもちゃ箱2006年くるくる展示室28北川仁士作)
☆t-baseは確認したのですが、ネット作品で気がつきませんでした。田宮氏時代のヤング・デなので同一手順でも同一配置で無ければOKなのでしょうが、同一配置ではアウトです。粗選をお詫びいたします。
秋元節三―川面の石投げのよう
飯田純五―これも楽しい!あれ、3と4手数順ではないのですね。
岩本 修―解答初心者には棋譜の書き方の勉強にもなる。
宇貞光明―玉を左へ追って行く。かわいらしい趣向。
及川弘典―楽しい軽趣向作。好きです、こういう作品。
加賀孝志―そぼくな味。原点に戻った感じでも楽しめた。
川島敏嗣―8回の王手がすべて桂馬!
鴨藤 弘―流れ良し。ドミノみたい。桂三捨て。四桂香の働き。
小山邦明―この作品も、おもちゃ箱のくるくる作品のようで楽しい。
真保千秋―単純明快
鈴木 彊―利波さんの初期の頃の作品だったのでしょう。(面白い趣向ですね)
竹内洋介―詰将棋の楽しさが伝わる作品でした。
竹園政秀―桂だけを動かす。
竹中健一―こういう趣向的作品もいいですね!
田中 颯―一本道だが、桂と玉の攻防はよい。
谷川幸永―やはり現在のヤン詰は「手数順ですが、当時は違ったのでしょうか。小駒図式っぽい趣向モノが2題というのは面白いです。両方とも「不動の大駒(という減点材料)あり」というのに、何か意味があるのでしょうか
☆当時は手数順でした。今回自作が穴埋め作品で最後に配置しただけです。不動の大駒には偶然で特に意味はありません。
千葉 肇―左右を間違えなければ大丈夫。最終手限定がミソ。
千葉 等―この初形だけで楽しい事が解る。
出口智博―インベーダーゲームのような感じがする玉の動きです。
床呂光太―桂右不成と書くのが大変。この標記で合ってますよね?
中沢照夫―易しい趣向作。
永野秀夫―桂は3つとも右で王手しなければならない。
鳩森美羽―固いブロックのスキを華麗なコンビネーションでかわしてゆく。
原岡 望―玉の旅行
原田雄二―桂生、桂成の繰り返しが楽しいリズムを生みます。
坂東仁市―往復作や繰り返した作大学へ投稿した事あり。されど、このこのようなリピート作家になって欲しかった。惜しい。
弘光 弘―桂を3跳ねて成る。単純な繰り返しが楽しい。
福原徹彦―桂と玉が吸い込まれていくような手順。
藤井美大―不安。他に手がないと思う。
水野 修―遊び心満載ですね。
水野靖彦―93の飛車に作者のこだわりを感じる。
宮本定夫―解いて愉しいが、解答する際に桂の表記に御注意とは
矢橋 修―面白い趣向作品。
八尋久晴―視覚的にもきれいですね。無駄が全くないのも素敵です。
山下 誠―桂馬だけの指し手で玉を7回横移動というのはうまい。
和田裕之―この感じは今では「くるくる」ですね。
総評
飯田純五―昔、詰パラの読者(高校位まで解答していました)でしたが、ヤン詰が始まった頃に詰棋から離れてしまいました。40年程過ぎて1年程前からまた詰パラの解答を始めました。相変わらず高校位までです。しかし、昔と比べてヤン詰に限らず、詰将棋のレベルがかなり上がりましたね。今回のような解いて楽しい詰棋も大切だなと思います。
宇貞光明―各問とも、作者が何才の時の作か表示してほしかった。
岡本正貴―「〜くん作」がなつかしい。
小山邦明―非入選扱い、非入選レベルとの事ですが、私は大変楽しめました。
鈴木 彊―作者すべて「くん」ですので、皆さん若かったのでしょう。
鈴木信幸―田宮氏時代のヤン詰は毎月真っ先に解いていました。我孫子に来て5年、田宮氏邸は私の家から2qほどの距離にあることがわかり、縁を感じています。
高田明浩―私が初めて詰パラを見た時に、一番取っつきやすかった。コーナーの創設者に大変敬意をはらいたいです!若い世代の参加は大切だから、これからも続けて頂きたいものです!
竹中健一―なつかしい感じがします。今のヤン詰とは全然違うけど本来こうあってほしいコーナーですね!
田中 颯―2の小泉さん作は、今では入選できると思います。
谷川幸永―田宮氏の業績については興味津々なので、本書は購入する予定。はたして、ヤン詰に関する最頻FAQ「デとはどういう意味?何の略?」に対する回答は得られるでしょうか。
☆「デ」(DE)はスペイン語で「〜の」意味だと思います。「ヤング・デ・詰将棋」は「青少年の詰将棋」という意味になると思います。
千葉 肇―新作?
詰山解道―昔は易しかったんですね(苦笑)
床呂光太―短編くらいしか解けない僕にとっては3、4のような手順は楽しいです。楽しく解けました。
永野秀夫―田宮氏には詰朗会で一度お会いしただけですが、なつかしいですね。
中村増一―ノスタルジックな香り漂う良き時代が彷彿としますね。
鳩森美羽―解いて楽しい、それでいいんですよね。
原岡 望―ヤン詰の原点が見えます。今のヤン詰は難解作が多く、初心者には取りつきにくいと思います。「非入選級」に限り入選としてはどうでしょうか?
原科佐登己―ヤン詰いいですね。
坂東仁市―小生のやり(22才よりスタート)始めよりレベル高いのに、その後の活躍パットしないのはどう云う訳でしょう。担当者が代表・代弁して下さい。
小生はコリ性ゆえ、トコトン追及しました。競馬も550冊(70万位使用(高額本は大半サギ)●と競馬はサギだらけ)以上読破(しかし訳の分らん世界)
☆私以外の方は、看寿賞をとられたり、NET等でも活躍されておられると思います。私の場合は才能が無いので仕方無いと思います。
福原徹彦―今や大作家の方々が、「〇〇くん」と呼ばれているのが不思議な感じです。
藤井美大―私は田宮氏のお世話には、なったことはありません。昭和58年4月からの購読です。
堀口一雄―3・4と面白い型・手順ですね。
松田己次―非入選レベルとあるが、どれも面白い詰将棋と思う。確かにやさしいことは否めないが。
矢橋 修―思わず解いて見たくなる様な詰将棋ばかりで楽しかったです。
八尋久晴―ヤン詰は田宮さん、加藤さん、石川さん、私、そして今は夏風さんと引き継がれていったんですよね。田宮さんには私も随分お世話になったものです。コピー刷りの田宮さんの手作りパズルもまだいくらか私の手元に残っています。
山下 誠―現在ご活躍の作家の方々のお名前を見られるだけでも、復刻版発売が楽しみです。
和田裕之―メール以外で解答出すのは何年ぶりかなあ。
【全題正解者】
赤井秀雄 秋元節三 小豆沢健
あれれれ 飯田純五 井上賢一
岩本 修 宇貞光明 及川弘典
岡本正貴 加賀孝志 金澤一聖
川島敏嗣 鴨藤 弘 川端 潤
日下通博 小山邦明 酒匂景大
止少丘八 真保千秋 鈴木 彊
鈴木 茂 鈴木信幸 高田明浩
高橋達也 竹内洋介 竹園政秀
竹中健一 田中 颯 谷川幸永
千葉 肇 千葉 等 桃燈
出口智博 出崎 守 床呂光太
中沢照夫 中瀬俊昭 永野秀夫
中村丈志 中村増一 中山儒一
中山芳樹 鳩森美羽 原 雅彦
原岡 望 原田雄二 坂東仁市
日坂 仁 弘光 弘 福原徹彦
ぶーぶー 藤井美大 堀口一雄
松田己次 水野 修 水野靖彦
三宅周治 宮崎 勲 宮本定夫
森本勝則 矢橋 修 八尋久晴
山下数毅 山下 誠 和田裕之
新井要太郎 久保川竣介
原科佐登己 名前不明
つけひげたんてい
3問正解
坂井道郎 詰山解道 西村晃太
ひよこ
【当選者】ヤング・デ・詰将棋進呈
田中 颯 床呂光太 鳩森美羽

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