旧パラを検証する180
第十四号 15

★は管理人コメント
高等学校 担当 大橋虚士
成田忠雄氏作(A)
22飛成、同玉、29香、23桂、同香成、11玉、12成香、同玉、24桂、11玉、23桂、22玉、32銀成、23玉、33成銀、同玉、34歩、22玉、23香、同玉、41馬、22玉、33歩成、同桂、32馬、11玉、33馬、22金、23桂、21玉、32桂成、同金、11馬迄 33手
説明
21飛成、同玉、32銀成、同玉、24桂打、22玉、23香打以下詰めた方があり、これは31玉にて詰まない22飛成と捨て29香打の時23桂合が妙味、あとは平易な追詰
諸氏の評
神原健 33成銀が盲点33歩成の味細かし、手筋は陳腐ながら全体としてよく引締まっている好作
平戸哲郎 33が詰の急所となるとは思わなかった、33銀と成って14玉と追い出した時15歩、16香の手があるのを発見し詰んだ。
★ 23飛を29香(24〜28香でも良い非限定)として23桂と捨て合をさせるのは面白い導入部分です。23に捨て合をしたので、12成香と取れるようになるもの皮肉な順です。10手目11玉の局面で途切れたかに見えますが、23桂〜33成銀が14玉に15歩以下詰む順を見た打開策。以下も34に打った歩を33に成捨てで最後は例の筋で詰む等、良く纏まった好作だと思います。

大井美好氏作(C)
31金、22玉、14桂、同金、34桂、同銀、21金、同玉、22歩、32玉、41角、42玉、54桂、51玉、52角成、同玉、53金、51玉、52歩、41玉、42金迄21手
高等科としては平易だとのお叱りを受けましたが、初手31金ヨルとするところ即ち42銀を残して置くところが面白いではありませんか、本局の良さは只それ丈けといえるでせう。
諸氏の評
大熊生 これで14桂、34桂が筋でなければ面白いのだが24金、45銀の配置があまりにも明瞭にこの手を教えている。ABに比して大分遜色あり
宇都宮靖彦 この順が作意であれば詰パラ始って以来の凡作と云うべきか。
★解説・評共に酷評されていますが、そこまで酷い作品だとは思いません。初手31銀成とすると、作意と同様に進み34桂の時に同歩と取られて、21成銀に33玉と逃げられてしまいます。初手31金の時34桂に同歩だと、作意順に進み22歩、32玉に33金と打って早い。初手31金は意外だし、14桂〜34桂の連続技は巧いと思います。以下も41角〜54桂〜52角成という収束も珍しいし、私は巧く纏まった好作だと思います。

岩谷良雄氏作(D)
32飛、13玉、31馬、同龍、22飛成、同龍、25桂、23玉、24香、32玉、22香成、41玉、42角成、同玉、54桂、51玉、52歩、同玉、A62飛、51玉、42飛成、61玉、62龍迄23手
本局は初手32飛打さえ判れば良いのであって後は手順に詰む。
なんでもない様であるが、22香成、41玉の時に42角成と捨てる所が捨て難く、誤られた方がある。
手駒(飛桂)の関係でもあらうか。
諸氏の評
靱矢忠男 馬捨てから続いて飛の成捨ては往々見受ける筋17桂44金玉方71歩等から押して寄筋の安易が難点、しかし初心者の私等は好作とより評言できません。
松岡輝生 右辺の玉を六筋にて詰めるとは予想外、32飛打31馬は手筋なり
★A53飛、41玉、43飛成、51玉、42龍、61玉、62龍迄25手でも詰む大キズあり
初手22飛だと13玉で詰まないので、32飛とし、13玉の時31馬とするのがミソです。31馬は同龍(24玉なら42馬と出来る)とさせて51角の筋を通す為で、次に22飛成、同龍として龍を質駒にする連続技が上手い順。そして42角成と角捨てで決める。好作だと思いますが、今の目で見るとAの順は余詰と言われてしまうでしょう。惜しい作品だと思います。

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