旧パラを検証する172
第十四号 7
☆大道棋賞候補
@村野南外氏 パラダイス九月号

97角、86飛、同角、74玉、65銀、85玉、75飛、84玉、
73飛成、94玉、83龍、同玉、64角、72玉、A82角成、61玉、62歩、同玉、74桂、61玉、83馬、72金、B
62歩、71玉、C82桂成、同金、61馬迄27手
「旧パラを検証する63」参照
大道棋賞次選作品
付記:
谷川幸永氏からこの作品に同一の先行作があるとのこと。調べたところ、将棋月報1935年12月号に作者不明の大道棋として紹介されていました。旧パラを確認したら、村野南外出題とありました。作者の場合は○○氏作としており、担当の村野氏は他の作品でも出題とある場合は先行作があるので、引用したことを村野氏は自認していた筈です。でありながら、看壽賞発表では村野南外氏作として受賞しているのは、納得が行きません。昔は著作権が全く意識されておらず。知られて居ない作品を紹介した人が作者になってしまった場合が多かったようです。昔のプロの出題と一緒ということです。記念すべき第1回看壽賞の次選作品で記録にのこっている作品だけに、今回の発見にはビックリであると共に、詰将棋史の汚点とも言えるでしょう。
A草柳俊一郎氏 パラダイス十月号

86飛、85香、同飛、84香、83金、同玉、84銀、94玉、95飛、84玉、87香、イ86金、同香、95玉、97香、96合、85金迄17手
イで86角合、同香、95玉、97香、96合、84角、94玉、96香、83玉、93角成、74玉、75馬左迄23手駒余りの大変長
紛れは少なくて大道棋らしくはありませんが、2段中合から更に12手目の金中合も入り、手順は面白いのですが、イの変化が大変長だったのは痛いです。逆に大変長があるから、大道棋として発表したのかもしれません。
B奥薗幸雄氏 近代将棋十二月号

12飛生、13桂合、同飛生、24玉、33飛成、15玉、24角、同香、同龍、同玉、33馬、13玉、14歩、同玉、16香、15桂合、同馬、13玉、25桂、22玉、33馬、31玉、43桂、41玉、51馬、32玉、33金、21玉、31桂成、同玉、42馬、21玉、32馬迄三十三手
この作品も大道棋というより、普通の詰将棋です。12飛生、13桂中合のやり取りの後、16手目15桂捨合で延命し、19手目25桂が決め手で、以下は捌いて詰みます。奥薗氏作品としては簡単ですが、気持ちの良い作品です。
C佐藤源助氏 パラダイス十月号

22銀、12玉、11銀成、13玉、19香、A18歩、12成銀、24玉、44飛成、25玉、35飛、26玉、46龍、17玉、15飛、27玉、25飛、38玉、35飛、28玉、48龍、19玉、39飛、29銀、同飛、同玉、38銀、28玉、37銀、17玉、28龍、16玉、26龍迄33手
A14飛で不詰
「旧パラを検証する72」参照
D三好泰造氏 パラダイス十月号

95桂、92玉、93歩、同玉、66角、イ75銀、同角、同歩、94銀、92玉、84桂、同桂、83金、91玉、82金、同玉、83桂成、81玉、63角成、72角合、A同成桂、同香、83香、82香、同香成、同玉、83香、92玉、81角、91玉、73馬、同香、92香迄33手詰
イ75歩は同角、同香、94歩、92玉、74角、83角、同角成、同香、93金、91玉、73角、81玉、82金迄19手
A同馬、同香、同成桂、同玉、63角、71玉、61歩成、同玉、51歩成、71玉、61と、同玉、52角成、71玉、62と、82玉、83香、91玉、81香成、同玉、63馬、91玉、73馬、82銀、92香、同玉、93香、同銀、83銀成、81玉、72と迄51手の余詰
T-BASEでは誤って、74歩が74香と誤記されていたため、イ75歩で詰みません。11手目84桂が後の63角成を見せた伏線手。以下も良く出来ていましたが、Aの余詰がありました。この作品も結果稿で余詰指摘があったのに候補作になっているのは不思議です。

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