旧パラを検証する100
第十号6
年のはじめに・山ノ井篤・・・詰将棋を題材にしたショートショートの小説。山ノ井篤は北村研一のペンネームでこの小説は、著書の「将棋九十九谷集」にも掲載されている。
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中級向 詰将棋に於ける捨駒の目的について(4) 里見義周
(C)捨駒の原位置に関する遮効の消滅を図る場合
G

図の場合七三角と捨てることによつて八五香を八二に効かせる。
H

図に於て、王方が一三飛と捨合して四四角の遮効を消滅せしめる。即ち四四角を二二へ効かしめて詰を免れる。
I

図の場合、九四飛、同香ととらせ、五三角打をつくる。
J

三三角成同香と取らせ、一四飛をつくる。
K

九四飛として、六五角を九二に効かしめて、歩詰を回避する。
L

図の場合、王方が直ちに九八玉と逃げては九九歩八七玉八九龍までの詰だから、一旦六九桂成とし同龍とさせてから、九八玉とすれば二七飛の筋が八七まで通るので、打歩詰を誘致する結果となり詰まない。仲々面白い捨駒である。
(二)捨駒の移動企図
(A)取駒の原位置に関する優占の消滅を図る場合
M

図に於て、攻方二四桂と打ち同歩と取らせて、二三歩を移動せしめたあとへ二三銀と打つ。もつともありふれた捨駒である。
N

前例の捨駒の桂が盤上にある場合である。
O

二三桂と打ち、二二歩を移動させて打歩詰めを回避する。
P

前例の場合の持駒の桂が盤駒になつている。
(B)取駒の原位置に関する有効の消滅を図る場合
Q

三三角と打ち、同龍とさせて三二龍を移動せしめた上一二銀を狙う。
R

前例同断
S

玉方中合の最も一般的なもので、二三合として、二三への香の効きを消す。
〇21

双方持駒ナシと仮定した場合、玉方二三銀と捨合して詰を免れる。大分苦しい例だが、こんなのを詰将棋に入れることも出来る筈である。
(C)取駒の原位置に関する遮効の消滅を図る場合
〇22

二五桂同歩と取らせて三五角を一三に効かせた上で二二銀と打ち一二玉に対し一三歩打を可能ならしめる。打歩詰回避の場合に限る。
〇23

前例同断
〇24

打歩詰誘致の場合である。即ち図の場合、玉方が直ちに一四玉では一五歩同玉二七桂以下詰むゆえ、一旦二五歩と捨合するのが妙で、攻方同香とさせてから一四玉とすれば、三七角が一五へ効いて打歩詰となる。尚本例に於て二五同銀と攻方が指せばSの一例となる。しかしこの場合は〇24の方が主要目的でSの方は附随目的である。
〇25

図に於いて玉方は二五桂と跳ねて前例同様逃れる。(以下次号)

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