旧パラを検証する80
第八号5
詰将棋あれこれ 森 利男 (松山市新浜町)・・・塚田前名人の作品紹介と北楯八段・花村七段・塚田六段がほぼ同じ作品を発表しているという指摘。その次の大道棋の実戦譚が面白いので転記。
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今年四月十三日の夕べであった。従妹(ベッピンですぞ・・・)と道後散遊の帰途、松山市駅での出来事。次の如き大道棋を出している詰将棋屋を見付けた。大道棋をやつていたら必ず詰めて見せると豪語していた自分にとつては、本題は絶好の鴨であつた。
松山市駅にて

(説明)
光とあるはタバコの光でありこの光が三個ある上に持駒の飛と金が置いてある。余り駒は図の如く右横に積んであつた。
これがそもそも大道棋屋絶対不敗の態勢なのである。
「この詰将棋一手や二手では絶対に詰まない。然し駒が余って詰むかもしれません。」なんて口上を云うのも大道棋屋の戦術の一つ。
眺める事二分間。十九手の詰みを読み終わる。
「その通り。駒が三枚余る。おかしい。この光一個呉れるの・・・」と云うのは僕の戦術。
「いや三個です。しかし詰め損じたら百円です、やってみて下さい」と云う。廻りの人も勧める。
「それなら此の駒(横にある余分な駒を指して)をどけて下さい」と云うと、大道棋屋ニッコリ笑い、それを知っている人にはやらせませんと云うと、たちまち問題を崩してしまった。あ々―
これが大道棋屋最後の戦術か。永き春の一日もとつぷり暮れた。
従妹と二人で家路を指してかえつた。
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ウーム、このやり方は、インチキというか、微笑ましいというか、、、、。
☆数字から見た各誌☆ 編集部・・・これも抜粋してみます。
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各棋誌の記事収容量を数字から計算してみましょう(四捨五入)
菊版 (本誌・世界)1頁・・・・・36×60=216平方分
四六版(近将) 1頁・・・・・32×50=160〃
四六倍版(評論・ニュース)1頁・・48×77=370〃
△記事収容量全面積
○本誌 216×72頁=15552 (30円)
○ニュース 370×24〃= 8880 (30円)
○近将 160×98〃=15680 (50円)
○世界 216×72〃=15552 (50円)
○評論 370×46〃=16020 (50円)
☆この表から判断出来ることは本誌が如何に良心的廉価に発行されているかと云うことで、この上の増頁を目指している点をお認め願いたい。
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余り意味がある比較とも思えないですね。詰将棋パラダイスですから、詰将棋の質が一番重要な点だと思いますが、、、。
古図式紹介「将棋駒競」(一) 解説編選 松井 雪山・・・将棋駒競の解説ですが、底本を大森書店版にしているので、手順や配置があてにならないところが既にあり、それを松井氏が作意を推測して行くようなので、正しいはずが無い。駒競を紹介する点は評価出来ますけど、、、。松井氏だけでは無いのですが、この時代の古図式の解説は、一見不要駒に見える駒の配置の意味を書いているのは面白い。(○○を欠くと○○という順で詰む等の記載)前田三桂氏等も将棋月報でやっています。戻って、松井氏の解説ですが、作意(と松井氏が思う手順)変化と駒の意味しか書いていなくて、作品自体の解説が無いのは、物足りません。(解説というより紹介ですね。)
各誌各紙詰もの紹介欄・・・・各誌のプロの詰将棋紹介
いろは字詰 第二回 三好鉄夫
「ル」〜「ネ」の字まで紹介していますが、「タ」以外は全て余詰あり、「タ」も4手変長があり、内容も面白く無い。仕方が無いので、余詰はありますが、一番面白い「ル」を紹介します。

61角、同龍、52角、同玉、53金、51玉、52歩、同龍、同金、同玉、53飛、61玉、81飛成、71銀、同龍、同玉、73飛成、72金、62銀、81玉、72龍、同玉、73金、81玉、84香、83銀、82歩、91玉、92歩、同銀、81歩成、同銀、92歩、同玉、83香成、91玉、92歩、同銀、82金迄39手
早詰、初手より33金、52玉、43角、51玉、52歩、61玉、81飛成、71歩、51歩成、同玉、42金、同玉、33香成、同金、同桂成、同玉、34金、42玉、33角、53玉、44角成、42玉、33金、51玉、62馬、同玉、52飛、63玉、54飛成、62玉、52角成迄31手
角の連捨てから2回の銀合が入り、最後は例の形になるなど結構良く出来ていると思います。
修正は23をと金にするのが一番簡単です。

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