旧パラを検証する68
第七号5
いろは字詰 第一回 三好鉄夫
今回畏友田代達夫氏(京都)の御推奨によりイロハ字詰の曲詰をパラダイスを通じて発表することに致しました。
同氏の御検討により大体完全と思いますが、棋友諸賢の鋭い横槍を期待して、完成作と致します。各種の御高見は私の最も歓迎する処であります。
(愛媛県東宇和郡中川村 三好鉄夫)
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三好氏の、いろは字詰は初形曲詰で中篇中心で解答付きで発表されました。第一回は「イ」〜「ヌ」です。作者の期待とは別で不完全が半分以上あり、しかも字が中央ではない田舎曲詰で、手順も失礼ながら詰むだけというか、、、。はっきり言って、昭和二年に発行された、丸山正為氏の「いろは字詰」の方が、字も中央で手順も先ず先ずなので、はるかに出来が良いと思います。
ただ、そうは云っても本稿は、旧パラを紹介するのが目的なので、その中では出来が良いと思われる作品を選んでみました。

74飛成、52玉、44桂、同龍、62角成、同玉、44馬、同香、72飛、53玉、73飛成、52玉、54龍、41玉、43龍寄、31玉、51龍、22玉、42龍引、11玉、13龍、21玉、22龍寄
まで23手詰
44桂として、龍を質駒にして角を捨てるのは結構良いです。44香が残るのは残念ですが、この形が例の収束になるというのも意外です。
このレベルで48文字創作なら、もっと認識されたのでしょう、、、。
弱い人読むべからず集(三) 藤木 清之
前号までの佐井東氏から担当が代わっています。内容は引き続き、初心向けの詰将棋の解き方。
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詰棋作家列伝
一、住所。横浜市南区井土ヶ谷下町二一七 昭和実業株式会社内
二、職業。なし
三、金田秀信
四、年令。二十二才
五、略歴。詰将棋に関しては特に記すこともありません。
六、処女作(下図)並、その思い出。
昭和二十一年九月、当時群馬県立前橋中学校五学年を中退し、暫くの間家で将棋ばかりしていましたが、その時初めて詰将棋を作りました。それを、図らずも誌上に見出した時は、活字になった自分の作品を幾度も幾度も見つめたものでした。
七、詰将棋に対する抱負。
最近、頓に、創作に自信を持てなくなって来ましたし、わけあって将棋から遠ざかろうと努めています。−とうてい出来そうもない氣もするのですが−ので、詰将棋に対しては今の処、抱負を持ちません。
八、将来えの希望。
(1)詰将棋創作で最も大切なことは、云うまでもなくよい味を沢山含めることですが、そのよい味、或は面白さをいかに表現するか、つまりどのような棋形に作るべきかということに更に努力することを、作る人々に希望してやみません。
(2)作る人は誰でも、廣く既成詰将棋に目を通し、類似作品の発表を避けるように努めたいものです。これには模倣作に属するか否かを区別し得る感覚を鍛錬する必要があると思います。

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今もご活躍の金田氏の紹介でした。

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