旧パラを検証する63
第六号11
第六号の学校作品は先ず次の作品から。
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88角、同金、98金、同金、89金、同玉、79金、99玉、98馬、同玉、88金打、99玉、89金迄13手
担当:鶴田諸兄
金角寺の和尚雪隠詰。型も良く金将の打捨良く二枚の角を捨てて最後は分捕った敵の金将で和尚雪隠詰とは恐れ入りました。ユーモラスな好局。
野崎雅男「珠玉の如きキメ細かい作。私は好きです」
植田尚宏「結末が非常によくまとまっている好作」
佐川好史「金の打捨面白し」
円尾博「毛色の変った面白い詰将棋」
荒谷光一「形がよい。好作」
森若喜代志「詰手筋の見本の様な好作」
柳川賢太郎「垢ぬけした流麗な作品」
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易しい好作で、山田氏の作品集にも載っており、作者としても愛着のある作品だと思われる。
次に研究科の次作
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97角、86飛、同角、74玉、65銀、85玉、75飛、84玉、73飛成、94玉、83龍、同玉、64角、72玉、A82角成、61玉、61玉、62歩、同玉、74桂、61玉、83馬、72金、B62歩、71玉、C82桂成、同金、61馬迄27手詰
キズ:Aで82香成、61玉、62歩、同玉、74桂、61玉、72成香、同玉、82角成、61玉、83馬と作意に戻る迂回手順あり。
Bで72馬、同玉、82香成、73玉、83金迄の収束余詰あり。
Cで82馬や72馬で詰む収束余詰あり。
担当:村野南外
大関信雄「飛車飛車の合で詰まぬところミソに骨あり」
三好泰造「仲々の難局。流石研究科と敬意を表す」
平田昇「天狗が鼻を折られて頭をかく難問」
出口順五郎「大道棋と知りつつも直ぐ詰むとうつかり飛びついたらひどい目に会う名作」
堤浩二「新型の趣向良し。大道棋向きの手頃の難局」
井石清章「簡単に見えて一寸詰まない秀作」
草柳俊一郎「飛車二枚の中合で詰まぬとは非常に面白い。七五飛から七三飛成のドカンも六四角の妙手も一寸見られない近代的な味。実に逸品」
宮本兼利「変った形で難解。一寸手をつけられぬ傑作」
形幅清「攻防実に妙々の好局」
荒谷光一「妙手難解。攻防かたずをのむ。すばらしき好局」
☆大分お褒めに預かりましたが、本局は大駒を犠牲として脱出を試みるのが狙い。終盤に種々な詰め方あるも特殊性有る研究科としては止むを得ない。
△七五飛の処七五角とすると、八七飛合で同香なら九四玉八六桂八五玉七六銀九六玉八七金が利かず詰まない。又七五角の処五三角成でも八七飛合八六金同飛同馬九四玉九五馬同玉九六歩同玉八六飛九七玉九九飛九八合八七飛九六玉九八飛で詰みのようだがはじめの八六金を同飛と取らず九四玉と逃げて詰まぬ。
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この作品は第一回看賞寿賞の大道棋賞次選に選ばれています。
実戦的には詰みそうな手が無いので、価値があるとは思えませんが、紛れ手順は面白いですね。
さていよいよ次の作品は第一回看寿賞長編賞の傑作の次作です。

結果稿も上記のように別格扱いでした。
余りに有名な作品で、今更私が書き加えることはありませんので、当時の記事を転載しました。
第六号詰将棋学校の作品紹介はこれで終りますが、最後のページに将棋世界及び近代将棋で懸賞募集した詰将棋の結果発表が出ている。

22金、同玉、33龍、同銀、31角、12玉、11金、同玉、33馬、同桂、22銀、12玉、13銀成、21玉、22角成まで15手詰
詰将棋としては詰む将棋ですが、広告用なので問題無いのでしょう。
驚いたのは解答が4830通もあったことで正解は4680名だったこと。しかも賞品は1名に榧製将棋盤一面贈呈(何寸かは書いてありませんが、、、。)。そして一般賞(これも何が賞品かは書いてありませんが、、、。)が100名から200名に倍増しています。応募数も凄いけど賞品も凄いものですね。
さて長かった第六号もこれで終り、次回からは第七号の紹介に入ります。

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