旧パラを検証する62
第六号10
大道棋究明室 大道教師・・・大道棋の紹介
秘手五百番について(2) 紳棋会・・・秘手五百番の余詰指摘や、誤作意等の指摘
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金田秀信さんに呈す−八月号塚田作品を駁すについて 竹中 敏雄(宮崎県)
パラダイス八月号13頁の「塚田作品を駁す」とい云う一文を見て一寸驚いた。概論、論旨がやゝ変ではないですか?
勿論詰将棋は、詰方最長の手順を採る争いです。詰むのは詰将棋故当然のことです。でないと、我々は詰将棋の懸賞解答等出せない。妙手説と言っても、妙手好手は人々の感覚で多少は相違して来る事も考えられるから...。
そこで、金田氏の言われる最長手順と、私のそれに対する詰将棋常識との相違は...。私は残り駒が出来る筋は、変化と称して決して本筋とは言わないのであります。
従って私は他に余り駒のせぬ手筋ある時は、たとえ一歩だけしか余らないものでも、余る方の手順が作意より長くても採らぬ事にして解答しています。
即ち詰将棋を解明する時、読んでみて、駒が余ればこの筋は本筋ではないと、又その岐れまでかえって、別の筋を読むのです。これが詰将棋の面白い所で「駁す」筋ではないと信じて居りますが、如何でしょうか。
☆ ☆ ☆
余談ですが、私は今一つ、攻方に二つ以上の違った詰筋がある場合も、多少の例外はあるとしても、岐れまでかえって唯一の詰筋のある方を採る事にして居ります。
又同手数の詰手に別れている時は少しでも完全な方を採って、同手数の変化は出来るだけ解答に書き加える事にしています。
又香角飛等を離して打つ場合、詰方に悪い影響のない限り出来るだけ玉に近く打つべきが純理と考えて居ります。まだ云いたい事はありますが、誰かが云ってくれるでせう。
実力者金田さんに変に楯つくようですが、金田さんの言われるような、余り駒があつても長手数だから採るべきだとするのは、現今の詰将棋をかえって砂入りパンの如く味気なくする場合もあるかと愚考します。金田さんの御意見も亦拝聴するに吝かではありませんし、この一文も詰将棋を愛するものゝ言として、気を悪くされないよう頼みます。
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元記事は、「旧パラを検証する43第五号4」を参照してください。
上記の考え方は、変長を気にしないということですね。でも余詰でボロボロの作品とかだと、上記の考え方は難しいと思うし、この考え方自体が殆ど妙手説で、その考え方を他の人にも納得させるのは当時でも難しかったと思います。
不完全作指摘 お愛嬌ルーム・・・不完全作の指摘。不完全指摘の累計点数で、1位は加藤伊志氏、2位には川崎弘氏に入っていて、この頃から不完全作の指摘にご活躍されてていたことが解ります。他にも、谷向奇道、山田修司、宇佐見正、田代達生、篠原昇、形幅清、の諸氏が指摘しています。

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