「ちょっと確認してくれる?」昨年末ころまで職場の月曜の朝、同僚のOさんから言われていた会話である。何の確認かというと、新聞の次の一手で10週連続正解だと5段の免状が申請できるのであった。
自分の考えた手の確認と称して私に答えを聞いて居るのであるが、ついに10週連続正解し、Oさんは5段の免状を申請することになった。私も知らなかったのであるが、5段の免状は四段の免状を持ってないと申請できない為、四段・5段を同時申請しなくてはいけないのであった。結局免状を入れる額も含めて30万円は掛かったと思われる。よく聞くとそれとは別に盤駒も買ったらしい。
Oさんは最近家を新築し、壁にカレンダーの穴さえ家人に開けるなと言っていたのに、免状を掛けるために、壁に穴を開けたそうである。
そんなわけで、すっかり良い気分になったらしく、将棋世界の年間購読を決め、今度は六段コースの卒業を目指したいらしい。
私自身、東京都の代表になったことがあるので、四段は申請できるはずであるが、紙切れ一枚に何十万円も払う気が全くしない。
でも一方でOさんのように何十万円も支払う人がいるのである。免状の魔力と言えるのであろう。
でもなあ、六段コースまでは面倒だから考える気がしないなあ。
またOさんはいくら掛かったか奥さんに言っていないらしく、奥さんに「結構お金払ったんでしょ?」と言われたそうだが「そんなにかかってない。」と、大嘘を言っているようである。将棋が原因で家庭不和になどならないように祈っている今日この頃である。

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