明治〜昭和初期は詰将棋の暗黒時代と言われ、めぼしい作家が乏しいように言われてきた。それの原因であるが、先ず作品を発表する場自体が無かったことがある。
次に「将棋月報」のせいでもあると思う。これは意外と思われるかもしれませんが、当時は投稿された作品は駄作でも載せたみたいで、どうしようもない作品(駄作や、不完全でボロボロのもの)も多数載っており、相対的なレベルを下げていたことは否定出来ない側面だと思います。無論功績の方が圧倒的にありますが、、、。
さて今回の三百人一局集補遺であるが、千葉勝美氏を取り上げてみた、私とは完全に世代が異なり、データベースを入手するまでは殆ど知らない作家でした。今から75年ほど前に、これくらいの作品を作っていたのは大したもので、同時代の丸山正為氏よりも初形曲詰に関しては断然面白い。イロハ48字を完成させていたら、どんなに素晴らしかったかと思います。
また三百人一局集補遺では書き落としましたが、友人の清水清氏が亡くなった後、清水氏の作品を思い出集として将棋月報に発表し続け、形に残した功績も言及すべきだと思う。
今後もこのように隠れた作家を今の人々に紹介すると共に、昔を知る方には懐かしんでいただきたいと思っています。

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