村山隆治氏の「五風十雨」を解き終えた。
継続は力なりと言うが、正にその通りだと思う。60年以上も現役で詰将棋を作り続けたことには、素直に脱帽せざるを得ない。はっきり云って、将棋月報時代の詰将棋は現在入選は難しい作品であると思う。しかしながら、村山氏の偉大なところは、この急激な詰将棋の進歩にご高齢でありながら、ついて行き現在もなお入選し続けていることである。
さらに一流の作家は柏川氏もそうであったが、過去の作品を現在も推敲しておられることである。一度発表したものを愛情を持って推敲し続けるのは、簡単そうで中々出来ないことであり、自作に限りない愛情を注がないと出来ないことなのである。
また、驚いたことに、手数を十七手までとされ、それ以上のものをバッサリ切り捨てて居られるのも、出来ることではないと思う。
今回は村山氏の作品で19手以上のものを紹介してみよう。

これは、詰将棋教室の中の作品集「詰将棋流鏑馬」九十八番で、実戦形中篇の好作と思う。(27手詰め)
次に村山氏の作品で一番長手数と思われる作品を紹介したい。「将棋とチェス」昭和二十四年十一月号の作品で、なんと51手詰である。

こういった作品を切り捨てて十七手以下に作品集をまとめた、村山氏の判断は尊重すべきでありますが、勿体無いなあと、素直に思ってしまったりもします。
この上はあと十年以上創作していただいて、「五風十雨拾遺集」でも作っていただいて、中篇以上の村山氏の作品も作品集に載せていただきたいと、切に願う次第である。

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