2008年5月7日、混声合唱団スコラ カントールム ナゴヤとボン・シュティフツ教会合唱団のコンサートを成功裡に終えた後、
ゲネラル・アンツァイガー紙(GENERAL-ANZEIGER)にこれに関する記事が2つ掲載された。
2008年5月9日(金)付け 評論
天の怒り
トーマス・キルヒホーフ 記
スコラ カントールム ナゴヤが指揮者、中村貴志とともに、ボン・シュティフツ教会において今回2回目となる客演をすでに果たした。2004年に彼らはここでボン・シュティフツ教会合唱団とともにモーツァルトの宗教曲を演奏した。今回はベートーヴェンオーケストラ・ボンとの共演により、ハイドンの『ハルモニーミサ』を鳴り響かせた。
それに先立ち、スコラ カントールム ナゴヤは単独で佐藤眞作曲のカンタータ『土の歌』を聴かせるために登場した。これはピアノ伴奏版で、ピアノは金沢昭奈。大木惇夫の詞によるこの合唱作品は日本で最も愛されている作品のひとつである。この歌手たちはこの立体的な音楽を暖かさと輝かしい響きの流れで表現した。『死の灰』と単声的な重みのある『天地の怒り』では不安に揺り動かされた。祈りとメロディーの美しい『大地讃頌』が感動的なカンタータを閉じた。
一体となった両合唱団と均整のとれたソリストのアンサンブル(クラウディア・インマー、エスター・ボルクホースト、ヘルムート・クレメンス、シュテファン・モーア)は、中村が的確で霊感のある音楽を作り上げたことから、ハイドンの最後の大きなミサのハーモニーの表情を豊かに表現した。特に管楽器の多い編成のベートーヴェンオーケストラ・ボンは色彩豊かなオーケストレーションを存分に味わっていた。両合唱団が2006年すでに日本でともに歌った昔ながらの日本の唱歌よりぴったりの別れのためのアンコールがあるだろうか。
2008年5月14日(水)付け
日本人が『土の歌』を歌う
交流 シュティフツ合唱団が名古屋からの歌手たちを歓迎する。旧市庁舎における歓迎会
ボン。日本からやってきた合唱団“スコラ カントールム ナゴヤ”の団員たちにとってボン訪問のクライマックスは、マルクト広場にある旧市庁舎におけるヘルムート・ヨイステン市長を介した歓迎会だった。
遠く東方からやってきた音楽家たちはボン・シュティフツ教会合唱団と長年にもわたる友情を結んでいる。両合唱団はともに練習したり、コンサートで歌ったりするために定期的に訪問しあっている。
シュティフツ教会におけるごく最近の共同の演奏会で特筆すべきことは1962年以来日本で人気のある、佐藤眞作曲の『土の歌』であった。合唱団員たちがリンツへの船旅をしたり、ベートーヴェンハウスに訪問したりしたことなど、いくつかの見学は、名古屋からの訪問ということを考えれば、当然のプログラムであった。
SCN演奏旅行記2008 完