ベートーヴェン〜シューマン
2020年10月31日(土) 無事終了
ザ・シンフォニーホール
主催
公益社団法人 大阪交響楽団
共催
公益財団法人 堺市文化振興財団
特別協賛
大和ハウス工業株式会社
後援
堺市
特別協力
ザ・シンフォニーホール
助成
文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術創造活動活性化事業)
独立行政法人日本芸術文化振興会
関西元気文化圏参加事業
指揮:川瀬賢太郎
管弦楽:
大阪交響楽団
ピアノ:林澄子
ソプラノT:水野智絵 ソプラノU:白石優子 アルト:大垣加代子
テノールT:島影聖人 テノールU:
矢野勇志 バス:桝貴志
合唱:大阪響コーラス
合唱指揮:
中村貴志
合唱ピアノ:北口裕子
R.シューマン 劇音楽「マンフレッド」作品115より、序曲
L.v.ベートーヴェン 合唱幻想曲ハ短調 作品80
R.シューマン 交響曲第3番変ホ長調 作品97「ライン」
僕が合唱指揮を務めている大阪響コーラスが先月の「
テアトロ トリニタリオ 2020」に続き、「大阪交響楽団第114回名曲コンサート」に出演しました。新型コロナ・ウィルス禍において、
公益社団法人 日本オーケストラ連盟に加盟するプロ・オーケストラの屋内の主催公演で合唱付の作品を取り上げるのはこの公演が初めてとのこと。ひとまず本番を無事に終えることができました。
新型コロナ・ウィルス禍の中、どちらも中止の可能性がありましたが、関係者のご尽力により、両方とも無事に開催されました。また、本番当日はスタッフの方々が新型コロナ・ウィルス感染症の防止のために尽力されました。関係者各位、スタッフ各位に心から敬意を表します。
また、昨日は昼夜2回ともたくさんのお客様にご来場頂き、盛大な拍手を頂きました。ご来場下さいました皆様に心から御礼申し上げます。
大阪響コーラスがこのコンサートで取り組んだのはL.v.ベートーヴェンの『合唱幻想曲』。独奏ピアノと声楽のソリストが6名、混声合唱とオーケストラという編成ゆえ、なかなか取り上げられない作品で、演奏者の中には初めて取り組んだ、あるいはお客様の中には初めて聴かれたという方も多かったのではないでしょうか(僕は今回で3回目の合唱指揮)。演奏時間18分ほどのうち、声楽のソリストと合唱は最後の3分しか歌いません。
その3分間のために今回は十分な練習時間を与えて頂きました。そして、オーディションで選ばれた優秀な団員たちととことん取り組むことができました。はっきり言って、この合唱団であれば、1回の練習で本番にかけても高水準な演奏はできます。しかし、そこからさらに音楽を追求し、演奏に磨きをかけることができた。音楽的レベルも士気も高い合唱団だからこそなせるこ業で、練習の度に向上していく様は合唱指揮者としての大きな喜びでした。
何よりも、久しぶりにご一緒したマエストロ、川瀬賢太郎さんが素晴らしかった!指揮者として大きな才能のある方ですが、前回よりもさらにさらにすごくなっていました。合唱からもオーケストラからも全ての能力を引き出し、そこからさらに高め、音楽を豊かにしてくれる。なかなかできることではありません。これほどまでに充実した時間を過ごせたことはこの上ない幸せです。
L.v.ベートーヴェンの生誕250年記念にあたる今年は、新型コロナ・ウィルスの世界的な拡大によって人類が苦境に立たされた年になってしまいました。しかしこういう時だからこそ、数々の苦難を乗り越えて、演奏する者、あるいは聴く者に活力を与えてくれる作品を残してくれたベートーヴェンの『合唱幻想曲』を演奏したこと、そしてお客様に届け、ベートーヴェンの音楽を共有できたのは大いに意義のあることだったと思います。ベートーヴェンの記念の年と人類の苦境の時が重なったことに運命的な巡り合わせを感じます。
終演後の記念写真。左から僕、バスの桝さん、テノールUの矢野さん、テノールTの島影さん、ピアノの林さん、マエストロ川瀬さん、アルトの大垣さん、ソプラノUの白石さん、ソプラノTの水野さん。