2022年5月29日(日) 無事終了
ラブリーホール・大ホール
お問い合わせ
ラブリーホール 0721−56−6100
主催
河内長野ラブリーホール合唱団
公益財団法人 河内長野市文化振興財団
指揮:
中村貴志
管弦楽:
大阪チェンバーオーケストラ
ソプラノ:竹田舞音
アルト:小川明子
テノール:松原友
バス:萩原寛明
合唱:河内長野ラブリーホール合唱団
合唱指揮:萩原寛明、
中村貴志
練習ピアノ:岡林純香、小笹山紀子
G.ロッシーニ 小荘厳ミサ曲(室内オーケストラ編曲版)
この演奏会は当初
2020年2月23日に予定されていました。しかし、新型コロナ・ウィルスの感染拡大によって本番目前、いよいよ明後日からオケ合わせという段階でで中止となってしまいました。近年実力を伸ばしてきた河内長野ラブリーホール合唱団は
前年のバッハ『ロ短調ミサ曲』で大きく飛躍し、『小荘厳ミサ曲』の練習でも素晴らしい合唱を繰り広げて勢いづいていただけに、演奏会の中止に大きく落胆しました。
約半年後の2020年8月に延期公演がいずみホールで打たれるものの、こちらも
翌年の6月に延期となりましたが、またしても延期…。延期となる度に精神的なダメージは少なからずありました。しかし、諦めずに延期公演を計画された河内長野ラブリーホール合唱団の役員各位やラブリーホール職員の各位のご尽力、常に前向きに真摯にこの大作と対峙された団員各位の熱意に励まされ、突き動かされて、再々延期公演開催の日を迎えることができました。
私にとって新型コロナ・ウィルス禍で最初に中止・延期となった本番、心のどこかにずっと引っ掛かっている演奏会ゆえ、特別な感情を抱かずにはおられませんでした。素晴らしいソリストたちの圧倒的な声、献身的なオーケストラの音、そして何よりも数々の困難を乗り越えて祈りの言葉を高らかに歌い上げる合唱に感動し、大きな幸せを感じました。
最終楽章の『神の子羊"Agnus Dei"』の最後で「われらに平安を与えたまえ"Dona nobis pacem."」と歌います。私はこれこそ今人類が最も必要とする祈り(願い)だと考えました。人類は今苦境に立たされている。しかし、それでも諦めることなく、平安を求め、願い、その声を上げる。まさにこのミサ曲の最終楽章はそのような曲調なのです。演奏者は私の思いを汲み取って、全身全霊で演奏してくださいました。それは感動を通り越して、平安が成就される思いがし、安らかな気持ちでいっぱいになりました。
1週間前の「可児市民第九合唱団演奏会」に続いて、「音楽の力」を感じたひとときでした。
再々延期公演を成功させなければならないというプレッシャーがありました。オーケストラ用の楽譜に不備が多々あり、一体どうなることかという不安もありました。しかし、お陰様で本番を良い形で終えられたと自負しています。私にとってアフター・コロナへと転換となる節目となりました。出演者の皆様、関係者の皆様、ご来場くださった皆様に心から御礼申し上げます。
河内長野ラブリーホール合唱団は次の演奏会に向けて「小」が取れた『荘厳ミサ曲』、L.v.ベートーヴェンの『ミサ・ソレムニス』に取り組みます。次の本番では新型コロナ・ウィルス禍が終息していることを願い、再び高らかに歌い上げたいと意気込んでいます。
本番の模様。
終演後に素晴らしいソリストたちと。左からテノールの松原さん、私、アルトの小川さん、ソプラノの竹田さん、バスの萩原さん。いずれも縁がある。
ソプラノの竹田さんは彼女が小学生の頃から知っている。ソプラノ歌手として立派に成長されて、こうやって共演できたことは感慨深い。
アルトの小川さんは私が初めて『小荘厳ミサ曲』を合唱指揮した時の演奏会でアルト・ソロを務められた。
テノールの松原さんは私が最も信頼を置く音楽家の一人。初めて出会って意気投合した時から長いお付き合いとなり、共演を重ねられることをうれしく思う。
バスの萩原さんとの出会いがいちばん古く、2003年、私が関西での活動を始めるきっかけとなった演奏会で共演させていただいたのが初めての出会い。その時、私はテノール・ソロ、バリバリ歌手活動をしていた時期だった。当時から萩原さんには抜群の安定感があったが、あれからおよそ20年、実直に歌手の道を歩まれている彼の歌唱はさらに磨きがかかり、若々しく、かつ円熟味が増している。
今回、私の節目となる演奏会でご一緒できたことを心からうれしく思う。
度重なる延期にもめげず、常に前向きに真摯に取り組まれ、再々延期公演を成し遂げられた河内長野ラブリーホール合唱団の皆様との記念写真。