6月に入りました。僕のスケジュールは忙しさのピークを迎えています。
2日(土)は午前中に
名古屋大学グリーンハーモニーの男声の発声講習会で指導した後(大きな可能性を感じ、これからが楽しみ)、すぐに大阪へ移動し、4月から新たに指揮者を務めている
合唱団 LA FENICEの練習に飛び込みました。これが僕の2回目の指導となりました。
練習したのはJ.S.バッハの『ヨハネ受難曲』の第1曲。バッハの全てがあるといってもいい合唱曲で、2時間強の練習を費やしてなんとか骨格を作り上げました。ソプラノとテノールは声がしっかりしている一方、アルトとバスは男が心身に入りきらず、不安定。これからの取り組みに期待。

夜は河内長野で河内長野ラブリーホール合唱団の指導。こちらもバッハの大曲『ロ短調ミサ曲』に取り組んでいます。練習を始めて2ヶ月足らずですが、かなり苦戦しておられます。もう一人の指導者からかなり厳しいことを言われて、落ち込み気味。そこを何とか上げるべく、僕は先週に続いて奮闘しました(笑)。
この日は素晴らしい練習だったと思います。団員の方々に充実感があったことでしょう。上手い下手ではなく、これまでの最高の演奏ができたかどうかが練習において最も重要ではないでしょうか。演奏会のための練習になってはいけません。自己修練し、それまでの最良のものを披露していく。毎回の練習がそんな場になったら、本当に素晴らしい。演奏会はその積み重ねの通過点にしか過ぎません。ラブリーホール合唱団はこれで一皮剥けてくれるでしょうか?
この日はバッハの音楽に浸りっきりの幸せな一日でした。
3日(日)は女声合唱団カリスの指導。今年も8月に
法得寺の演奏会「真夏のサウンズ」に出演させて頂きます。例年通り、ピアノ五重奏との共演があり、今回はあんな曲、こんな曲を取り上げます。そして、指揮をするのは昨年に続き、大阪交響楽団の常任指揮者、寺岡清高さん。今年も超豪華です。本番が楽しみ! 編曲を進めなきゃ!
4日(月)は
合唱団 ルークス スペイの指導。来年5月25日(土)に
いずみホールを予約することができて、「第3回演奏会」の開催が確定、曲目も全て決定し、あとは練習を重ねるだけという状態。
ルークスは昨年10月の「
ミニ・コンサート」の以後、響きがグンと良くなり、合唱の精度も上がりました。創立5周年を前に、ようやくここまできたと感慨深い。本番でこれまでの成果を発揮できるという手応えを感じる練習が続いています。
5日(火)は昼過ぎまで
かがり音楽アカデミーの仕事。そして、この日の夜から楽しんにしていた大阪響コーラスの練習が始まりました。
大阪交響楽団は昨年度から定期演奏会でオーケストラ伴奏の合唱作品(あるいは合唱付きの管弦楽作品)を取り上げる方針を打ち出しています。昨年度はオーディションを実施して大阪響コーラスを組織し、濃密な練習を重ねて、9月に「
第212回定期演奏会」でG.ヴェルディの『レクイエム』を演奏し、素晴らしい結果を残しました。
今年度は9月の「第221回定期」でF.シューベルトの『水が上を精霊の歌』とJ.ブラームスの『アルト・ラプソディ』が、1月の「第225回定期演奏会」でG.マーラーの『交響曲第3番』が取り上げられます。
5日からは9月の「第回定期演奏会」の合唱練習が始まった次第です。シューベルトもブラームスも男声合唱(対して1月のマーラー『交響曲第3番』は女声合唱)。この定期演奏会はドイツ・ロマン派の作品でまとめられています。そのような演奏会にドイツ・ロマン派の重要なジャンルと言える男声合唱の合唱指揮で関わらせて頂けるのは大きな喜びです。
今回の男声陣もオーディションで選ばれた方々。さすがと思わせる点が多い。音程がピタッと合って、倍音が積み上がり、ハーモニーが広がる瞬間は男声合唱の醍醐味です。磨けばすごい男声合唱になると大きな手応えを得ました。
ただ作品が手強いので、気は緩められません。特にシューベルトの『水の上の精霊の歌』。男声合唱(しかも8声に分かれる!)とヴィオラ・チェロ・コントラバスによる弦楽合奏という特殊な編成であり、演奏時間も長い。どう演奏を作り上げるかに苦労するでしょう。そして、ドイツ語の発音にも。だからこそ、やりがいがあります。