メインコンサート
〜オーケストラと合唱の共演〜
2017年6月25日(日) 無事終了
バロー文化ホール(多治見市文化会館)大ホール
主催 陶都楽友協会、バロー文化ホール(多治見市文化会館)
後援
多治見市教育委員会
助成
公益財団法人岐阜県教育文化財団
楽譜協力
トヨタミュージックライブラリー
お問い合わせ
バロー文化ホール0572−23−2600
第1ステージ ふるさとの四季
源田俊一郎編曲 ふるさとの四季
指揮:齊藤順子
管弦楽:
多治見市交響楽団
合唱:たじみオーケストラ合唱団
第2ステージ 映画音楽
J.ウィリアムズ 『スター・ウォーズ』メインテーマ
R.ロジャーズ 『王様と私』メドレー
H.マンシーニ 『ティファニーで朝食を』ムーン・リバー
J.ホーナー 『タイタニック』メドレー
指揮:
中村貴志
管弦楽:
多治見市交響楽団
第3ステージ ヴェルディ・オペラ・ハイライト
G.ヴェルディ 歌劇『運命の力』序曲
G.ヴェルディ 歌劇『ナブッコ』行け、わが想いよ、黄金の翼に乗って
G.ヴェルディ 歌劇『リゴレット』うるわしい人の名は
G.ヴェルディ 歌劇『リゴレット』女心の歌
G.ヴェルディ 歌劇『イル・トロヴァトーレ』鍛冶屋の合唱
G.ヴェルディ 歌劇『椿姫』乾杯の歌
G.ヴェルディ 歌劇『アイーダ』凱旋の場面
指揮:
中村貴志
ソプラノ:大倉聡子
テノール:片山博貴
管弦楽:
多治見市交響楽団
合唱:たじみオーケストラ合唱団
賛助出演:岐阜県立多治見高等学校吹奏楽部
司会:加納徳子
しっかりした文化事業を展開している岐阜県多治見市の
バロー文化ホール(多治見市文化会館)が、全館をあげて開催した「まるごと一日音楽の日 in たじみ」はたくさんのお客様にご来場頂き、成功裡に終了しました。残念ながら、僕はメイン・コンサートのリハーサルや準備、本番で全ての企画に接することはできませんでしたが、それぞれ趣向を凝らし、楽しめたというお声をたくさん頂きました。
齊藤順子さんが指揮する『ふるさとの四季』に始まり、その後僕が映画音楽とG.ヴェルディのオペラの名曲を指揮させて頂いたメイン・コンサートにもたくさんのお客様にご来場頂きました。1曲1曲演奏が終わる度に盛大な拍手を頂き、時には「ブラヴォー!」の掛け声で盛り上げて下さり、出演者一同励まされ、気持ち良く演奏することができました。ご来場下さった皆様に心から御礼申し上げます。
まずはこのコンサートの全編に渡って出演し、曲数が多かったにもかかわらず、最後の最後まで集中力が途切れることなく、丁寧に音を紡ぎ出した
多治見市交響楽団に賛辞を送ります。『スター・ウォーズ』のメインテーマの冒頭で練習の時よりも3倍の音量が鳴って吹き飛ばされそうになった時は「これは最後までもたんぞ」と思いましたが、それ以降は理性を取り戻し(笑)、映画音楽ではシーンが思い浮かぶような雰囲気を醸し出し、芳醇なサウンドで聴く者を包み込みました。指揮していて本当に気持ち良かった!
一方、ヴェルディは最後の最後まで音作りに苦心しましたが(特に『運命の力』序曲)、本番ではことごとく上手くいき、オペラのステージを色彩豊かに彩ってくれました。多治見オケとは今回で4回目の共演となりましたが、お互い信頼をもって取り組めたと思っています。
多治見は素晴らしい合唱指導者が多く、合唱愛好家の層も厚く、合唱のレベルが高い。僕は多治見ではこれまでに「
たじみ音楽祭2014」でF.プーランクの『グローリア』を、「
たじみ音楽祭2015」ではJ.ラターの『マニフィカート』を指揮させて頂きました。どちらも難曲ですが、一般公募の市民合唱団とは思えないレベルの高さを示し、どちらもはっきりと思い出に残っています。
今回はこれまでとは趣を変えて、G.ヴェルディのオペラの合唱曲でした。楽譜の音自体はそんなに難しくありません。しかし、その裏側にあるものはとてつもなく深い。歌詞や場面を理解することはもちろんのこと、歴史や宗教にまで踏み込みまなければ、ヴェルディのオペラは真実味を帯びません。そして、それをどうやって声で表現するのか? 今回はその難しさがあったのではないでしょうか。本番前日まで細かく追求していきました。本番では合唱も練習で積み重ねたものが花開き、本当に見事でした。
圧巻だったのは『アイーダ』の凱旋の合唱。多治見オケだけでなく、岐阜県立多治見高等学校吹奏楽部(緊張に打ち勝って熱演でコンサートの最後を盛り上げてくれた)にバンダを演奏してもらい、アイーダ・トランペットのパート(ニュアンスに富んだ演奏を展開)も別に設けて大編成でしたが、それに負けない歌声を会場いっぱいに響かせました。合唱・オーケストラ・バンダ・トランペット隊が一体となったスペクタクルな演奏に身が打ち震えるほど感動しました。
ソリストの大倉さんと片山さんは合わせの度に成長しました。本番では成果をしっかり披露できたところと結果を残せなかったところがありました。僕自身も指揮者としての危機管理という面で反省点があります。ゲネプロで試さなかったことを本番で実行するリスクとその回避を考えなければなりませんでした。失敗は悔まれますが、それを糧にして次に生かしたいと思います。
全てが一体となった素晴らしい本番に立ち会えたことをこの上なく幸せに思います。「まるごと一日音楽の日 in たじみ」を中心となって運営、実行された実行委員長の齊藤順子さん、陶都楽友協会会長の加納徳子さんと会員の方々、隅々まで行き届いた心遣いで支えて下さったバロー文化ホールの職員の方々、素晴らしい演奏を繰り広げて下さった出演者の皆様に心から感謝申し上げます。
皆様と再会し、再び感動の時間を共有できる日を楽しみにしております。