午前中に大阪から岐阜県瑞浪に移動。刻々の本番が迫る
「みずなみニューイヤーコンサート2014」の練習の前に櫻堂薬師という所を視察しました。
西暦812年に嵯峨天皇の勅命によって開かれ、かつては比叡山、高野山と並んで三山のひとつ、瑞櫻山として栄えました。しかし、16世紀半ばに織田信長によって焼き払われてしまい、今はその栄華の見る影もない。仁王門と本堂は再建され、今に残っています。
まず迎えてくれるのは仁王門。再建されたと言っても時は17世紀半ば。十分歴史の重みを感じさせます。
仁王像は室町時代の作。
仁王門の向こうは蓮池。もちろん今は冬ですので、蓮は咲いていませんが、見頃になれば、見事な光景となるでしょう。この池には民話や伝説があります。
さらにその向こうが本堂。
本堂には数々の絵馬が掲げられていますが、馬の絵馬はいわくつき。昔々、夜な夜な畑が荒らされた。その原因がなかなかわからないでいたが、村民はとうとう決定的な光景を目の当たりにする。櫻堂薬師の本堂の絵馬から黒い馬が飛び出し、畑を走り回っているではないか。そういうことで、絵師に頼んで、馬が飛び出さないよう、絵馬に綱を書いてもらった。そうしたら、畑は荒らされなくなったという。
本堂の傍らには兎と亀と蓮とが一体となった、新しい観音像がありました。ありがたいのか、変なのか…。(変なと言って申し訳ございません!)
本堂の山側の隣りには歴史的な舞台があります。しかし、現在は公民館に改造されてしまって、その役目を果たせません。回り舞台も奈落もあるという本格的な舞台。もったいない!
所々にある灯蘢が陶製なのに途中で気付きました。さすが陶器の町、瑞浪。
櫻堂薬師の名にある通り、ここは桜の名所として地元では有名。特に垂れ桜が大変優美とのこと。
境内には瑞櫻山の見取り図がありました。緑色の部分が遺跡となっています。白い部分は発掘が進んでいないか、宅地として開発されてしまった部分です。そう考えると、かつては櫻堂薬師を中心としてどれだけ広大に栄えていたかおわかり頂けると思います。
「みずなみニューイヤーコンサート2014」の練習会場、
瑞浪市総合文化センターに向かう途中、もう一度瑞櫻山のほうを見ました。今ではなんでもない風景。しかし、櫻堂薬師に訪れてみて、かつて光景を幻のように垣間見たような気がします。
15時から本番会場で「みずなみニューイヤーコンサート2014」の練習。今日は全員集合。
まずは高田三郎の名混声合唱組曲『水のいのち』の管弦楽伴奏版(今井邦男編曲)の練習。合唱はさらに磨きがかかり、深遠で繊細かつ劇的なこの作品の世界を見事に表現しています。オーケストラもすごく良くなりました。
E.フンパーディンクの歌劇『ヘンゼルとグレーテル』(抜粋)はキャストや少年少女合唱団と初めての合わせ。第1幕と第2幕、第3幕の終結部は細かく詰めることができました。しかし、一番難しい第3幕の大半が練習できず…。正直どうなるか、わかりません。上手くいくのか、失敗するか、読めない状態です。ただ、瑞浪市民交響楽団はすごく頑張っています。努力しているのがよくわかります。最後まで諦めないことが重要。これを乗り越えられたら、このオーケストラはまた大きく成長するでしょう。残り2週間、突き進むのみ!
オーケストラとの練習は19時まで。その後、キャストの立ち稽古にも参加したので、21時近くまで指揮しました。疲れた疲れた!
しかし、明日も大変な一日。オーケストラ練習が2つ。どちらも大曲揃い。中村貴志、乗り越えられるか?