8日の「城陽第九」の合唱指導を終えた後、名古屋に戻ってきました。しばらく名古屋に滞在。
9日(金)は
混声合唱団スコラ カントールム ナゴヤの定期練習。急遽依頼を頂いた9月1日の
「冨田勲×初音ミク」の合唱。アマチュアにとってはあまりにも急過ぎて練習時間も多くなく大変でしたが、多数の方々にお手伝いにお手伝い頂き、参加者全員のご尽力により、良い具合に仕上がってきました。皆さんの頑張りと情熱に心から敬意を表します。皆さんの音楽へのひたむきな思いに心打たれます。
10日(土)は昼過ぎから
名古屋大学グリーンハーモニーのアンサンブル・トレーニング。名大グリーンは目下25日(日)に
名古屋市港文化小劇場で開催される「サマーコンサート2013」に向けて練習を重ねています。そこで取り上げられる2曲をアンサンブルのさらなる向上を目指して僕が指導しました。
ひとつは武満徹の『島へ』。正直に言いますが、武満は非常に難しく、僕自身は積極的に取り上げたくない作曲家の一人です。僕の大好きな作曲家だけに、このことに関して非常にディレンマがあります! 日本的でありながら、西洋の様式にも負うことが多い武満の魅力を伝えようと思ったら、気を遣わないといけないいことがあまりにも多くて、僕自身の要求に奏者がついてこられないと思うから、気が引けてしまうのです。名大グリーンは一体どんな演奏をするのか、一抹の不安を抱いていましたが、そんな僕の気持ちを吹き飛ばすような出来に驚いてしまった(笑)。武満の難しいハーモニーがビシッ!とキマッているのです。これだけで驚異的なことです! あとはブルジーでジャジーな雰囲気をどこまで醸し出せるか。楽譜に書いてあることは汲み取らなければならないけれど、一方でどこかいい加減な感じ、適当な感じがないと、武満にならない。ここが武満作品の難しさ。
もうひとつは千原英喜の混声合唱組曲『あなたにあいたくて生まれてきた詩』かた第1曲「あなたにあいたくて生まれてきた詩」。爽やかで清々しい詩と曲で、これは名大グリーンの学生たちが等身大で表現できる作品です。だから逆に歌い過ぎてしまいます。「ここぞ!」というポイントを決め、それを最大の山場として演奏を構築すると良い。
全体としてはすごく良い。「サマーコンサート2013」を聴くのが楽しみになったし、1月20日の「第47回定期演奏会」がいっそう楽しみになった!
11日(日)は愛知県東海市へ。ここに降り立つのは人生で初めて。
ゴールデンウィーク明けが締め切りで、その半分が締め切りを大幅に遅れ、ドイツ旅行に旅立つ直前の7月半ば過ぎにようやく完成した、歌と弦楽合奏のための編曲作品の練習が行われ、立ち会わせて頂きました。それはわが同志、三輪陽子さんさんがゲスト出演する
アイン・クラング弦楽合奏団の
「第10回定期演奏会」。「三輪葉子さんと是非共演したい!」というアイン・クラング弦楽合奏団の皆さんの熱き思いから、歌曲、オペラ・アリアの編曲をご依頼頂きました。
いや〜、この編曲は結構辛かったですね(笑)。
「ドキハキ・南こうせつ」のオーケストレイションが食い込んできて、スケジュール的にきつかったのもありますが(笑)、ピアノ伴奏で完結している作品を、あるいは色彩豊かなオーケストラ伴奏の作品を弦楽合奏という単色の伴奏に置き換えるのは非常に非常に難しかった! どうしたら弦楽合奏でもつまらなく聴かせることができるか、とことんアイデアを考えました。
もうひとつの難しさは演奏者がアマチュアで、しかも予想以上に人数が少なかったこと。プロだったら、ある程度予測がつきますが、僕が知らないアマチュア団体ということでまったくの未知数でした。それでも、結局はディヴィジ(声部の分割)が多い難しい編曲となってしまいました。
編曲が難しい上に、締め切りを大幅に遅れたので、一体どういう状態なんだろうか…と思いながら、練習会場に赴きました。しかし、不安は杞憂でした。僕が書いた音符を丹念に読み取って下さり、丁寧に表現して下さっていました! 編曲家冥利に尽きます! 人数が少ないのにディヴィジが多い編曲ですが、個々の奏者のレベルが高いので、音もキマッていますし、音も厚い。色々申しあげましたが、それはあくまでも表現のことで、基礎的なことはまったく問題なし。皆さんのレベルの高さに驚嘆しました!
本番がすごく楽しみになりました! 三輪陽子さんとアイン・クラング弦楽合奏団の贅沢なサウンドを是非お聴き下さい!
さて、僕が長年住み続けた借家を買い取り解体して、新築することにした中村家。今月初め、住み慣れた借地の売買契約を交わし、20日から借家の解体が行われることになりました。そうなれば、かつては僕の住処、現在は僕の仕事場となっている借家から僕の一切合財の荷物を運び出すことが急務。その第一段として9日(金)にピアノが運ばれて行きました。
今からちょうど10年前、僕が一人暮らしを始めるのを機に見栄で買ったピアノ(笑)。それでも、音質にはこだわりましたよ! しかし、今までの環境がピアノには劣悪で、かなり傷んでいる模様。建て替えの間、このピアノを購入した店で保管して頂きますが、その間にしっかりとメンテナンスをして頂きます。元気になって戻って来てくれることでしょう。今度の家は全館24時間完全空調なので、ピアノにとっても良い環境のはず。音楽室も作るので、大活躍してもらいます!
11日(日)にはコンピュータその他を搬出。そして今日、仮住まい先でネットが開通。この記事が第一段です!