2013年7月5日(金) 無事終了
ザ・シンフォニーホール
主催
朝日放送
協賛
タケモトピアノ
企画制作 ベリーファーム
協力
キョードー大阪
ヴォーカル:
南こうせつ
ベース:
河合徹三
ギター・ヴァイオリン:
佐久間順平
ピアノ:
矢嶋マキ
指揮:寺岡清高
管弦楽:
大阪交響楽団
司会:三代澤康司
オーケストレイション
なかむらたかし
第1部 残響2秒のホールで響く夢のアコースティックサウンド!
星降る夜
あなたのことが好きでした
夢一夜
加茂の流れに
夏の少女
うちのお父さん
第2部 時代を彩った名曲をフルオーケストラの豪華共演と共に!
L.v.ベートーヴェン 交響曲第5番ハ短調 作品67「運命」より、第1楽章
E.エルガー 威風堂々
J.シュトラウスU・南こうせつ 美しき青きドナウに〜神田川
J.S.バッハ・南こうせつ トッカータとフーガニ短調BWV565〜今日は雨
妹
幼い日に
アンコール
満天の星
朝日放送の名物公演「三代澤康司のドッキリ!ハッキリ!クラシックです」と、三代澤さんが心から愛するアーティスト、南こうせつさんがコラボレーションしたこの企画。第一弾は昨年4月に開催されましたが、満員御礼の大好評で第二弾が開催されることになり、内容もパワーアップし、管弦楽を度々お世話になっている
大阪交響楽団が担当するにあたり、そのオーケストレイションを担当させて頂きました。
「ドキハキ・クラシック」では昨年9月に合唱指揮をやらせて頂きましたが、まさかそのご縁でオーケストレイションをさせて頂くなんて露ほどにも思いませんでした。司会を務められた三代澤さんをはじめ、朝日放送の担当者の方は僕の合唱指揮者としての能力はご存じでも、編曲者としての能力はまったくわからず、一体どうなるかと思われたのではないでしょうか(笑)。
しかし、依頼は遅かったですが、集中してアイデアを練り、とことん考え、また
安藤裕子さんや
福原美穂さんのオーケストレイションで得た経験もあって、自分としては満足いくオーケストレイションができました。
前日のオーケストラ練習で実際に音を耳にした時、「これはイケる!」と思いましたし、当日のゲネプロで初めてオーケストラの音を耳にされた南こうせつさんが非常に喜んで下さって、良い仕事ができたと心底思いました。
そうして、迎えた本番は大大大成功!!! 何と言っても、南こうせつさんのパフォーマンスが素晴らしかった!!! こうせつさんのお人柄がにじみ出た、そして長年第一線で活躍されてきた経験が培った音楽は、ある時は聴衆をノリノリにさせ、ある時は涙を誘い、聴く者の心をつかみました。そして、三代澤さんのこうせつさんへの熱き思いが、このコンサートをいっそう盛り上げましたね。第1部の南こうせつさんと阿吽の呼吸で音楽ができるバンドのサウンドと、第2部の豪華なオーケストラのサウンドの両方を楽しんで頂けた本番になったと思います。
いつもそうですが、こういったオーケストレイションにあたっては原曲の持ち味を生かしつつ、オーケストラの魅力が存分に繰り広げられることに気を遣います。今回は面白い構成もあり、編曲者として遊ばせて頂きました。例えば、J.シュトラウスUのワルツ『美しき青きドナウに』からこうせつさんの代表曲『神田川』につなげてほしいというこうせつさんの要望。ウィーンから東京に瞬間移動するように、『ドナウ』の耳馴染みのある第1ワルツが急に転調し、クラリネットによって寂しげに『神田川』のサビのメロディーが奏でられた(余韻を残すように『ドナウ』の音楽が断片的に現れる)後、『神田川』の前奏が始まるという構成にしました。また、ザ・シンフォニーホールの素晴らしいパイプ・オルガンを使ってほしいという三代澤さんの要望にもお応えしました。J.S.バッハのあの有名な『トッカータ』から『今日は雨』につながる構成も面白かったと面白かったと思います。
しかし、こういったオーケストレイションを生かすも殺すも演奏者次第。大阪交響楽団は素晴らしい演奏で僕の音符を音にして下さいました。編曲者冥利に尽きます。音楽はすべてのセクションが一体となって作り上げるものだと改めて実感しました。大阪交響楽団に心から御礼申し上げます。
編曲者は裏方で表に出ることはありません。しかし、南こうせつさんはカーテンコールでステージに呼んで下さいました! これはあり得ないこと。オーケストレイションを気に入ったというお気持ちを皆にわかるように表されたお心遣い、本当に本当にありがたく思います。
その後は三代澤さんと同じく、こうせつさんの大ファンで関西出身のタレント、
山田雅人さんがステージに呼ばれ、熱き思いを語られました。こういったファンを常に惹きつけるこうせつさんのお人柄と音楽の力が素晴らしいと思いました。
本当に本当に幸せな時間でした。また、編曲家として成長できたと思えた仕事でもありました。これで得たものは測りしれません。このコンサートを決して忘れません。こんなに素晴らしい機会を与えて下さった皆様に心から御礼申し上げます。また再会できることを願っています!
終演後、南こうせつさんとツーショット。