今週はおそらく今年上半期で最も慌ただしかった週だろうと思います。
14日(月)に大阪へ移動。夜は女声合唱団カリスの今年の歌い始め。発声は良かったが、音楽が弛んでいた。カリスの飲み始めは楽しかった(笑)。カリスは今年創立5周年を迎える(「もうそんなに経ったの?」という感じ)。それにふさわしい活動を展開したい。
15日(火)はまず大阪府富田林でかがり音楽アカデミーの仕事始め。かがり女性コーラスも弛んでいた(どこもかしこも正月ボケか?)。今年は技術の向上を図りたい。かがり女性コーラスの特性である透明感のある声をどこまで音楽的に駆使できるか。
かがり音楽アカデミーの後は近鉄電車を乗り継いで、京都府精華町へ。PAT歌劇団の今年の初稽古。ここはバッチリだった! 3月17日の「第10回PATクランゲルコンサート」で取り上げるW.A.モーツァルトの『魔笛』の構成が終わり、曲は全部出揃った。今月は音楽稽古をしっかりやって、来月からの立ち稽古に備える。僕は台本制作と演出プランを練ること。
16日(水)に日付が変わった頃、名古屋の仕事場に到着。この日は何も予定が入ってないので、それから夜遅くまで
「安藤裕子×西本智実スペシャルプレミア・シンフォニック・コンサート」の編曲、編曲、編曲!
17日(木)は11時から16時30分まで2月23日(土)に本番を迎える
宗次ホールスイーツタイムコンサート「究極の混声四部合唱」の初練習。この本番では2つの究極がある。ひとつは佐藤眞の『大地讃頌』や高田三郎の混声合唱組曲『水のいのち』をはじめ、日本で最も有名な作品を選曲したということ。もうひとつはそれを1パート1人の四重唱でやるということ。これはオペラを1作品通して歌うことよりも大変だろうと思う。いくらなんでも、オペラは出ずっぱりということはない。しかし、このコンサートでは出ずっぱりの歌いっぱなし。合唱曲は1パート1人で歌うことを想定して書かれてないから、長いフレーズの時のブレスが大変だし、疲れたからと口パクにもできない。正直に言って、この企画を聞かされた時、「なんて無謀な!」と思った(笑)。
しかし、この日練習してみて、僕の心配は吹き飛んだ。良いじゃないか! まずは長丁場の練習に歌手4人が耐えられたこと。もちろん適宜休憩は取ったが、散々細かく練習して、最後に声の破綻なく『水のいのち』を通すことができた。おそらく疲れ切っていただろう。さすがである。そして、何よりも歌手4人の音楽性が素晴らしい。粒ぞろい。本番が楽しみだ!
夜は
ダイドー株式会社が毎年1月に開催している「ダイドーニューイヤーコンサート」のオケ合わせ。このコンサートはチャリティーも兼ねていて、今回で20回を数える。一企業がこれだけ長く音楽と福祉活動に貢献していることはすごいことだと思う。
今回は20回目を記念して最後にL.v.ベートーヴェンの『第九』の第4楽章が演奏される。その合唱指揮を僕に任された。オーケストラは
セントラル愛知交響楽団。
本番で指揮されるのはダイドー株式会社の社長。『第九』は超一流の指揮者でさえ指揮するのが難しく、緊張する作品である。失礼を承知で申し上げると、音楽好きだけれども、楽譜が読めず、指揮の基礎がない社長の指揮で演奏できるのか、わからなかった。これが曲の最初から最後までテンポが変わらない作品だったら、ここまで心配しない。しかし、コロコロと曲調が変わり、しかも声楽のソリストと合唱が加わる大規模な『第九』の第4楽章である。
セントラル愛知交響楽団の常任指揮者でこのコンサートの前半を指揮される齊藤一郎氏が見守る中、まずはオーケストラと合唱だけで練習する。齊藤氏は指揮しない。コンサートマスターが懸命に合図を出す。オーケストラは懸命にアンサンブルする。合唱もなんとかついてこられた。そして、社長が指揮台に登って、ソリストが加わって本番通りにやってみる。社長の指揮は予想以上にめちゃくちゃだった(笑)。しかし、グッと込み上げるものがあった。めちゃくちゃだけれども一所懸命に指揮して、自分の音楽を表そうとする社長の姿に触発され、オーケストラもソリストも合唱も必死にアンサンブルして最上の音楽を紡ぎ出そうとしている。演奏者全員で音楽を作り上げようというエネルギーに満ちている。ここにアンサンブルの神髄、アンサンブル音楽の神髄を見た。
18日(金)は日帰りで兵庫県尼崎へ。
アンサンブル コスモリバティの今年初めての練習。W.A.モーツァルトの『フルート協奏曲ニ長調』KV314(285d)の第3楽章とJ.ハイドンの『交響曲第83番』の第1楽章と第2楽章を練習。ハイドンは、前回細かく(厳しく)追求したお陰か、ヴァイオリンがかなり良くなった。細かい所にまで神経がいき届くようになった。モーツァルトでも同じように神経を使ってほしい。モーツァルトが書いたアーティキュレイションが明確に表現されなければならない。しかし、かなり良いセンをいっている。古典派音楽においてきちんと刻むことができるようになったのがいちばんの進歩だ。
夜は前夜に引き続き、「ダイドーニューイヤーコンサート」のオケ合わせ。社長の指揮が昨日よりも音楽に合ってきた。オーケストラも合唱も昨日よりまとまった。
今日はリハーサルが3つ重なった。
昼前からとうとう本番の日を迎えた「ダイドーニューイヤーコンサート」のゲネプロに立ち会う。愛知県芸術劇場大ホールはコンサートホールほど音響は良くないけれど、なかなか良いバランスで響いていた。残念ながら、2ヶ所だけ大きく崩れてしまった。一般的なテンポとかなり違うので、オーケストラも合唱もかなり戸惑ってしまう。さて、本番は上手くいくのか…? ミューズの女神に祈るのみ!
「ダイドーニューイヤーコンサート」は運に任せて、明日本番を迎える
「名古屋大学グリーンハーモニー第46回定期演奏会」の最後の練習に駆けつけた。とうとう終わってします。本番が楽しみな反面、学生たちとの楽しい時間が終わってしまうのが寂しい。かなり良い仕上がり。素晴らしいパフォーマンスを繰り広げてくれると確信した。お楽しみに!
最後は岐阜県瑞浪市(瑞浪駅に向かう途中で「ダイドーニューイヤーコンサート」の『第九』が無事終わったと報告を受けた。良かった、良かった)で
「みずなみニューイヤーコンサート2013」の稽古。今日はキャストを交えて通し稽古。通してみると、課題がまだまだあるなぁ。
瑞浪市民交響楽団は良い所も多いが、もうひと頑張りしなければならない所もある。それをしっかり整理して、前日のゲネプロ、そして本番に臨んでほしい。瑞浪市民交響楽団ならできる! 一方、合唱はパフォーマンスがまだまだ定まらない。音楽稽古では素晴らしい歌唱を聴かせてくれた。それから考えると、合唱団の皆さんもできるはずだ! とことん役どころを追求して、舞台を楽しもう!
今週はかなり忙しかったけれど、明日は良いコンディションで「名大グリーンハーモニー定演」の本番を迎えられそうです。大いに弾けます!!!