東京ではホテル暮らし(とは言っても、2泊しかしませんが)。僕の場合、ホテルに滞在することは稀なので、とても新鮮です。
昨日の「藤澤ノリマサ プレミアシンフォニックコンサート」のリハーサルでひとつだけ修正が出たので、夜明け頃から楽譜を直しました。楽譜を手書きしたのは久しぶり。五線も手書き。慣れなくて、6本書いてしまいました(笑)。作・編曲家として売れたら、小型のコンピュータとプリンタを買おう!(笑)
それから、31日の「オーケストラの日」で指揮する曲の楽譜を読み込みました。本番が間近なので、どこにいようが、どんな状況だろうが、読み込んでいかなければなりません。
今回は時間に余裕を持たせてスケジュールを組みましたので、東京観光に出かけることができました。
まずは東京国立近代美術館で開催されている「ジャクソン・ポロック展」へ。

ポロックはピカソを越えた芸術家と言われ、今年生誕100年を迎え、その記念展が開催されています。東京の前は名古屋で開催されていたのですが、観ることができず、今回に合わせて鑑賞することにしていました。日本でも生前から紹介され、知られていましたが、これだけの作品が一堂に会するのは初めてとのことです。
ポロックは工芸学校に通った10代の頃から「アーティストになる」と予感し、初期はネイティヴ・アメリカンやメキシコの文化に影響を受けましたが、ピカソの芸術に出会って、モダン・アートの領域に足を踏み入れ、ポーリング(絵の具を流し込む技法)によって自己の芸術を確立しました。そして1943年、著名なアート・コレクターに見出だされ、一躍アメリカのモダン・アートの寵児となりました。1950年には大きく評価される作品を次々と生み出し、アメリカ人として初めて国際的に認められたアーティストと言われるようになりました。
しかし、成功の一方で精神を病み、アルコール依存症に苦しみました。彼の作品には強烈なエネルギーがありますが、そこに彼の苦しみが見え隠れし、色彩の裏に暗さが秘められているように感じました。
なぜそのようになるのか? 僕が思うに、新たな挑戦、例えば常に新たな技法で描き続けなければならないというプレッシャーがあったのではないか。実際に彼は自ら築いた画風を捨て、新たな手法を模索しますが、自信が持てず、晩年はほとんど創作できなくなり、再びアルコールに溺れて、44歳という若さで飲酒運転による事故で即死しました。壮絶な人生であり、作品はそれを反映してました。
続いては、東京で今いちばん話題と言える東京スカイツリーを観に行きました。予想以上に高く感じて、逆に張りぼてじゃないかと思ってしまいました(笑)。

河津桜とスカイツリーというオツな風景も。

ちょうど昼食時でスカイツリーにちなんだ名物料理はないかと探したら、ありました。その名もずばりタワー丼。

すごいヴォリュームで食べ切れるかと心配になりましたが、非常に美味しく、あっさりもしていて、難なく完食できました(笑)。
渋谷駅の連絡通路にある岡本太郎の『明日の神話』。一時期行方不明になっていた壁画で、岡本太郎が亡くなってから大分経った近年、奇跡的に見つかったもの。彼の作品も強烈ですが、純粋に描くという行為に向かっているので、大好き。
久しぶりに東京で遊んだという感覚。楽しみました。
さぁ、今から仕事だ!