2011年の最後の日を迎えました。皆さんにとって今年はどんな年でしたか?
日本にとって今年は辛い年でした。3月11日に起きた東日本大震災は全世界に大きな衝撃を与えました。そして、それに因む原発事故と政府の混迷。暗澹たる気持ちにさせられます。
今年は台風による災害も発生し、大きな被害をもたらしました。自然の前で人間がいかに無力かということを思い知らされました。
多くの人が「生きること」「生きていくということ」を深く考えたのではないでしょうか。
人が生きている間に人生の転機は何度か訪れます。僕は今年がそうでした。
2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロは僕に僕自身と音楽の存在意義を問いました。その答えがなかなか見いだせず、もがき苦しみました。
そのような時に木島始さんの『とむらいのあとは』
「たおれたひとの たましいが うたえなかったもの ゆめみよう 銃よりひとを しびれさす ひきがね ひけなくなる 歌のこと」という詩に出会い、僕は救われました。「そうだ! 僕も銃より人をしびれさす音楽をしよう!」と強く思ったのです。
そうして迎えた今年の9月11日。僕のそれまでの気持ちを
「レクイエム」にぶつけました。このコンサートをやったことによって、僕は大きく変わりました。音楽の持つ力を確信することができました。そして、音楽を伝える、音楽に乗せて自分の思いを伝えるということを強く意識するようになりました。自分が求める表現も変わりましたね。より人間的なものになってきたように思います。
それにしても、今年の上半期まではよく働きました! 中村貴志はよく頑張ったと思います(笑)。肉体的にはきつかったですが(だって、7月の半ばまでふぬけ状態でしたから)、精神的には充実してました。僕も少しは成長したのかな。
下半期からはペースを落としてじっくりやっています。その中で色々なことを考えています。人生を振り返っています。成功したこと、失敗したこと、すべてをひっくるめて、今までのことは無駄ではなく、今の僕につながっています。経験が人を作る。そして、出会い。たくさんの素晴らしい出会いがあり、たくさんのことを経験させてもらえたのは本当に幸せです。
しかし、中村貴志はまだまだこれからです。やっとスタートラインに立てたなぁと思っています。これからも前進して、自分の人生を切り拓いていきます! 来年もどうぞ中村貴志をよろしくお願い申し上げます!
皆さん、良いお正月をお迎え下さい。