セルビア共和国から無事帰国しました。今回の演奏旅行は前回と同様、いや、それ以上に充実したものとなりました。
11日(日)の「レクイエム」を終えた翌日の12日(月)、
中部国際空港(セントレア)から飛び立ち、まずは経由地、
ドイツの
フランクフルト・アム・マインで1泊。
13日(火)に
セルビア共和国に入りました。
今回の演奏旅行中に4つのコンサートがありました。
1つ目は14日(水)、首都
ベオグラードの市街地にある
Guarneriusという音楽サロンでのコンサート。「日本の四季と心象」と題して、前半は僕の独唱、後半は前回の演奏旅行でも共演し、素晴らしい演奏を繰り広げたポジャレヴァッツ市立女声合唱団バリリのステージという構成。
下はこの本番の翌日に出たコンサートの批評記事。
2つ目は17日(土)、
ノヴィ・クネジェヴァッツという町でのコンサート。ここはベオグラードから北へ220kmに位置し、ハンガリーとルーマニアの国境にほど近い。ウクライナを源流とし、セルビアでドナウ川に合流するティサ川が流れ、自然が豊か。
この地で毎年8月の終わりから9月の中頃まで開催されている室内楽フェスティバル「ティシン・ツベット(ティサ川の花)」のコンサートのひとつに出演し、A.コレッリの『合奏協奏曲 作品6−1』、G.ボッテジーニの『タランテラ』、セルビアを代表する作曲家のおひとり
A.S.ヴイッチさんの『東セルビアから』と『セルビア舞曲Kolo』を指揮しました。また、僕の作曲家としての2作目、純器楽曲としては処女作となる『弦楽合奏のための作品』が無事初演されました。
下は終演後の記念写真。右から『東セルビアから』他でヴァイオリン・ソロを務めた角崎悦子さん(在セルビア共和国日本国大使夫人でもあられる)、作曲家であり、指揮者であり、ピアニストであり、このフェスティバルのプロデューサーでもあるA.ヴイッチさん、そのヴイッチさんが指揮するJ.S.バッハの『ヴァイオリン協奏曲 イ短調』でヴァイオリン・ソロを務めた豊嶋めぐみさん、『Kolo』でピアノ・ソロを務めた加藤美咲さん、そして僕。
3つ目は19日(月)、ベオグラード市庁舎で開催された
在セルビア共和国日本国大使館と
JTI(Japan Tabacco International)主催によるコンサート。
下はこの本番翌日に出たコンサートの批評記事。
4つ目は21日(水)、女声合唱団バリリの本拠地、
ポジャレヴァッツ市の市庁舎でのコンサート。もちろんバリリと共演。内容はGuarneriusでのコンサートとほぼ同じ。
どのコンサートも素晴らしく、お客様も反応も良く、音楽を通じて深い文化交流、心の交流ができたと自負しています。
個人的には素晴らしい音楽家A.S.ヴイッチさんと親交を結ぶことができたこと、そして女声合唱団バリリとその指揮者カタリン・タシッチさんと再共演を果たし、友情が深まったことを特にうれしく思います。
今後も交流を継続し、深めて、音楽を通じてセルビアと日本の交流に寄与したいと強く思っています。
10日間のセルビア滞在中、この国の経済的な困窮が目につきました。それは社会主義だったこと、そして独裁政権時代に受けた経済制裁の影響によるもの。しかし、そこに生きる人々はたくましく、明るい。そして、暖かく、親切(僕に対しては外国人、特に日本人だからということもありますが)。先進国の人々が失ってしまったものをセルビアの人々は持っているように感じました。
セルビアの豊かな自然にも魅了されました。田舎はもちろんのこと、大都会である首都ベオグラード市内も緑にあふれています。僕はこういう町が大好き。食べ物もお酒も美味しい。僕はセルビアが大好きです! 是非また訪れたい!
今回の演奏旅行でも在セルビア共和国日本国大使館から最大限の支援を頂きました。日夜セルビアと日本との友好に尽力され、今回の音楽を通じての文化交流を決断され、実行されたことに敬意を表します。角崎利夫大使を始め、大使館職員の皆様、大使公邸職員の皆様に心から御礼申し上げます。そして何よりも、セルビアと僕とを結びつけて下さった角崎悦子大使夫人に最大の謝意を表します。ひょうんな出会いがここまで発展するとは思いもよりませんでした。出会いにも感謝!
この演奏旅行については詳しく記事にしたいと思います。思っていますが、ご存じの通り、前回のセルビア旅行記はおろか、「ドイツ旅行記2010」や「スイス演奏旅行記2009」もまだ完成していません(苦笑)。気長にお持ち下さい(笑)。
オマケ
ポジャレヴァッツでのコンサートの打ち上げのワンシーン。女声合唱団バリリのメンバーの手ほどきを受けて、Koloを踊る。ヴイッチさんのKoloを指揮するほうが簡単だった(笑)。