「第8回PATクランゲルコンサート」の翌日の午前中はその本番の疲れが出てグッタリ気味。いくら小さな会場で小さな編成とは言え、オペラは他の分野の作品よりもエネルギーが必要なのです。歌い手(ソリストや合唱)がいてアンサンブルがいる。これだけでもかなりエネルギーがいります。さらに皆が物語に沿って演奏しなければならない。歌い手たちは歌うだけでなく、演技します。アンサンブルは演技と作曲家が書いた音符を合致させながら演奏します。これで演奏の難しさは倍増します。指揮者はこれらすべてをまとめなくてはならないので、大変なのです。また、オペラは事故が起きやすい。事故を未然に防ぐため、あるいは事故を最小限に抑えるため、神経を遣いますし、身構えます。だから、疲れるのなんの。
しかし、「クランゲルコンサート」では事故はなく、全体が上手くまとまり、大いに楽しめました。関わった全員がそれぞれの能力を発揮してくれたお陰。身体は疲れましたが、心は充実感で満たされました。
29日(火)は河内長野マイタウンオペラ『椿姫』の合唱音楽稽古。この日から二巡目に入りました。譜読みから一歩踏み込んで音楽作りを開始。本番指揮者や演出家のどのような意向にも対応できるように基礎となるものを作るのが合唱指揮者の仕事。甘い表現を見逃さず、楽譜に書いてあることをすべて音にすることが第一です。31日から男声とともに合同稽古開始。
30日(水)と31日(木)は関西二期会公演『つばめ』の合唱音楽稽古。
30日は女声だけのパート練習。女声は皆プロですから当たり前ですが、最初からパッと歌えるし、上手いし、反応が良い。
31日、つまり今日から男女合同の稽古を開始。男声はもう少し突っ込んでいかなければなりませんが、全体としては良い感じに仕上がってきています。問題は暗譜だな。
空いている時間は6月21日に初めて舞台化される自作のミュージカル『本能寺が燃える』の改訂作業を一気に進めました。アンサンブルの編成はドラム・セットを除いた他はラジオ放送の時と変わりませんが、今回の舞台化にあたってオーケストレイションを徹底的に見直しました。これにより、さらに広がりのあるサウンドになるのではないでしょうか。
4月10日(日)に開催されるセントラル愛知交響楽団との本番の勉強を開始。前半はオーケストラだけで映画音楽の名曲を演奏します。どれも聞いたことのある作品ばかり。オーケストラの芳醇なサウンドで楽しんで頂けると思います。
しかし、大きな心配がひとつ。この本番の後半に演奏する楽曲の編曲が上がってこない…。直前に上がってきて、しかも間違いだらけだったら…。早く楽譜を下さい!
振り返ってみると、ここ数日は劇音楽にどっぷりと浸かっていましたね(映画も、表現方法が違うけど、物語があるから、劇音楽と言える)。オペラやミュージカル、映画に接するということは、その登場人物に接するということ。その登場人物は日常を超えた生き方をしています。まさに劇的。そういった人たちと音楽を通して過ごすのは楽しいですよ。