昨日また大阪に戻ってきました。名古屋の住み処にいる間に6日に本番を終えた『コジ・ファン・トゥッテ』の記事を更新したかったのですが、14日の本番の準備に追われ、できませんでした。しかし、お陰様で14日の準備をすべて終えることができました。もうバタバタする必要はありません。
さて、昨日、今日と関西二期会の公演『ドン・ジョヴァンニ』のゲネプロ(本番とまったく同じようにやるリハーサル)でした。会場はもちろん本番会場のアルカイックホールの大ホール。最近は客として何度か来場しましたが、オペラのスタッフとして訪れるのは本当に久々。関西二期会と双璧の関西歌劇団に関わって以来ですから、5年ぶりになります。

また、今回が5年ぶりに常設のオペラ団体との関わりになります。何もかもが久しぶりに味わう感覚に感慨を覚えます。
ゲネプロですべてがそろい、全容が明らかになります。この公演に関わった人々がそれぞれの立場で公演の成功を目指して尽力してきましたが、それらが初めて一つになる瞬間なのです。緊張の時。
昨日は13日組のゲネプロ。そして、すべての人にとっての初日。手探りの部分も多少ありますし、上手くいかなかった部分もあります。本番とまったく同じようにやって、それらをあらわにし、修正していくのがゲネプロと言ってもいいかもしれません。問題点の解決に向けてそれぞれのセクションで修正を重ねて、最良のものを作っていきます。
今日は14日組のゲネプロ。昨日よりも照明のタイミングが断然良くなり、登場人物の出るきっかけが改められて舞台上での流れが良くなりました。音楽面では昨日本番会場で弾くのが初めてということで探り合い、互いの音をつかめずにいたオーケストラが会場の響きになれ、アンサンブルがグッと引き締まり、安定した音楽を奏でています。これは歌手に大きな安心感を与え、すごく歌いやすくなります。ゲネプロではこのようにして本番に向けて最後の詰めを行うのです。
僕の合唱指揮者としての仕事はここまで。依頼を頂いた段階で本番は立ち会えないことはわかっていましたし、それを了承した上での契約でした。この合唱指揮を引き受けようかどうか迷いましたが、関西二期会という日本でも有数のオペラ団体の中に入って、色々とみたかったですし、第一線で活躍する演出家と指揮者、関西を代表する歌手たちと一緒に仕事したかった。素晴らしい方々と一緒に濃密な時間を過ごせたこと、久々にオペラを作り上げるという喜びを味わえたことを感謝します。また、素晴らしい合唱の合唱指揮をさせて頂けたことは大きな喜び。歌う箇所が少ないとはいえ、終始安定していました。最後にトンネルを作って送り出してくれたのがうれしかった!
公演はきっと成功するでしょう! そう願っています!
オペラの稽古場ではピリッとした緊張の中に身を置いていますが、そこから一歩離れると穏やかな生活を送っています。こんなにゆったり過ごすのは久しぶりです。ラジオ・ミュージカル『本能寺が燃える』の作曲や6日の『コジ・ファン・トゥッテ』に追われた日々が遥か昔に感じられます(『コジ』の本番からまだ1週間も経っていないのに)。
久しぶりに淀川までジョギングしました。淀川沿いの公園の木々が紅葉し始めました。今年は大分遅いですが、秋の彩りを楽しむことができます。
