日本は政権交代し、民主党を中心とする連立政権の下で新たな一歩を踏み出しました。日本国民が圧倒的に支持して誕生した政権です。多くの国民が改革とより良い生活を望んでいることでしょう。
先日、各省庁から予算の概算要求があり、その無駄を省く名目で「事業仕分け」が行われ、大きな注目を集めました。しかし、目に見える成果、数字で表せる成果がないというだけで、無駄ではないものが省かれようとしています。
僕がお世話になり、大切な仲間でもある"大阪シンフォニカー交響楽団"や"セントラル愛知交響楽団"をはじめ、多くのプロ・オーケストラが独立行政法人日本芸術文化振興会から芸術創造活動特別推進事業助成金を受け、また日本芸能実演家団体協議会と本物の舞台芸術体験事業(小・中学校でのオーケストラ公演)の委託契約を結んでいます。先の事業仕分けでこれらの事業への予算の圧倒的な縮減が答申されました。目に見える成果、数字で表せる成果がないという理由でしたが、音楽をそのような形で表せるでしょうか? 心の領域をそのような形で表せるでしょうか? 現場も見ず、ほんの短い時間で芸術の有意義性を判断できるでしょうか? 全くもってナンセンスな話です。
特に、オーケストラ公演を簡単に聴きに行くことができない地域の小・中学校にオーケストラが赴き、小・中学生に生の演奏を届ける「本物の舞台芸術体験事業」の縮減は許すことができません。これは単なる公演ではなく、教育なのです。生の演奏にはCDやDVDでは絶対に体験できない、演奏者と聴く者との直の心と心の交流があるのです。また、音楽家が演奏する生の姿を見ることによって、感性が磨かれます。これは大変素晴らしい教育ではないでしょうか。こういうことを若い時に体験することによって、心がより柔軟になり、感性がより豊かになるのです。こういうことを数字ではかることはできません。
資源の少ない日本にとって人材こそ最大、最強の資源です。その人材を造りだすのは教育です。教育費を削って、教育をおろそかにしては絶対になりません。素晴らしい人材を育てることこそ国の責任ですし、われわれ大人の責任です。また、このような予算を削って、鳩山由紀夫首相のおっしゃる「友愛」が実現できるか、大きな疑問です。
しかし、この事業仕分けは答申であり、決定事項ではありません。政府は12月15日まで今回の事業仕分けに関してメールで広く意見を求めています。このブログをご覧の皆様、是非ご意見をお寄せ下さい。皆様の意見によって行政を変えることができるのです。是非ともよろしくお願い申し上げます。
アドレス:nak-got@mext.go.jp
宛名:文部科学副大臣 中川正春、政務官 後藤斎
事業番号「4」
事業名「文化関係1−独立行政法人日本芸術文化振興会」
※芸術創造活動特別推進事業助成金についてはこの項目
事業番号「5」
事業名「文化関係2−芸術家の国際交流」
※本物の舞台芸術体験事業はこの項目
様式は自由ですが、必ず「件名(タイトル)」に事業番号と事業名を記入して下さい。また、本文には送信者の氏名と住所を記入して下さい。
参考ホームページ
文化庁
http://www.bunka.go.jp/
公募・採用欄(11月18日付け)
「行政刷新会議事業仕分け対象事業についての意見募集」
大阪シンフォニカー交響楽団http://www.sym.jp/